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  5. 日本企業の強みをいかにして維持するか - IT革命への対応とものづくり技術の今後

日本企業の強みをいかにして維持するか
- IT革命への対応とものづくり技術の今後

主任研究員 米山 秀隆

2000年10月

目次


はじめに
I.IT革命への対応
1.IT革命と日本企業
2.インターネットによる調達 : B to B

3.インターネットを通じた販売 : B to C

4.ナレッジマネジメントの導入

II.ものづくり技術の今後
1.弱体化する日本のものづくり技術

2.熟練技術とデジタル技術の調和が必要

3.ナレッジマネジメントによる熟練技術の継承

4.新しいものづくり技術 : マイクロマシン

III.世界シェアNo.1企業にみる経営戦略
1.ケーススタディ

2.世界シェアNo.1企業の経営戦略から得られる示唆

要旨

1.日本型経営システムの特徴の一つとしては、企業内、企業間で、情報共有がうまく行われてきたという点を指摘できる。例えば、製造部門においては各メンバーが問題に対する情報を共有することによって、製品の品質を向上させてきた。また、開発部門と製造部門の密接な連携が、すぐれたものづくりの技術を生み出してきた。更に、親会社の生産に関する情報を、部品・資材を発注する系列企業、協力企業にも共有させることによって、生産効率を向上させてきた。

2.このような情報共有の構造は、従来のアメリカ企業には決定的に欠けていた点であり、日本企業の強みとなってきた。しかし、アメリカ企業は、90年代に入り、日本企業から学んだ情報共有の仕組みを、ITを活用することによって、より洗練されたものへと進化させた。今度は、日本企業がそれに学ぶ必要に迫られている。つまり、日本企業は、ITを活用することによって、これまでの強みを維持、発展させることが求められているといえる。

3.企業と企業の間(B to B)では、インターネットを使った資材・部品の調達、物流の効率化などが課題であり、企業と消費者の間(B to C)では、企業は、消費者のニーズに迅速に把握し、それに応えられるようなネットワーク作りが課題となっている。また、企業の内部では、有用な知識・ノウハウを共有するナレッジマネジメントの導入が必須である。ものづくり技術については、デジタル技術や機械によって代替できるものは代替を進め、代替できない技能やノウハウについては、ナレッジマネジメントを活用することによって、効率的に継承することが求められている。

4.このほか、日本企業が直面する課題としては、コアコンピタンスの確立、顧客満足の向上、外部経営資源(アウトソーシング)の活用などがあげられるが、これらの点は、日本企業の中でも、従来から国際的にみて高い競争力を有する企業(世界シェアNo.1企業)がとってきた経営戦略であった。ほかの多くの企業も、そうした企業の戦略に学ぶ必要性が高まっている。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 日本企業の強みをいかにして維持するか  - IT革命への対応とものづくり技術の今後 [240 KB]