第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー
第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー
第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー講演録
Webでの新車見積サービスの新展開(NetDealers)
株式会社ネットエイジ 代表取締役 西川 潔氏
NetDealersのビジネス
私どもは、そういういろんな業態の中で、非常にインフォミディアリに徹しておりまして、例えば、先ほど、前のページにあった業者さんの一部では、自分自身が業販ルートから仕入れたものを、いわゆる激安価格で販売するというようなスタイルをとっている会社さんもございます。ただ、私どもは、純粋に見込み客情報をネット上であぶり出して、希望するディーラーさんにおつなぎするというスタイルをとっております。これは、後ほどもちょっと触れさせていただきますが、日本の現在のオフライン、つまり地上の世界における実態にある程度寄り添っていかねばならないという私どもなりの考え。いきなり全ての秩序を破壊することは、劇薬すぎて、業界として飲んでいただけないだろうというような私どもの判断でこのような形にしております。

Yahoo 自動車というところと組んでいるというのがアクセスの面では一番の強みになっておるんですが、この Yahoo自動車というのは Yahooさんの中の独自コンテンツのひとつでございまして、日本で売っている全ての車、全ての新車を網羅的にデータベースにしてございます。このYahoo自動車の制作自体、私どもがやっておりまして、ネットエイジがコンテンツライセンサーとなって
Yahooさんにコンテンツを提供して差し上げていると。新車が出るたびにデータベースの更新を当然やっておるわけですね。
現在、日本で、国産、輸入を含めまして、車の名前のレベルで400ぐらいのブランドネーム。そして、その名前の更に下にグレードレベル、このグレードレベルがひとつのデータレコードの単位になっていまして、これを数えますと約4,000グレードもございまして、お客様は、その4,000の中の1車を買われるわけで、そういう意味では、なかなか網羅的に見るのは非常に難しいという選択肢の中で買っていらっしゃるわけですね。
私ども、去年の6月からデータを集めまして、これが本当に原始的なんですけれど、ディーラーさんに行って全部カタログをもらってきまして、1社当たり200レコードのデータがあるんですね。全長、全幅から始まりまして。そういうわけで、200× 4,000で80万レコードぐらいをみんなで、いろいろアルバイトを動員したりして作って、いまだにそれと格闘をしております。本当に毎週のように新車が出るので、これは大変な作業なんですね。

それで、Yahoo自動車の中で、だいたい自動車の情報、オンラインカタログ的な情報を全部見ていただいて、そこの次に、お見積りリンクというボタンが置かれております。このリンクボタンを押しますとNetDealersにすぐ飛んでまいります。リンクされております。そして、このNetDealersの中に、まず、郵便番号を入れる欄がありまして、その郵便番号をお客様が入れていただくことによって加盟ディーラーさんのテリトリーをアイデンティファイしまして、そちらにおつなぎするというスタイルです。基本的に、それほど凝った仕組みはない。逆に、非常にシンプルでございまして、お客様が網羅的データベースの中から好みの車をお探しになって、Yahooから飛んできて、NetDealersでフォーム入力をしていただいて、その内容が一瞬にしてディーラーさんの指定された電子メールアドレスに届きます。そして、ディーラーさんとユーザーさんの間で一定のルールで商談が開始されると、これだけでございます。


私ども、まず最初の取っ掛かりは、もうこれだけ。非常にシンプレストといいますか、で始めたんですが、将来構想としてはいろいろ持っておりました。持っておりましたと言ったのは、この秋に大きく変わることが決定しておりまして、そちらとの調整ということになるわけなんですが。その持っておった構想としましては、まず、ディーラーさんに関しては、いわゆる顧客データベースの管理ができる。ディーラーさんがブラウザーから、今まで見積り依頼が入ったものを全部一覧して、特定のユーザーさんにいろんなメンテナンス的なメールを送るとか、見込み客としてもう一回あぶり出そうとするとか、そのようなデータベース管理サービス的なものですね。
ユーザーさんに関しては、ユーザーさん一人ひとりのアカウントを作っていただいて、自動車ライフをエンジョイしていただくみたいなコンセプトで、一種の顧客ごとの、コンシェルジュサービスというと大げさなんですけれども、若干自分たちの人手も介して、ユーザーさんのいろいろな自動車ニーズに関してお応えしていくというようなことも構想ではありました。これだけだと非常にシンプルきわまりない仕組みなんですけれども、夢といいますか、今後どんどん顧客の購買代理人的な色彩を持っていこうかなというふうに考えておりました。
先ほど、冒頭にウィン・ウィン関係があるものをと申しましたので、ユーザーメリット、ディーラーメリットを個別にご紹介しますと、まず、ユーザーとしましては、4,000もある大きな選択肢の中から、いわゆるコンピューターの威力で検索、価格帯とかタイプとかで検索ができるという、日本で売っている全ての車に関してテーブルの上に載せることができるというのがございます。
2つ目は、やはり手間を省くと。営業マンとのいろいろな交渉が面倒だとか、いちいちディーラーさんに出向くのは面倒だという方がいっぱいいらっしゃいます。ここで、自宅から見積り依頼と書いていますが、実際には、結構職場からみたいな形も多いようなんです。そういうわけで、まず、手間を省くという、これは永遠のニーズだと思うんですね。特にインターネットユーザーの方、手間を省くというニーズは永遠にあると思います。
値引きに関してなんですけれども、これは、平均以上の条件ということを加盟ディーラーさんにお願いしているというレベルの契約になっております。強制力はないし、その後の結果についてパトロールする権限も持っておりません。これはあくまでもお願いでございまして、私どもとしましては、こちらのほうがはるかに効率が上がるはずなので、その分を還元してほしいというふうに言っております。
このサービスのひとつの特徴は、正規ディーラーさんのみ加盟できるように、もうこちらのルールにしちゃったということで、ユーザーさんにとっては安心感があるということですね。

