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医療サプライチェーン改革に関する一考察

主席研究員 松山 幸弘

2004年7月

目次


I.問題提起
II.アメリカの医療市場の概要
III.医療GPOの仕組みと資金の流れ
IV.医療eコマースの敗北
V.医療サプライチェーンの最終目標はPOS
VI.日本の医療サプライチェーン改革の方策

要旨

1.医療の産業化の必要条件は、[1]人口数百万人の広域医療圏で政府の援助を受けることなく財源が自己増殖すること、[2]医療収益が地域住民に還元される仕組みがあること、[3]サプライチェーンの効率化が他産業並みに進むこと、の3つである。このうち本稿ではわが国の医療サプライチェーン改革の方策について考察を試みた。

2.アメリカの医療市場では1990年代に入り、GPO(Group Purchasing Organization)と略称される医療共同購買会社が本格的に台頭、2003年現在約800存在する。それらが地域医療圏でグループを形成、更に連携しあうことで広域あるいは全国ネットワークを構築している。病院の購買金額に占めるGPOのシェアは約70%であり、その節約効果は約190億ドルと医療サプライチェーンの効率化に大きく貢献している。GPOが成功している理由の1つは、医材・医薬などサプライ品目の選定に医師を参加させていることである。

3.広域医療圏の中で様々な医療関連事業体を包含している統合医療事業体は、外部のGPOを上回る共同購買機能を発揮している。統合医療事業体が目指している医療サプライチェーンの理想型は、コンビニエンス・ストアが実現しているPOSである。つまり、医療現場で患者に医材・医薬が使用されると同時にその情報が製造会社にまで伝えられ、病院側の在庫が随時自動補充されるという仕組みである。

4.わが国の医療サプライチェーンを改革するためには、まずサプライ品目選定のインフラとなる臨床プロトコル作成の体制作りに取り組む必要がある。加えて「広域医療圏単位で過剰投資を防止する仕組み」を構築しなければならない。そのためには、医療庁を創設し「縦割り行政の弊害からバラバラに運営されている公的病院のガバナンスとマネジメントを広域医療圏単位で統合する」ことが肝要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 医療サプライチェーン改革に関する一考察 [608 KB]