第2回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー
第2回 デジタル&ネットワークマーケティングセミナー講演録
パネルディスカッション
司会
日置 株式会社ドゥ・ハウス
パネラー
原野 守宏氏 株式会社電通 マルチチャネル・ビジネスセンター サイバーアドバタイジング部
藤田 経公氏 株式会社 アートネイチャー広告営業企画部
渡辺 春樹氏 本田技研工業株式会社 広報部NCプロジェクト
平成10年12月7日(月曜日)講演
インターネットプロモーションの定義
各企業のWebサイトのポイント
他業界から見た印象
アートネイチャーのホームページ上でのコミュニケーション
インターネット自動車販売の可能性
Q&A/まとめ
[要旨(文中敬称略)]
1.インターネットプロモーションの定義
(日置) インターネットでは集客からセールスまで一貫してできてしまうが、インターネットプロモーションとはどう定義づければいいか?
(原野) ひとつは商売に結びつくかどうか。商売に結びついていけば、一つ一つのプロセスがインターネットプロモーションになっていく。それから、キーワードとして「リプレースメント」ということが挙げれる。今まであった販促手段にインターネットが加わったと考えるより、多くの消費者と同時に双方向的に安くコミュニケーションできるというインターネットの特性を、企業のビジネスプロセスのどの部分に生かすか、つまり、どの部分をインターネットにリプレースメントしていくかを考えた方がいいのでは。
(日置) インターネット人口は98年の段階で、1000万人、ホームページで1800万人、サーバー数6万台。この数字からいってインターネットは市場として確立したといえるか?
(原野) 広告費だけで90億円という予測だが、例えば、企業のサイトの構築費、制作費などをいれていくと何百億の市場になっているかもしれない。マーケティングの市場としてはインターネットユーザーは約1000万人で、そのうち7割か8割がWebを使用しているのではないか。まだ、人口の10%にも満たないが急激に拡大している。
2.各企業のWebサイトのポイント
(日置) 事例にあがった各企業のインターネットプロモーションのポイントは?
(原野)
コカ・コーラ
トータル的に取り組まれている規模の大きいサイト。ポイントは5つ。
集客ツールのゲームプロモーションやフォローマーケティングのポイント制、メールマガジンの発行など、各要素が揃ったバランスのとれたWebサイトだと思う。
アートネイチャー
商売に使うというコンセプトへの転換でプロモーション型のWebサイトへ変わった。
プル型の商売ということでインターネットで顧客の情報を集めフォローしていくという形。
入り口がインターネットでもフォローは他メディアでもいいのでは。(最適だと思うかたちでコミュニケーションすればいい)FOR YOUの気持ちが大切だと思う。
ホンダ
現在、過去、未来の顧客に実用情報を提供するという、ソリッドな目的のサイト。
プロモーションというよりは実質的な消費者サービスのためにあるのでは。
プロモーションについてはバナー広告の検証がまだ終わっていない。通常のカタログ請求件数の転換率、10%ぐらいが、バナーで集めた訪問者については薄まっているかも。バナー広告の費用対効果がまだはっきりしていない。
それから、Web上で集めた消費者情報はあまり流用しないことにしているようだ。(カタログの送付のみ)
3.他業界から見た印象
(日置) 他業界から見た印象は?
(渡辺) いかにもコカ・コーラ的。ブランドビルディングという明確な目的がある。
商売、ビジネスという点ではよく意図が見えない。マーケティングサイトとして対象者の年齢を絞り込まないほうがいいのでは?
(原野) コカ・コーラ、ジョージアといった商品別のブランド・コミュニケーションのために、どのようにWebサイトを使い分けていくかについて聞いてみたかった。サイト上でブランドごとの入り口をどうみせていくかなどプロモーション上の工夫があると思うが、そういった中で、ターゲット戦略が位置づけられてくるのではないかと感じた。
(日置) アートネイチャーからみたホンダは?
(藤田) ホームページの管理者として、データをきちんと把握しておく必要性を感じた。ああいう情報はプロバイダーから来るものか?
(渡辺) ログ解析は自前で。データ管理は分散型で、集めて分析をかけている。
4.アートネイチャーのホームページ上でのコミュニケーション
(日置) アートネイチャーさんの商品は悩み主体で見込み客としっかりコミュニケーションをとっていくことが重要という点で、インターネット向きな商品だと印象を受けた。メンタル部分でのコミュニケーションについては、電子メールでうまく実現できると考えているか?何かノウハウはあるのか?
