インターネットショッピング調査
インターネットショッピング調査
12. 成功するショップ構築のために(提言)
強みを持ち、コンセプトを明確にする
ショップ調査によると、月間売上10万円未満と小規模ながらも採算がとれているところが存在する(15.2%)のに対し、売上50万円以上で赤字のところもあり、ショップの採算性は売上が大きければよいとは限らない。そこで、月間売上10万円未満と、50万円以上のショップについて、ショップの個性と収支の関係に注目してみた。
すると、売上10万円以下の"小規模黒字店"は、店の個性を「オリジナル商品を取り扱っている」とするところが多い(85.7%)のに対し、"大規模黒字店"では「商品の種類が豊富(黒字76.0%)」、「品揃えがユニーク(黒字72.0%)」、「価格が安い(60.0%)」といった特徴をもつところが多かった。
このことからは、今後成功するショップとは、他にはない商品という簡単に真似のできない強みを持ってニッチ市場で生き残る専門ショップか、規模を拡大し、スケール・メリットを発揮しながら、ユーザーによりよい価値を提供することで、同様の商品を扱う競合ショップに打ち勝っていく大規模ショップのどちらかになるのではないかという仮説が引き出せる。
いずれにしても今後ショップの数が増えると、確たる事業計画も持たず、安易に参入しただけの特徴のないショップは売上をあげるどころか、ユーザーに見向きもされない状況に陥ることは避けがたい。ニッチでの成功を狙うにしても、それぞれの商品分野のリーダーを狙うにしても、ショップとして核となる強み(上記の例で言うと、小規模でもオリジナル性の高い商品を扱う専門性、大手では品揃え、価格)があることは前提である。そのうえで戦略を定め、明確なコンセプトを打ち出し、ユーザーに向けてアピールしていくことが必要となろう。

基本的な機能・サービスを徹底する
ショップがもつべき機能やサービスを、先行する米国での状況を参考に、レベルに応じて整理したのが以下の図である。
今回の調査では、日本のショップの実態として、特に配送・顧客サポートといった必須の機能・サービスにおいて、ユーザーの満足いくレベルに達していない様子がうかがえた。特に、配達遅延の連絡や注文内容の確認、配達案内がないことに対する不満は多く、ショップ側に改善の余地は大きい。
まずは基本機能とサービスの改善、特に顧客サポートの徹底を図ることでユーザーの満足度を向上させることに早急に取り組んでもらいたい。

段階に応じてアトラクション(顧客獲得)とリテンション(顧客維持)の戦略をもつ
ユーザーをショップに招き、実際に商品を購入してもらうのは簡単なことではない。この状況はショップが増えるにつれ今後ますます進んでいく。
ユーザーの興味を引きショップに来てもらう、つまり新規顧客獲得のための活動として、サーチエンジンへの登録や相互リンクといった無償の手段は常識であり、いま以上に売上規模を拡大するためには、費用対効果を確認しながら、電子メール広告(メールマガジン)などの有償プロモーションも試すべきである。
さらに、一度購入してもらった顧客のリテンション(顧客維持=リピート化)対策も、収益向上のためには重要な意味を持つ。実際に、ショップ調査でリピート化と収支の関係を見てみると、リピート比率が高いショップほど黒字が多い傾向が見られ、リピート化が収益向上に関与していると見られる(図12-3)。リピート化の条件としてユーザーが現状で挙げているのは、基本的な機能・サービスと顧客サポートがしっかりしていることであるが、今後ショップ間の競争が本格化したあかつきには、リコメンデーション・サービスやコミュニティ機能、リマインダー、会員制サービスなど繰り返しショップを訪れてもらうための高度な付加価値サービスが求められるようになるだろう。

本業に専念するため、外部サービスを有効活用する
ショップの運営を支援する外部サービスの利用意向をショップに尋ねたところ、決済代行サービス(37.0%)、プロモーションサービス(26.0%)など特定業務での利用については検討を進めているショップも一部ある。
こうした外部リソースの活用は、本業である販売活動に専念し、競争力を高めるためのひとつの手段である。ユーザー・ニーズが高いサービスや機能について、導入したくても自社内での開発が困難だったり、時間がかかるなどの問題がある場合、外部サービスを積極的に活用するメリットは大きい。システム構築やプロモーションなど可能な業務については積極的に外部を活用していくことも検討していくべきと考える。

