公共工事の入札・契約制度の改革
- アメリカの公共工事システムに学ぶ -
主任研究員 米山 秀隆
1997年10月
目次
はじめに
I. アメリカの公共工事システム
1.企画・立案
2.入札・契約
3.積算の枠組み
4.バリューエンジニアリング
II. 日本の入札・契約制度改革への示唆
1.予定価格制度の弊害
2.指名競争入札の是非
3.コスト構成の標準化
4.バリューエンジニアリングの導入
要旨
1.財政事情が悪化するなか、公共工事のコスト削減が重要な政策課題となっている。コスト削減のためには、入札・契約制度の抜本的な改革を行う必要がある。本稿においては、アメリカの公共工事システムを参考としながら、日本の入札・契約制度改革の方向性を探る。
2.日米で最も異なるのが、入札時に業者間の価格競争がなされているかどうかである。アメリカでは、入札・契約の過程が透明化されており、業者間の適正な価格競争が行われている。しかし、日本ではあらかじめ決められた予定価格に近い水準で入札できるよう業者間の談合が行われる場合が少なくない。
3.業者が談合を行うのは、予定価格算出の前提となる積算単価、諸経費率が市場動向とかけ離れており、業者にとってみれば、みすみす利益を削るような競争をするよりは、あらかじめ予定価格によって確保されている利益を、話し合いによって分配するメリットの方がはるかに大きいからである。
4.日本において適正な価格競争が行われるためには、予定価格制度と積算基準を撤廃する必要がある。同時に、公共工事の企画・立案、入札・契約の過程を透明化することが重要である。また、各業者の価格を比較しやすいように、公共工事の積算にあたってのコスト構成の標準化を進めることが望まれる。こうした前提の下で、バリューエンジニアリングが導入されればさらに効果的であろう。
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