Private Finance Initiative: 日本への導入に向けての視点
研究員 岸 道雄
1998年7月
目次
はじめに
I. イギリスにおけるPFI
1. PFIとは?
2. イギリスにおけるPFI導入の背景とこれまでの経緯
3. PFIの種類
4. 鍵となる要素
5. PFIのメリット
6. PFIの対象分野とこれまでの実績
7. PFI適用の検討
8. 契約に到るまでのプロセス
9. PFIのこれまでの問題点
II. 日本への導入に向けての視点
1. 日本の公共投資の特色
2. 日本版PFIで検討されている事業分野と公的支援策
3. 我が国への導入に必要とされる政策措置
終わりに
要旨
1.1998年5月時点において、自民党は「PFI推進基本法案」を作成し、今国会で議員立法の形で成立を目指すことが新聞等で報じられるなど、我が国にPFIを導入する動きがにわかに高まっている。
2.イギリスにおけるPFIは、(1)公共サービス提供に民間の専門性・創造性・技術力・管理運営能力を最大限に活用する、(2)民間が設計、建設、資金調達、運営を行う、(3)公共部門は、施設やインフラ資産ではなく、必要に応じてそこから提供されるサービスを購入する、(4)政府はプロジェクトの計画策定に特化する、というものである。
3.PFIにおいて鍵となるのは、(1)バリュー・フォー・マネーの考え方、(2)民間企業間の競争、(3)民間へのリスク移転、(4)パフォーマンスに基づく支払いメカニズム、である。
4.「日本版PFI」は手厚い公的支援策が取られそうであるが、これは基本的には、民間へのリスク移転と相容れない。「日本版PFI」の目的を再確認し、バリュー・フォー・マネーの考え方を重視すべきである。そして、対象事業をピックアップするということではなく、公共サービス事業全般に幅広く適用できるとの観点から「マーケット・テスティング」を行うとともに、バリュー・フォー・マネー追求のための仕組み作りが重要である。
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