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公共工事の高コスト構造に関する試論

主任研究員 米山 秀隆

1997年7月

目次


はじめに
I. 官民価格差へのアプローチ
II. 官民価格差の実態
1.構造別・用途別の官民価格差
2. 官官価格差

III. 官民価格差・官官価格差拡大の要因
1.官民価格差拡大の要因
2.官官価格差拡大の要因

IV. 公共工事の高コスト構造の是正策
1.諸経費縮減の必要性
2.積算方法の抜本的見直し

要旨

1.財政赤字が深刻化するなか、公共工事の高コスト構造に対する関心がかつてないほどに高まっている。公共工事の単価が高いといわれる場合に、比較の対象は二つある。一つは海外との比較(内外価格差)であり、もう一つは民間との比較(官民価格差)である。本稿は、官民価格差の問題に焦点をあて、その実態を解明しようとするものである。

2.公共建築物と民間建築物の工事費単価を比較すると、最近になって両者の格差が拡大している。民間建築物、公共建築物の単価とも80年代末から急上昇したが、公共建築物の単価はその後の下落幅が民間建築物に比べて小さく、下方硬直的となっている(官民価格差の拡大)。また、公共建築物の建築主別に単価の推移をみると、国に比べて都道府県、都道府県に比べて市町村の単価がより下方硬直的となっている(官官価格差の拡大)。

3.官民価格差拡大の要因としては、公共建築物の積算にあたって、諸経費(共通仮設費、現場経費、一般管理費)の割合が固定化されているという点を指摘できる。民間建築物の場合には、諸経費にあたる部分が顧客との調整要素となり、好況期には増加し不況期には減少する傾向があるのと対照的である。また、官官格差拡大の要因としては、地元優先の指名競争入札方式による構造的・閉鎖的な要因を指摘できる。

4.公共工事の高コスト構造を是正するためには、積算基準の撤廃を含め、公共工事の積算の枠組みを見直す必要がある。公共工事の諸経費にあたる部分を削減できれば、政府が先に発表した10%の縮減目標を超える公共工事コスト縮減を達成することも十分可能であると考えられる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 公共工事の高コスト構造に関する試論 [123 KB]