富士通総研

インターネットショッピング調査


インターネットショッピング調査


2.結果要旨と総括

インターネットショッパー:経験者6割以上。男女で購入商品異なる

インターネット・ユーザーのうちショッピングの経験者は、64.6%に達している。最近半年間では、2~4回の利用(40.6%)、合計金額2万円未満(51.8%)のケースが最も多かった。購入品目には男女差があり、男性はソフトウェア、図書・雑誌、パソコン・周辺機器が多いのに対し、女性は食品・飲料・酒類、衣類・靴・アクセサリー、図書・雑誌が多い。今後の利用を「増やしたい」と答えた人は38.6%、「今までと同じ」が60.3%であった。

インターネットショップ:個人経営4割。専門ショップと大規模ショップが黒字

調査対象ショップの個人/法人比率は4対6。インターネット専業は16.4%で、ほとんどが兼業である。最近の運営状況は、トップページの平均アクセス数8,600回/月、平均注文件数55回/月、平均売上高71万円/月であった。ただしアクセス、注文件数ともに人気ショップとそうではないショップの差は大きい。

98年度の単年度収支は黒字(39.0%)、収支均等(21.2%)、赤字(32.2%)と大半が採算を確保しつつあるが、月間売上10万円未満の小規模ショップでは黒字は15.2%に留まる。黒字の小規模ショップはオリジナル商品を扱うケースが殆ど(85.7%)で、ニッチ狙いの専門ショップとして差別化している。一方、黒字の大規模ショップは「商品の種類が豊富(76.0%)」、「価格が安い(60.0%)」ことを特徴とし、品揃えと価格を強みとしている。

商品特性で異なるユーザーのショッピング行動

インターネット上でのユーザーのショッピング行動は商品特性によって異なる。ネットで実際に購入されるものと情報収集されるものがあり、ホテル・旅行予約、家電・AV機器、自動車など一般に購入前の比較検討が必要な商品や高額商品については、ネットでは情報収集が主流となっている。また、ユーザーの購入時の動機や状況によって、商品をグループ化すると下の図中の7タイプに分類できる。

ショッピング行動



ユーザーがショップに求める条件:価格・商品力、基本サービス

ショッピング経験者のうち、特定ショップを気に入って複数回利用した人は45.9%存在する。気に入った理由として、商品面では「品揃え(27.0%)」と「価格の安さ(24.9%)」、店の作りや対応を含むサービス面では、「注文内容確認や配送内容がきちんとしている(35.1%)」、「有名店なので安心(33.2%)」、「ショップの身元や所在地がはっきりしている(29.1%)」などが挙がった。ユーザーがショップに求める条件は、まず商品や価格という店の核になる強みであり、これに加えて、基本的なサービスや機能が整備されていること、信頼性、安心感などが求められている。

ユーザー・ニーズとショップのギャップ:在庫・配達関連の顧客サポート、決済方法

ショップの機能・サービスのうちユーザーに求める声が多かったのは、「在庫の有無や出荷までの日数がわかる(77.0%)」機能、または「配達方法や配達日時が選べる(61.5%)」、「出荷済など注文した商品の状況がわかる(60.8%)」など、主に配達や顧客サポートに関するものである。一方、ほとんどの調査対象ショップは、配達状況表示/通知に対応済としている。この結果は直接対比できないが、配達・顧客サポートの強化を求めるユーザーの多さからは、具体的な方法や質の面でショップとユーザーの感覚に多少のズレがあることが推測される。決済方法についても、ユーザーが望むクレジットカードへの対応は、ショップではまだ遅れている。基本的な機能・サービスがユーザー・ニーズに合致していなかったり、満足レベルに達していない状況が伺える。

ユーザーとショップのギャップ



集客・プロモーション:ショップの半数以上が電子メール広告を計画

ユーザーは、実際に商品を購入したショップを、主にサーチエンジン(26.4%)やメールマガジン(20.6%)、テレビや雑誌などのオフライン媒体(14.9%)などで見つけている。反面、バナー広告でショップを見つけたユーザーはわずか1.8%とかなり低い。

ショップ側が効果的だったとするプロモーション媒体も、サーチエンジン(31.5%)、メールマガジンや有名サイトでの紹介(23.3%)、テレビ・雑誌などメディアの紹介(8.9%)の順であった。今後の実施予定として、半数以上のショップが電子メール広告を挙げている(52.1%)。

総括:店としての強みを持ち、基本サービス・機能を整備せよ

ここ数年、インターネット・ブームや安い開設コストに惹かれて、インターネットショッピングに安易に参入する傾向も見受けられた。しかし、今後さらにショップ数が増えて競争となり、ショップの比較検討ツールが充実化し、経験を積んだユーザーの要求水準が高くなるという状況が発生すると、確たる事業計画を持たず特徴のないショップは自然淘汰されていくだろう。インターネットショップで成功するためには、商売としては当然のことながら、商品や価格といった核となる強みを持ったうえで、インターネットならではの価値をプラスし、明確なコンセプトをユーザーに向けてアピールしていく必要がある。既存ショップは何よりまず、配達や顧客サポート、決済といった必須の機能・サービスで、ユーザーの求めるレベルを達成することに早急に取り組むべきである。