富士通総研

第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー


第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー


第3回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー講演録

webマーケティング元年~発信から受信→共創へ~
ティーギャラククシー・ドット・コム株式会社 株式会社FP総研 代表取締役 久米 信行氏


どうも、こんにちは。ティーギャラクシー・ドット・コムの久米でございます。よろしくお願いいたします。
私の本業は、Tシャツのメーカーの3代目なんでございますけれども、年間ウン百万枚のTシャツを、著名アパレルですとか、広告、SP業界などに作るメーカーでございます。皆様ご存じのところは、例えば、毎年夏に行われる日本テレビさんの24時間テレビのTシャツなど、20年来私どもがお作りしているわけでございます。

きょうは、その私が、4、5年前にこのインターネットの世界を知りまして、試行錯誤してきて感じていることを実体験からお話しさせていただきます。とかく中小企業の社長は騙されやすいものですから、インターネットの世界はいろいろ間違った情報が多いので、自分で体験してみないと分からないところが大変多いわけでございますが、その失敗談中心にお話しさせていただければと思います。

表紙



電子メール系プロジェクトの紹介



自己紹介代わりに、私がやっている電子メール系のプロジェクトを幾つかご紹介しますと、まず、ハンドル代わりに、1日1通、メール縁者の方々と異業種交流メールというのをやっております。これは縁尋奇妙という、ヤスオカマサヒロさんの言葉を取ったメールなんですけれども、この言葉通りに、どんどんネットを通じてメール縁者の方が広がっていくんですね。きょう、ここにも何人かいらっしゃいますけれども、まさにネットで何か新しいことをやろうとする人たちと情報交換ができるわけでございます。

これが、本日のタイトルとも少し似ているんですけれど、もともとは、私が社員向けの社長メールとして始めたものなんです。それが、1年ぐらい発信しているうちに、気がつくとそういう勉強会でご一緒した方から投稿が来るようになりました。お願いしているわけではないんですけれども。そして、自由投稿の形でどんどん来て、今は、1週間先までだいたいいろんなおもしろい情報が詰まっていると。何もしないでも、それをご紹介できる状態にあるということでございます。

自己紹介



これを見ても、先ほど稲垣さんが逆発信というお話をされましたけれども、いかに自分の持っているおもしろい情報を人に発表する機会がないかということに愕然とするわけですが、それは、日経ベンチャーの経営よもやま話というところに、今、ログで載っておりますので、もしご関心ある方は見ていただいて、このあと専門の山崎さんがいろいろお話になるかもしれませんけれども、メールはコンテンツではなくて、そういう、2年、3年とかけて仲良くなっていくコンテクストが大切だというようなところを体感していただけるのではないかと思います。

そして、私どもの本業を拡販していくに当たってアクセル代わりになるのが、きょう、中心にお話しさせていただきます、読者参加型の週刊誌とSHOPが一緒になったようなもの。T-GALAXY.COM、「週刊T−人」というものでございます。おかげさまで、97年度日経インターネット・アワードというものをいただきまして、売り上げ的には、去年、この会社は4,200万ぐらいのかわいいかわいい会社なんですけれども、実はB to Bのほうで、かなりそれとは違う桁の効果が出ておりまして、やっていてよかったなというふうに感じるわけでございます。

そしてもうひとつ、ニュービジネス。私、もともと日興証券でファイナンシャル・プランニングをやっていたものでございますから、ネットを使ってうまいFPの会社が作れるのではないかということで、ニフティで、まず株式貯蓄ステーションというのを始めました。コンセプトは、金融機関に騙されないようにみんなで情報交換して賢くなろうということなんですけれども、始めてみてびっくりしました。とにかく、世の中でこんなに金融機関が個人投資家から評判が悪いのかということを改めて痛感したわけでございます。それを、お客様のこういうネットワークで、まさに顧客間インタラクションで補っていこうという動きが既に何年か前から始まりました。

