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第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー


第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー


第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー講演録

メディア事業から本格Webマーケティングサイトへ
株式会社リクルート ISIZE編集長 大庭 広巳氏


ISIZEへの転換

1月に ISIZEに転換したわけですけれども、この4年間の結果で得られたことでいいますと、ひとつは、情報誌とカニバリズム、カニバリを起こすのではないかという我々の懸念がありましたんですが、実際に4年展開してみますと、結果的に、逆に紙のメディアに対してのユーザーを増やす結果にもなりましたし、逆に、紙のメディアのユーザーが、ネットが便利だということでネットをご利用いただいて、更に、また紙に戻っていただけるという、非常に相乗効果的にユーザーを増やすという我々の想像とは逆の効果が出たこと。

それから、実際にWeb上で展開をしていきますと、きょうの最大のテーマにもなっておりますけれども、当然、情報誌は単純な網羅型で、自ら本を買っていただいて、そこで情報を検索して、自分でアクションを起こしていただくわけですけれども、ネットになりますと、やっぱりユーザーは、直接自分で選ぶだけではなくて、より深い、その情報に対するファーザーインフォメーションを欲しがったり、あるいは、もっと端的に買えるようにならないのかという、そのOne Stopの意向というのが非常にたくさん、ユーザーのほうから上げてきました。

更には、私ども、ジャマールという個人掲示板の実験もずっと続けてまいりましたけれども、やはり、先ほど久米さんのお話にもありましたように、ユーザー同士がコミュニケーションをする中からモノが生まれてくるということも、この4年間の実験で非常に強く実感をいたしました。

これは情報誌の補完ビジネスをどうするかというテーマではなくて、我々にとって必要なことは、新しく来るネットワークの時代において、リクルートならではのコアを生かした次のビジネスモデルを作るべきではないかということで、リプレース型の、補完型の戦略から、ネットならではのビジネスをどう構築するかということで、今までの実験というフェーズから、ビジネスというフェーズにスタートアップしたのがISIZEの最大のポイントでございます。

ISIZEへの転換の背景と狙い1



今までは、先ほど申し上げましたように、バラバラのブランドで、エイビーロード、じゃらん、ふぉれんととやってまいりました。それぞれのサービスは、非常に皆さんから好評をいただいて、「さすが、MixJuice、いいですね」というふうに言われてはいました。業界の方々とお話しすると、大変評価をいただいて、賞もたくさんいただきましたけれども、実際に、じゃあ、ユーザーはどうだったかという調査をしてみますと、非常にびっくりしたことでいいますと、例えば、MixJuiceのブランドもそうですが、エイビーロードだ、ふぉれんとだといったリアルの世界ではかなりの認知率、だいたい私どもで一番多いのは、じゃらんとか、とらばーゆの認知率ですと、70%から80%ぐらいの認知率を持っているんですが、自信を持ってWeb上で展開をしていたはずのそのブランドの認知率が、Webユーザーのアンケートをとりますと、20数%とか、リアルの世界での個別のブランドがネットの世界ではあまり役に立っていないという結果が出ていまして、愕然としましたわけであります。

更に言えば、MixJuiceという名前は、ビジネスのこういった仕事をしていただいている方々に大変評価していただいて、「MixJuice、MixJuice」と言っていただいたんですが、一般のユーザーは、非常に冷めた感じで、「MixJuiceって表紙ですよね」と。「あそこから行く人、いませんね」みたいな、極端に言うとそのぐらいの反応で、実際の認知度も20数%前後を動いていたと。

まずは、我々がやらなきゃいけないのは、ビジネス化していこうというところで、このネット上における世界をコミュニケーションしていく上で、リクルートが、これまでバラバラな領域でバラバラにコミュニケーションしていたものを、ひとつの統合的なメディアマネジメントをして、ブランドを統一する、あるいは、インターフェースを統一感を持たせるといった形で、コミュニケーションを一本化することでユーザーとのリレーションのパスを、まずは作っていくべきなんじゃないだろうかということで、非常にこれは議論があったところです。私どもが持っている資産としてのブランドの価値をもう一度見直す形で、ISIZEというのをあえてネット上で展開をいたしました。

もうひとつは、そこにありますように、行動プロセスのカバーの拡大と書いてありますが。先ほど言いましたように、情報誌は、単純に情報を取捨選択、比較検討をするところまでが、私どものユーザーにとってのサービスであります。ネットの世界では、そこから先の動きをユーザーのほうがむしろ欲しておりました。我々としては、リクルートがネット上で新しいビジネスをしていく上で必要な次のプロセスというのは、単純な情報の比較検討だけにとどまらないサービスのカバー、例えば、旅行を選ぶのであれば、「どこか旅行へ行きたいな」と言った時点から、最後、買って出かける、あるいは、出かけた後までの部分をカバーしていくことでOne Stop化というものを図っていけないかと。これも、今まで我々の紙が持っていたビジネススキームとはまったく違うものになります。こういったところで、ユーザーの声を素直に受け止めていった結果がOne Stop化のサイトモデルになっていくということでございます。

3つ目が、情報領域の拡大と書いてあります。Daily性の向上。ちょっと内容的には、これは違うレイヤーの話でありますけれども。せっかく我々が新しいメディア、新しいツールを、ユーザーとの関係性を築けるものを武器として持つのであれば、情報誌というスキームは立ち上げにコストと膨大なエネルギーと時間をかけます。それをローコストで立ち上げていける場づくりというものをトライアルすべきではないかということで、リクルートが今までやってきました領域以上に、まったく新しい未知の世界にもトライアルをしていこうと。願わくば、そこはDailyで、より頻度多くユーザーが訪れていただけるようなタイプの領域のビジネス拡大ができないかと。

リクルートの社内においては、いろんな用語が出回っておりまして、私どものやっているビジネスの過去の領域を、おみくじ型コンテンツとか申します。つまり、時々、年に1回か2回行って、神社でおみくじをパッと引きますけれど、そこではよかったとか言って、また帰っていくと。次に来るのは1年後と。結婚にしても、あるいは家を買うということにしても、新卒の就職に至っては生涯一度でありまして、1回しか来ないと。こういうおみくじ型コンテンツじゃない領域で私どものビジネスチャンスが生まれないだろうかということでISIZEの展開がスタートいたしました。

ISIZEへの転換の背景と狙い2



平成11年 6月 8日(火曜日)講演に基づく
禁無断複製/転載/引用
(C)大庭 広巳(株式会社リクルート)


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