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  5. 温室効果ガス低減と持続的経済成長を目指した国内対策の在り方 研

温室効果ガス低減と持続的経済成長を目指した国内対策の在り方

研究員 濱崎 博

2001年4月

目次


I.研究目的
II.研究内容
III.環境税に関する基礎的内容
IV.海外での環境税導入状況
V.日本における環境関連税及び温暖化対策
VI.日本での環境税導入による影響の定量的評価
1.モデルの解説
2.シミュレーション設計
3.シミュレーション結果
4.考察
VII.結論及び温室効果ガス削減ための政策提言
VIII.今後の課題

要旨

1.1997年京都で開催されたCOP3以後、2008-2012年の第1フェーズに向けた温室効果ガスの削減と経済成長の両立を目指した対応の必要性が高まっている。ただし、我が国においては1970年代の2回にわたるオイルショック以降、産業部門及び政府の省エネルギー推進努力により世界でも類を見ないエネルギー効率の高い経済を作り上げる結果となった。そのため、数多くの研究が指摘するように我が国の温室効果ガス削減費用は非常に高く、温室効果ガス削減目標達成には、深刻な経済への影響を受けることとなる。このような背景より、今までのC&C(Command and control)による対策ではなく、よりコスト効率の高い経済的手法を用いた対策の必要性が叫ばれている。

2.本稿では、経済的手法として代表的な炭素税を取り上げ、炭素税導入による我が国の経済・社会的影響及び環境影響に関して考察を行う。特に今回は、炭素税の税収に注目し、その税収の還流方法による我が国の経済・社会及び環境への影響を評価する。また、追加的に附属国すべてが京都議定書を批准した場合の影響に関しても考察を加えた。炭素税導入による影響評価手法として、パーデュー大学及びニューサウスウェールズ大学によって開発されたGTAP-Eを用いた。

3.上記の分析より、炭素税の導入はエネルギー多消費産業に対して深刻な影響を与え、我が国から旧ソ連、中国などへのエネルギー多消費産品の生産拠点の移転を促す結果となった。そのため、我が国において温室効果ガス削減が達成されても、全世界で見た場合、ネットでは我が国において削減された二酸化炭素の半分しか削減されないこととなる。

4.炭素税による税収を社会保障費の企業負担分の軽減に用いた場合に関しては、還流しない場合と比較してもあまり大きな変化はなく、エネルギー多消費産品の生産拠点の海外流出により経済厚生は低下する。ただし、エネルギー多消費産業の海外流出を防ぐために過度にエネルギー多消費産業へ税収の還流を行った場合、エネルギー多消費産業の流出は食い止められるが、他の産業の負担が増加する結果となり、我が国全体の経済厚生としては、より悪化することとなる。

5.附属国すべてが京都議定書を批准することにより、二酸化炭素削減分のリーケージが減少する結果が得られた。よって、全附属国による京都議定書の批准により世界規模で見た温室効果ガスの効果的な減少が期待できる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 温室効果ガス低減と持続的経済成長を目指した国内対策の在り方 [373 KB]