このページの本文へ移動

富士通総研

Japan

第2回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー


第2回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー


第2回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー講演録

ホンダの場合
− 1998年9月から11月までのバナー広告効果の検証 −
本田技研工業株式会社 広報部NCプロジェクト 渡辺 春樹 氏

平成10年12月7日(月曜日)講演
講演録
ホンダのHPの現状
アクセス状況とユーザーの傾向
インターネット販売の可能性
バナー広告の効果の検証


[要旨]

1.ホンダのHPの現状
メニュー
・プロダクト・・・商品情報の提供( メーカーとして扱っているすべての商品を紹介する。)
・アクティビティー・・・F1などの企業活動の紹介
・ファクツ・・・企業紹介、リクルート情報など
・トピックス・・・各項目のニュース
・ナビゲーション・・・FAQ、アンケート

特徴
・インタラクティブ性をうまく使い、さまざまな形でのマーケティング活動にうまく役立つ実用的なサイトを目指している。
・リピーターを増やすために、他メディアにはないメリットを生かし顧客にとって役に立つ情報を載せる。
・車という商品の特徴から未来の顧客、現在の顧客、過去の顧客それぞれをサポートするサイトを作る


2.アクセス状況とユーザーの傾向
アクセス状況
・アクセス数は順調に伸びている。特に新車発表時、他メディアとリンクした日は多い。
・ピークは平日の昼(会社、学校からアクセスしている)、週末のほうが少ない。

ユーザーの傾向 − 顧客満足度調査より
・属性
職種:
中心は技術系会社員(41%)、ついで研究職、事務系会社員が多い。
年代:
20代(43%)、30代(43%)が主。 (購買層と一致)
性別:
98%が男性。
アクセスする場所:
自宅からが38%、会社からが31%。
(HPを見るのは会社、時間のかかるアンケートの記入は家で)
ホンダ車ユーザーの割合:
4輪車については6割、2輪車については少ない
どこで知ったか:
サーチエンジン 3割、推測2割、他ページからのリンク 2割。
(バナー広告は1度しか打っていないのでデータには反映されていない)


3.インターネット販売の可能性

第1レベルの指標…カタログの請求
(カタログ請求者の何割かは実際に車を購入することが分かっている)
カタログ請求ルートの推移

4輪:現在、8,9割がインターネット経由でカタログ請求。ハガキ、電話から切り替わる。
2輪:従来の請求経由は変わらず、インターネットからの分が上乗せされた。
カタログ請求者の行動

顧客の73%はインターネット上で請求できることを知っていた。うち半数が実際に請求。
カタログ請求者のうち7割が車の購入を検討中、9%が購入済。 一人当たりの請求回数は1,2回が95%。
買いたいものだけを請求し、冷やかしは少ない。(カタログ請求画面をサイトの奥深くに設置)
アクセスに影響した要因

バナー広告投入以前にアクセスに影響したもの
・4輪カタログ、4輪専門誌、2輪専門誌にURLを掲載
特に2輪に効果大。(メジャーではない商品でもきちんと告知すれば効果がある)

・テレビ番組での告知
・新聞での告知
・他サイトからの流入(リクルート)
・新車発表


4.バナー広告の効果の検証

バナー広告の効果の検証 1998年9月~
一般的なアクセス傾向として、新車発表時から1週間はアクセス数が増える新車発売効果が見られる。(発表後の最初の平日がピークでその後急激に減少)。そこで、各車種の新車発表時にバナー広告を打ち、どのくらいアクセス数が維持されるのか検証してみた。
・HR−V
新車発表から11日後(新車発表効果が1週間は続くため)にYahooのパイロットシートに5日間広告投入。
アクセス数・・・2000人から16,000人に。約8倍に増えるが、広告を止めた後は激減。
カタログ請求数・・・アクセス数に引っ張られて増える。
(ピーク時で350冊)

・シビック
発表時と半月後それぞれ3週間バリュークリックへ広告投入。
アクセス数・・・1日600件ほど増える。
カタログ請求数・・・アクセス数とは比例せず。

・プレリュード
インターネット上のみで広告展開。VC、Pointcast、マイクロソフトネットワーク、テレパークなど主だったところに2ヶ月間広告投入
アクセス数・・・当初のアクセス数は1000人ほどだが、2倍以上をキープし集客効果はあった。
カタログ請求数・・・請求数は伸びず効果は見られなかった。
(2ヶ月間)アクセスは増えるが請求は増えず。売り上げにはつながらず。

・Z − ディーザー広告のあるモデル −
新車発売前3週間、雑誌系のサイトでディーザー広告実施。発表から10日後にYahooのパイロットシートに5日間広告投入。その後、1ヶ月間CCIネット、バリュークリックに広告投入。
アクセス数・・・ディーザー広告実施時は延べ3万人がクリック。発表後のバナー広告を打っていない時期に数千人のアクセスがあり一定の効果はうかがえる。Yahooへの投入時のアクセス数は14,000人、平常時の10倍に増える。
カタログ請求数・・・あまり効果はない。Yahooを利用した場合、アクセス数の伸びに対しカタログ請求数の伸びは2倍(200から400)にとどまる。

・ライフ − 広告を投入しないモデル −
Zと同じ時期に新車発表された兄弟車ライフにはインターネット広告を投入せず。Zと比較して半数ほどのアクセス数は確保された。

・S2000 − バナー広告の必要のないモデル −
スポーツカーの場合は広告がなくともアクセス数が多い。特にS2000はホンダのホームページの中でもトップのページビユーを誇っている。
アクセス数・・・プレスリリース発表時と一般公開日がピークになっているが、その後も比較的長い間、高いアクセス数を維持。利用者はより新しい情報を求めて集まっており、時間は重要なファクターと思われる。
カタログ請求者数・・・アクセス数にリンクして請求数も多い。
S2000のメールサ−ビスには1週間で1万にほど登録者している。


インターネット広告の費用対効果
インターネット広告には認知を上げる効果はあるといえる。しかし、実際に商売に結びつくかどうかを考えると費用対効果の更なる検証が必要。例えば、Yhooの場合、1人のカタログ請求者に対してかかったコストは約5万円、それに対し、シビックをバリュークリックだけで広告した場合は約1000円で済む。
広告のコストが高いか安いかは一概にいえないが、効果を上げるためには、商品、顧客、インターネットユーザー、それぞれの特性をよく考慮して広告を組み立てる必要がある。
平成10年12月7日(月曜日)講演に基づく
禁無断複製/転載/引用
(C)渡辺 春樹 (本田技研工業株式会社)


次回のセミナーのスケジュールやサイバービジネスの最新動向は、「サイバービジネスの法則集お知らせメール(登録無料)」でお届けしています。講演や受託調査も行っていますのでお問い合わせください。