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アジア地域におけるCDM実施の有効性及び課題

上級研究員 濱崎 博

2004年10月

目次


はじめに
I.アジア地域でのCDM実施による我が国経済への影響
1.前提条件
2.実施シミュレーション
3.シミュレーション結果
II.中国におけるCDM実施の可能性
1.温暖化と中国環境ビジネス
2.中国CDMプロジェクト実施の手続き
3.中国のCDMへの取組み
4.CDMに対する中国政府の考え方
5.中国におけるCDMプロジェクト実施の課題とリスク
III.結論

要旨

1.1997年京都で開催された気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)において、我が国は、2008年~2012年に1990年比6%もの温室効果ガスの削減が必要となった。既にエネルギー効率の高い我が国にとって、非常に高い目標であり、削減目標達成により、経済の衰退・空洞化を招く危険性がある。 第15回フォーラム『日本と中国:新たな経済関係の構築へ向けて』2.我が国はCDMを活用することにより温室効果ガス削減目標達成と安定した経済成長の両立が可能となるばかりでなく、アジア地域での酸性雨などの環境問題の影響低減につながる。また、エネルギー安全保障などの側面からアジア諸国における省エネルギー、再生可能エネルギーの推進は必至であり、今後温暖化に関連するビジネスの拡大が期待でき、将来の巨大市場への先行参入の契機ともなる。第15回フォーラム『日本と中国:新たな経済関係の構築へ向けて』3.我が国が、アジア地域でCDMを実施せず、京都議定書の削減目標を達成するためには、107.3US$/トン・炭素の費用が必要であり、その結果エネルギー多消費産業における生産は減少する。更には、現在雇用されている人の1.3%が職を失う可能性がある。第15回フォーラム『日本と中国:新たな経済関係の構築へ向けて』4.アジア地域においてCDMを積極的に実施した場合には、削減費用はわずか4.1US$/トン・炭素であり、我が国経済・社会への影響は大幅に軽減される。第15回フォーラム『日本と中国:新たな経済関係の構築へ向けて』5.最大のCDMホスト国と期待されている中国においてCDM実施に関して受入態勢が整うなど、アジア地域におけるCDMプロジェクト実施のための環境は整備されつつある。しかし、一方でCDMプロジェクト実施には、1)価格形成がなされていない排出クレジットがリターンであるリスク、2)京都議定書発効リスク、などのリスクがあり、これらのリスクを全て投資者が負わなければいけない。炭素基金などCDMリスク分散化のための環境整備が早急に必要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF アジア地域におけるCDM実施の有効性及び課題 [449 KB]