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情報化がマクロ経済に与える影響

研究員 松 平 Jordan

1997年7月

目次


I. はじめに
II. 情報技術の需要 : 投資および資本ストックの成長
1.IT投資の定義
2.日米のIPRE投資 : 1970?1993
3.IPREの資本ストックの成長

III.1974年から93年の経済成長率へのITの寄与度
1.方法
2.データ
3.ITの国内総生産(GDP)の成長率への寄与度
4.本推計に関する留意点

IV. 情報革命とマクロ経済のパフォーマンス
1.日米の経済成長率格差におよぼす情報化の影響
2.将来の展望

要旨

最近のマスコミでは、「情報化投資が停滞している日本経済を救う」あるいは「現在の日米成長率格差は情報化格差によるものだ」というように、情報技術(IT)関連の投資が経済成長に大きな影響を与えているという趣旨の議論が多い。しかし、日本における従来の議論はITをアウトプットとして理解しているため、財・サービスを提供するうえでIT資本がどれだけ貢献しているかを正確に分析することはできない。生産活動へのITの貢献度を明らかにするためには、ITをインプットとして捉えた分析が必要である。

時系列的にみれば、日米間におけるITの経済成長率への貢献度には、大きな差はない。70年代には、ITの経済成長率への寄与度は、日本では0.31%、米国では0.25%で、全成長率のうち、日本9.25%、米国7.31%であった。80年代には、成長率寄与度は日本0.46%、米国0.35%(全成長率のそれぞれ13.20%と15.42%)へと上昇した。

近年の多額のIT投資にもかかわらず、両国の民間企業資本ストックに対するIT資本ストックの比率はいまだ低いレベルにとどまっている。1993年時点で、米国では11.7%なのに対して、日本では8.6%でしかない。今後ITが経済成長にある程度貢献することは間違いないとしても、生産活動への投入全体に占めるIT資本の比率は依然小さいため、あまり大きな貢献は期待できない。

ITの寄与度は他の要素の寄与度より小さく、したがって経済成長率の日米格差を情報化の違いだけで説明することはできない。 92年と93年の日米の経済成長率格差は平均2.0%であるが、このうち情報化格差によって説明できるのは、成長率格差の3割程度、すなわち約0.7%であると思われる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 情報化がマクロ経済に与える影響 [263 KB]