ディーラーさんのほうのメリットとしましては、たくさん並べてみたんですけれど、ちょっと削ぎ落としまして、営業マンの方が、例えば自宅を直接訪問されたり、いろんな形で見込み客を発掘する努力をされているんですが、一番代表例でいいますと、新聞チラシを入れたり、新聞に広告を打ったり、その地域で展示会、商談会というのを企画していますが、電子メディアを使った、いわゆる24時間オープンの支店を開いたようなものだと。そういう形で、かなり自分の心が決まったお客さんを発見できるというのが最大にして最高のメリットだと思います。これについても、後ほどちょっとシミュレーションの数字等を作ってきましたので、ご覧にいれます。
あと、営業マンの方も、電子メールを使える方がだんだん増えていますので、お客様との交信を電子メールでされれば、お互いに手間がかからないということですね。
でも、一番ディーラー様にとって、メリットというと変なんですけれど、要するに、そういうお客さんがいるんだという事実ですね。つまり、実際に試乗するのは当然ディーラーさんに行かなくちゃいけないけれど、それ以外のところは、なるべく自宅や職場からメール上でやりたいというお客様がいるわけですから、そのお客様に対応する方法として当社のサービスに加盟していただければ、顧客ニーズに応えられるということですね。

このサービス、私ども、最初に売り込む際に、いわゆる頂上作戦と称して、各メーカーさんのご担当をお訪ねしてサービスをご紹介しました。トヨタさんにも行きましたし、日産、ホンダ、有名メーカーさん全部回りまして、あと、輸入元さんにも回りました。なぜかといいますと、やはり、ディーラーさんが直接のお客様なんですけれど、日本のメーカーさんのディーラー政策にある程度寄り添って、そちらから、少なくとも疎まれないといいますか、目くじら立てられないようなものに、まずサービスを設計して、それで何しろ市民権を得ようということを最優先したわけです。
その中で、大きく3つのポイントがございまして、まず、情報の仲介に徹したサービスと。実はこれが、シンプルに書いているんですけれど、非常に意味が深いものがございまして、簡単にいいますと、顧客データベースを第三者に持たれるのは非常に嫌だというメーカーさんとか、ディーラーさんも含めまして、いらっしゃいます。顧客データベースというのは宝物のようなものであることは気づいていらっしゃるわけで、それが、仮にも第三者のデータベースとして保存されていくと。もちろん所有権等も契約書には書いてあるんですけれども、それがどうしても気持ち悪いというようなお声が非常に多かったです。特に、大手メーカーさんですと、自社で多額のお金をかけて、そういうものを作っている最中であるということでございまして、そちらと二重管理するのも大変だし、そういうのは全部、自社プロプライアテリーなものを使いたいというのがございました。
あと、ちょっと下に書いた、ユーザーの交渉代行、いわゆる値引き交渉代行というようなサービスではないということですね。
2点目が、加盟ディーラーさんが正規ディーラーのみと。これも当然のことながら、メーカーさんから見て、ディーラー政策の根幹をなすものでございまして、もちろん今はいろいろ、メガディーラー、低金利ディーラーさん、いろんな企業体が出ているのは事実で、全て一定の市民権を得つつあるのは事実です。場合によっては、そちらのほうが安い場合もあります。ただし、私どものサービスは、そういうセグメントをあえて捨てまして、こちらのほうだけということで、簡単にいいますと、メーカーさんからのご支援をいただきやすいというようなことを考えてみました。
3点目は、いわゆる販売責任地域、テリトリーという言葉になっちゃうかもしれませんが、そちらを守るということでございますね。ネットの力を使えば、それを越えておつなぎするのも簡単にできるわけなんですが、これは、あえて郵便番号ということで、守るというところまで寄り添いまして、いたずらな混乱を防ぐというようなことをサービスのポリシーにしました。

それがある程度功を奏しまして、例えば、スバルさん等は、「全社的に、じゃあ、これをやろう」というふうにおっしゃっていただきまして、現在、準備でき次第、スバルディーラーさんはどんどん加盟していただく状況まで来ております。その他、マツダさん、三菱さんも、首都圏等で、「じゃあ、実験的にやってみよう」というようなお話をいただきましたし、このあいだはフォードさんから、これは全国一括というような契約も取れました。このような形で、既存のメーカーディーラーの長く作られてきた秩序をある程度尊重しつつ、しかし、営業効率のアップされたものを消費者に還元してほしいというのは、徐々にやっていこうと。消費者に徐々にパワーシフトというのを狙っております。
平成11年 6月 8日(火曜日)講演に基づく
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(C)西川 潔(株式会社ネットエイジ)
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