ただ残念なことに、日本の場合、マネーの基礎教育がないままにそういう雑談をしますと、どんどんインタラクションが変な方向に行きまして、株を売り買い、売り買いして、損をする方向に話が行きがちなので、これではいけないということで、マグマグを使ってそのやり方、セオリーみたいなものをメールで去年から配信しまして、こちらのほうも、おかげさまで10万人ぐらい、今、読者がいるんでございます。内容は、金融機関とかマネー雑誌ではなかなか言えない本音の、こうやったら騙されないよという情報でございます。

生活者とネット



こういうような3つのプロジェクトを通じて私が感じることは、やっぱり生活者というのはおっかないなと。そして、その生活者が、今度、ネットを手に入れたらもっとおっかなくなるなということでございます。
例えば、女性の生活者のネットワークでライフという有名なのがあるのをご存じだと思いますけれども、このネットワーカーの方々などとお話ししますと、とにかく情報源をたくさんお持ちで、幅広い情報をお持ちになっています。これは、単純にネットだけではなくて、チラシとか女性誌とか何でもいいんですけれども、そういうものを比較して購入するわけですね。その範囲は、国内、ネットだけではなくて、海外のアウトレットまで含めて。例えば、プラダのアウトレットは、今、日本人でたいへんだそうでございますけれども、そういうようなところにまで足を伸ばすほど活動範囲が広がっております。

何しろ、欲しいものが、もうほとんど手元にあるというようなデータが朝日新聞に出ておりましたけれども、その中でも欲しいものとなりますと、わがままで自分の好みにピッタリ合ったもの。例えば、うちの家内でいえば、同じリチャード・ジノリでも、ある柄のものじゃないとまったく価値を持たないという時代でございますので、引き出物も難しいわけでございますが、そんなものとか、逆に、ティッシュペーパー、このような日用品については1円でも安く買いたいというニーズも持っているわけです。

あとは、自分の趣味でいろんなところに出かけたいわけなんですけれども、そういうときに手抜きをする。手抜きという言葉はいいかどうか分かりませんが、ベビーシッターとか、あるいはミールソリューションですけれども、お惣菜みたいなものについてはある程度お金を出してもいいよというようなところもあるわけです。

そして、男性と女性でやはり決定的に違うなと思うのは、買い物のプロセス自体を相当楽しんでいるなというところでございますね。安く探す。そして、場合によっては創るというプロセスも楽しまれています。
最後に、難しいのはそのひとつの趣味が長続きしないと。やはり好みがころころ変わってくるというところでございまして、大変マーケッターとしては厳しいわけなんです。

更に、この数年間インターネットをやってきて感じているのは、ネット広告というのがだんだん効かなくなってきているんですね。トップページにアクセスを呼ぶぐらいだったらいいかもしれませんけれども、だんだんみんな、バナークリックしなくなっていると。あるいは、メールが来ても商売気のあるメールはみんなそのまま消してしまうとかですね。企業のアンケートも、昔はよく答えてくれたのがだんだん面倒くさくて答えないとか、こんな感じになってきてしまっているわけです。

あと、たくらみが大嫌いでございましてね。これは、先ほど出た国領先生の研究でもあるんですけれども、ニフティのフォーラムのようなところで、皆さんがあるソフトウェアをサポートするようなのを自主的にボランティアでやっていたとします。そんなときに、メーカーの人間がパッと入り込んで、「さあ、私、メーカーの人間ですけれども、一緒に何かやりましょう」と言ったら、サーッと誰もいなくなっちゃうわけですね。ですから、情報をただ持っているだけではなくて、余程こちらが心を開いて、同じ目線で話をしないと難しいなと感じているところでございます。

私が怖れるネット生活者のイメージ



平成11年 6月 8日(火曜日)講演に基づく
禁無断複製/転載/引用
(C)久米 信行(ティーギャラククシー・ドット・コム株式会社 株式会社FP総研)


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