富士通総研

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. Economic Review >
  4. Vol.9 No.2 2005年4月 >
  5. 日本産業の革新力と成長への展望 - 第16回 富士通総研経済研究フォーラム -

日本産業の革新力と成長への展望 - 第16回 富士通総研経済研究フォーラム -

概要

富士通総研経済研究所では、2004年12月7日(火曜日)経団連会館において第16回フォーラム「日本産業の革新力と成長への展望」を開催した。今回のフォーラムでは、3人の研究員による研究報告と、メリルリンチ日本証券株式会社のチーフエコノミスト、イェスパー・コール氏による特別講演を実施した。聴衆は300名を超え、極めて盛況のうちに幕を閉じた。

まず、安部は、「デジタル家電の製品特性と成長戦略」というテーマのもと、近年日本企業が高い世界市場シェアを伴って成長しているデジタル家電について、その市場特性、製品特性及び生産特性から、今後の成長戦略に関して発表した。今後の成長のためには、心臓部の基幹部品を自社の高い市場シェアを武器に標準化するか、できない場合は1社独占を許さないこと、国内工場で次々に最先端製品を作り、汎用化したらアジア工場に生産をシフトする循環を定着させること、国内自治体が積極的に工場立地支援を行うこと、国内企業の再編による製品の集約化を進めることなどを提案した。

続いて前川は、「期待されるネット家電 - 普及の鍵は何か - 」と題し、生活者に対するいくつかの「ネット家電」に関するアンケート調査結果から、生活者のネット家電に対する当面のニーズは、「デジタル・コンテンツを楽しむという娯楽用途」と「安全・安心系のサービス」にあると指摘した。その上で、ネット家電の普及の鍵は、消費者の持つ2つの不安(セキュリティやプライバシー侵害に対する不安と、異なるメーカーの機器の相互接続に対する不安)を解消することと、ネット家電で生活がどう変わるかを生活者に分かりやすく伝えることにあると主張した。

西尾は、「バイオ企業の研究開発の現状と課題」と題し、日本のバイオ企業のR&Dの現状について、国内特許出願データによる分析を基に発表した。分析の結果、バイオ企業の出願及び先端領域の出願は増加しており、日本のバイオ企業は設立件数だけでなくR&D活動も進んでいるものの、出願は一部の企業に偏り、大企業との共同出願が少ないことから、今後は政府のR&D支援を活用しつつ、大企業と連携できるレベルの成果を創出する必要があると主張した。また、バイオ企業の活動には大学教員の関与が不可欠であるが、大学が組織的な特許の管理を強めていることから、今後は、継続的な大学との組織的な連携を構築する必要があると提言した。

また、特別講演「激動世界の中の日本」において、メリルリンチ日本証券株式会社のチーフエコノミスト、イェスパー・コール氏は、激動する世界経済の中で日本経済を考えてみると、「構造」と「循環」の両面で問題が浮上してきており、今後付加価値をつけ知的財産という国際競争力を持たなければ、日本は三等国になるリスクが存在すると指摘した。更に、今重要なのは、循環的調整ではなく、構造的な改革を続けてゆくことであると主張した。

13時 受付開始
13時30分~13時40分 開会挨拶
理事長 島田 晴雄
13時40分~14時20分 「デジタル家電の製品特性と成長戦略」
主席研究員 安部 忠彦
14時20分~15時 「期待されるネット家電 普及の鍵は何か」
主任研究員 前川 徹
15時~15時40分 「バイオ企業の研究開発の現状と課題」
主任研究員 西尾 好司
15時40分~15時55分 休 憩
15時55分~16時55分 特別講演「激動世界の中の日本」
メリルリンチ日本証券株式会社チーフエコノミスト イェスパー・コール
16時55分~17時 閉会挨拶
社長 長谷川展久

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 日本産業の革新力と成長への展望 - 第16回 富士通総研経済研究フォーラム - [131 KB]