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中国の企業改革とコーポレート・ガバナンス

研究員 金 堅敏

2000年4月

目次


はじめに
I.これまでの企業改革の限界
1.非効率的な企業投資選択と制度改革の非整合性
2.競争抑制的な行政手法による企業改革の限界
3.企業経営の効率性追求のためのマクロ競争環境整備
II.現行会社制度及び企業運営
1.現行株式会社制度
2.政府にコントロールされる企業の意識決定
3.行政手法による経営陣の選任と汚職・馴合い経営
III.市場原理に基づくコーポレート・ガバナンス確立への提言
1.外部監督機関候補
2.国有株・個人株の委託管理
3.経営陣内部機関相互チェック機能の強化
4.政策提言のまとめ
おわりに

要旨

1.長年にわたった中国企業の貧弱な資本効率は中国が今日の経済困難をもたらすこととなった重要なファクターであると言える。比較優位に基づかない開発戦略の実施や企業経営に対する政治・行政からの介入が企業の過度なリスク選択を促し過剰投資をもたらした。

2.このような中国企業の現状に対して当局は赤字企業に対する財務支援や行政命令による過剰設備等の生産能力の解消等の対策を取っている。しかし、競争抑制的な行政主導の産業再編政策は中国企業の赤字体質の抜本的な改善をもたらすことはできず、企業改革のモデルとして株式会社に改組され上場した企業さえ赤字体質を有しているのが現状である。

3.形式的に中国の株式会社制度は先進国の企業組織体制を取っている。しかし、実質的には政府が過半数を持つという株式発行規制や国有株と法人株を流通させないという株式流通規制によって政府は株式会社の意思決定をコントロールしている。つまり、中国企業の大多数の株式は市場性がなく、経営陣は責任不在の状態と言える。

4.中国企業の赤字体質を抜本的に改善させるためには市場原理に基づくコーポレート・ガバナンスを構築することが必要である。特に、ガバナンスメカニズムにより政治・行政からの介入を遮断させ、分散した個人株主の権利行使の集中が必要であると考える。商業契約に基づき国有株や個人株を受託ファンドに委託管理させることが、中国企業の経営体質改善の現実的な政策選択であると考える。

監査役会の独立性の確保、株主代表訴訟制度の整備、民営化促進のための会社制度整備は経営陣内部による汚職・馴合いに対するもう1つのチェック機能として期待できる。それによりコーポレート・ガバナンス制度は完結される。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 中国の企業改革とコーポレート・ガバナンス [200 KB]