情報ネットワークと企業経営
主任研究員 浜屋 敏
1997年7月
目次
はじめに
I. 日本企業における情報化の歴史と展望
1. データ処理の時代
2. 個別システムの時代
3. 統合システムの時代
4. 複合的ネットワークの時代
II. 新しい企業経営
1. 5Sフレームワーク
2. 関係性を重視する戦略
3. 自律的で無駄のない組織構造
4. 事業設計能力と共感を呼ぶ能力
5. 迅速、自発的で同期的な行動様式
6. すべての要素を結ぶシステム
おわりに
要旨
1.日本企業における情報化は、データ処理の時代、個別システムの時代、統合システムの時代を経て、複合的ネットワークの時代を迎えている。複合的ネットワークの時代には、いままで構築されてきたネットワークの相互作用が働き、情報ネットワークが企業活動のインフラストラクチャーになる。それにともなって、企業間取引にまつわる手続きや交換データの形式といったビジネス・インタフェースが標準化され、経済主体間の連携(ネットワーキング)が進む。このことが新しい経済パラダイムを生み、企業経営にも大きな変化を迫っている。
2.情報ネットワークの進展が企業に与える影響を体系的に分析するためには、企業経営に関するさまざまな要素を一つの枠組みのもとで整理することが必要になる。そのため、われわれは、ユニークな経営を行っている35の企業の経営者へのインタビューにもとづいて、strategy(戦略)、structure(構造)、skills(能力)、style(様式)、systems(体系)という5つのSではじまる単語で企業経営の全ての要素を説明する「5Sフレームワーク」を構築し、それぞれの要素について今後必要となる条件を抽出した。
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