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デフレ克服の手段としてのコミュニティマネーの可能性

主任研究員 米山 秀隆

2004年1月

目次


はじめに
I.退蔵するマネーとマネーの囲い込み
1.退蔵するマネー
2.マネーの囲い込みI - コミュニティマネー
3.マネーの囲い込みII - コミュニティクレジット、コミュニティボンド
4.マネー囲い込みとコミュニティ内での消費、投資の促進
II.マネー囲い込みの意義
1.大不況とマネー囲い込み
2.減価するマネーの思想 - ゲゼルの自由貨幣論
3.コミュニティ内外のマネーの区別 - ケインズの国際通貨「バンコール」構想
4.貨幣発行の自由競争 - ハイエクの貨幣発行自由化論
5.コミュニティマネーの進化した形態 - スイスの「WIR」
6.現代におけるコミュニティマネーの役割
III.マネー囲い込みのための戦略
1.部分的アプローチの統合
2.ボランティアとの共生
3.独自通貨の持つ効果
おわりに

要旨

デフレは現象面では、貨幣の流通速度の低下に現われている。これを克服するため、日本銀行が貨幣の流通速度を高めるための様々な策を講じているが、現在までのところ顕著な効果はみられていない。

そこで貨幣の流通速度を高めるための工夫として、民間レベルでは、独自通貨を発行することで貨幣を特定のコミュニティ内に囲い込み、その中で循環させようとする動きが活発化している。ポイント制度、コミュニティクレジット、コミュニティボンドの仕組みがその一例としてあげられる。これらは、コミュニティが外部からの悪影響を遮断し、コミュニティ経済を活性化させる効果を持つ。

歴史的にみると、独自通貨を発行して貨幣を囲い込もうとする動きは、大不況に直面した場合にしばしば現われる性質のものであることが知られている。また、コミュニティが法定通貨と異なる独自通貨を持つことの意義は、理論面からも裏付けることができる。

現在の日本では、こうした部分的な動きが散発的に現われている状況であるが、これが今後統合される方向に向かうのかが注目される。こうした動きが、社会的に大きなうねりにまで広がっていった場合には、現在の貨幣システムのあり方について、根本的な見直しを迫る可能性もある。その意味では、貨幣の囲い込みは、単にデフレに対応するために現われている現象というだけではなく、今後の展開次第では、経済社会的に大きなインパクトを与える可能性を秘めている。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF デフレ克服の手段としてのコミュニティマネーの可能性 [581 KB]