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東アジアにおける進出日系企業の資金調達

主任研究員 村上 美智子

1997年10月

目次


はじめに
I. 近年の東アジアにおける進出日系企業の資金調達動向
1.近年の東アジア進出日系企業における投資資金の調達動向
2.東アジアで活発な再投資とその背景
3.東アジアにおける金融改革の進展と広がりがみられるようになった進出日系企業の資金調達手段

II. 依然として制約が大きい長期資金の調達
III. 通貨不安の発生と今後の財務戦略

要旨

1.東アジアでは、日系企業の事業活動の発展に伴い、90年代に入ると現地法人による内部留保などを原資とする再投資や現地での借入などに基づく投資が活発に行われるようになってきた。このように、投資資金の調達主体について現地化を指向する動きが強まっているものの、資金のアベイラビリティ一や調達コストによって変動も大きく、95年度には日本側本社引受額が著増した。

2.東アジアにおいてかなりの規模で再投資が行われるようになってきた背景には、同地域の現地法人が高収益を維持していることがある。一方、現地法人による外部からの調達については、金融改革の進展に伴い調達手段が広がりつつあるとはいえ、依然としてオフショア・ローンなどに限定されている。

3.こうした調達行動は、長期資金供給の経路となるべき資本市場が未発達であることと深く関係している。東アジアの資本市場については、株式市場が、近年、ようやく、長期安定的な資金の調達・運用市場として機能するようになってきた。しかしながら、債券市場、とりわけ社債市場は依然として未発達である。

4.東アジア諸国は、今回のタイ通貨危機およびそれに端を発した域内一帯の通貨不安の発生により、従来にも増して産業構造の高度化や金融システムの強化といった構造的な課題への取組みを迫られている。これまで同地域の工業化の担い手として大きな役割を果たしてきた日系企業では、事業活動のさらなる現地化を通じて域内の国際分業を一段と推進することが求められている。資金調達については、東アジアの長期資金市場の発展に今しばらく時間がかかるとみられることもあり、効率的な調達を実現する上で域内の財務統括機能を強化することが有効であろう。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 東アジアにおける進出日系企業の資金調達 [298 KB]