(藤田) 全国に14人くらい担当者がいるが、担当者の資質とキャリアによるので、今後の課題といえる。
(日置) 1対多数のコミュニケーション、データーベース化など、インターネットを利用することによる効率については問わないのか?
(藤田) 効率についてはいまのところ考えていない。双方向性のあるインターネットはうまく使えばいいメディアだが、誠意を持っていない会社が使うとかえってマイナスイメージを生む。お客さんへの基本的な対応ができないなら使わないほうがいい。利用しているのは効率よりも敷居を下げるため。電話をするのは勇気が要るので。
5.インターネット自動車販売の可能性
(日置) アメリカでは自動車のインターネット販売が増えてきていることについて、どう考えているか?
(渡辺) あと数年のうちにインターネットで車が売られるのは事実だと思う。インターネット上のカタログ請求者のうち10%ほどは実際に車を購入するので、もう売っているとも言える。ただし、アメリカで話題になっているオートバイテルという仕組みが日本にはでてこないのは、日本とアメリカでは販売方法が全く違うため。日本は注文に対して出すがアメリカは販売店に買い取らせる。
ホンダはビルト・トゥ・オーダー方式で、注文が入ってから生産するため1ヶ月ほどかかる。
オートバイテルは在庫のある中古車販売向きでホンダには必要ない。
日本のインターネット販売で成功しているのは人気のある車を扱っているところ。リアルワールドで売れない車はインターネットでも売れない。それから、インターネットを使うと情報量が見えるというが、日本の自動車販売の場合、リアルタイムで最終情報を把握するのは困難。インターネット販売は簡単にはいかないだろう。
6.Q&A
(石井(株)ブレーン)アートネーチャーさんの場合、インターネットでの申し込みは雑誌のハガキ、電話受付と比べてどのくらいか?また、資料請求者が顧客になる率は雑誌などの場合と差があるのか?
(藤田) インターネットは費用対効果の面では費用効率がいいのでは。雑誌のハガキはあまり効果がなく、1人の見込み客を引っ張るコストは高い。ホームページでは問い合わせが月々200人ほどなので、1人の見込み客を引っ張るのコストが1万円をきる。コスト的には50倍ほどの差があると思う。顧客になる率については、ホームページからのカタログ請求者に会える率は10%をきる。コーナーからメールで問い合わせてくる人に会える率は50%、会った人はだいたい40%ぐらいが契約してくれる。
女性向けのバーチャルモールの運営を担当しているものですが、女性の利用率のアップのためどんな工夫をしているか?
(藤田) まだ女性に対する商品開発がすすんでおらずあまり対応できないので、手をつけていない。
(渡辺) 特に分けて考えてはいない。ただ、女性向けのコンテンツは入れており、エンターティメント系のパーツなどは女性に対する切り口として使えそう。
(ナガクラ NTTデータ)集客ツールの4段階評価は何をゴールとして評価しているのか。
(原野) リーチについてはどのくらい広い範囲で届くかということをいっている。例えば、バナー広告はオープンだが、電子メール広告、プッシュ広告は基本的に会員向けサービスなので会員にしか到達しない。あとはターゲティングができるか、表現に幅があるか、評価の違いはそういうことによる。
サイトの誘因については、クリック/コストの、ワンクリック当たりどのくらいのコスト効率があるかの非常に一般的な傾向。まだ、広告料金が定まっておらず、レンジが非常に広いためそれしかいえない。
7.まとめ
(原野) インターネットの登場によってマーケティングツールの選択肢が広がったことは、広告主にとっていいことだと思う。リプレースメントということを考えると、ある程度情報を共有して考えていく作業が必要になってくる。今までような制度の中では壁に当たる。宣伝部の範疇をこえてしまう場合もあるので仕事のプロセスを見直す必要があるが、トータルにいえば、非常に新しい有望な選択肢が出てきたと思う。
インターネットのユーザー数も1,000万人を超えてそれなりのマーケットになっているのでもうすぐに結果が出せる市場規模になっている。新しく始めるにはいいタイミングだろう。
平成10年12月7日(月曜日)講演に基づく
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