富士通総研

ネットワーク社会の消費行動に関するアンケート


ネットワーク社会の消費行動に関するアンケート


調査結果(2)商品別のネットワーク利用度と期待される機能

(2)商品別のネットワーク利用度と期待される機能

a.商品別の店舗選択基準

どのような商品がオンライン・ショッピングに向いているかということは、それぞれの商品を買うときにどのような基準で店舗が選ばれているかということを調べることによってある程度わかるだろう。そこで、本調査では、いくつかの商品について、回答者がその商品を購入する店舗を選ぶときにもっとも重視する基準を2つ答えてもらった。さらに、もっとも重視するという基準には2点、2番目に重視するという基準には1点を与えて、各基準について点数を計算し、商品ごとに上位5番目までに上がった基準を示したのが図4-1である。

ファッション品では品質が、旅行チケットなどでは価格が重要

まず、外出用の服やアクセサリー・バッグ類については、順に、品質の良い商品があること、品揃えが豊富なこと、好きなブランドの商品があること、価格が安いこと、落ち着いて買物ができる雰囲気があること、という基準が上位を占めている。旅行チケットやパソコン・ソフトウェア、日用品や毎日の食品といった商品では、もっとも重要な基準は価格が安いことである。価格の安さ以外では、パソコン・ソフトウェアでは、品揃え、良い店員、アフターサービスが重要視されており、日用品・毎日の食品では、品質、品揃え、便利な場所にあること、遅くまで開いていること、といった基準が上がっている。化粧品やヘルスケア商品でもっとも重視されるのは商品の品質で、次いで、好きなブランドの商品があること、低価格であること、良い店員がいること、と続く。書籍や音楽CDでは圧倒的に品揃えの良さが求められており、便利な場所にあること、遅くまで開いていることなど、買物の利便性も重要な基準になっている。

図4-1.商品別の店舗選択基準

図9



b.商品別のネットワークの利用度

インターネットやパソコン通信が購買行動に影響を与えるのは、ネットワークを使って商品を注文するということだけではない。実際に商品を買う前に、商品を比較したりするために商品に関する情報をネットワークで収集するという局面が重要になる。そこで、いくつかの商品について、ネットワークを使って情報収集したことがあるかどうかということと、実際にネットワークで注文したことがあるかどうかということについて、別々に質問してみた。また、参考のために、カタログ通販で購入したことがあるかどうかという点についても質問した。その結果を示したのが図4-2である。

オンラインでの注文が多いのは書籍、CD、贈り物など

まず、ネットワークを使って注文したことがあるという人が比較的多いのは、本・音楽CD、地方名産などの珍しい商品、贈り物・プレゼント、パソコン・周辺機器・ソフトウェアといった商品である。これらは、手に取ってみたり詳細な写真をみたりしないでも商品の内容がある程度わかるもの(パソコン・ソフトウェアや本・音楽CD)や、インターネットやパソコン通信でなければ買えないような珍しいもの(地方名産などの珍しい食品、贈り物・プレゼント)といった特徴がある。また、たとえば有名なアマゾン・コム(http://www.amazon.com)などは250万もの書籍の「在庫」を抱えており、書籍や音楽CDといった品揃えの良さが店舗に求められる商品にはネットワーク販売が向いていると言えるだろう。

ファッション性の高い商品ではネットの利用は進んでいない

これに対して、外出用の洋服や下着については、カタログ通販で購入したことがある人が699人中半数を超えているのに対して、インターネットなどで情報収集をしたことがある人は少なく、実際にネットワークで注文したという人はほとんどいない。この傾向は、ネットワークで情報収集したことがあるという人が若干増えるものの、バッグやアクセサリー、インテリア商品でも同じで、ファッション性やデザイン性の高い商品については、ネットワークはまだ商品情報を収集するためにもあまり使われていないようである。これは、このような商品を買う際に重視されるのが品質で、ファッション品の品質は色や肌触りなどネットワークでは伝えにくい要素によって大きく左右されるからであろう。

旅行チケットや自動車は情報収集が中心

一方、旅行のチケットについては、ネットワークで注文したことがある人は699人中40人に満たないが、情報収集をしたことがある人は325人と半分近い。格安航空券の価格情報や国内の列車の空席情報は現在インターネットでも見ることができるが、そのままホームページで注文できるようになれば、利用者はかなり増えるのではないだろうか。
また、自動車については、さすがにネットワークで注文したという人は皆無だが、全体の20%にあたる140人がネットワークで情報収集をしたことがあると答えている。アメリカにはオート・バイ・テル(http://www.autobytel.com)に代表される有力な自動車販売のサイトがあるが、自動車のような高価な耐久消費財に対しては、ネットワークはまず情報収集をするための道具として有効であろう。

図4-2.商品別のネットワーク利用度

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c.ネットワークに期待される機能

本調査では、ある商品の購入を検討している場合、ネットワークに期待される機能について直接質問した。回答者にはいくつかの選択肢の中からもっとも期待するものを順に5つ選んでもらい、一番期待する機能には5点、2番目には4点、3番目には3点、4番目には4点、5番目には1点を与えて集計し、商品別に上位5つの機能を示したのが図4-3である。

ファッション品は探す機能や試す機能が求められている

まず、外出用の服やバッグ・アクセサリーといったファッション性の高い商品については、自分が欲しいものをどこで買えるかということを探す機能、価格の安さ、商品に関する詳細な情報、といった機能がネットワークに期待されていることがわかった。24時間どこにいても買物ができる便利さについては、バッグやアクセサリーでかろうじて5位に入っているにすぎない。洋服やアクセサリーといった商品は、やはり店頭で実際に商品を見ながら買うことが重要なようである。ただし、外出用の服では、自分に似合うかどうか試す機能も3番目に上がっている。現在の技術ではこのような機能を手軽に実現することはできないが、将来的にはバーチャル・リアリティやイメージ合成の技術を使って、ネットワークでファッション性の高い商品を購入する消費者も増えるかもしれない。

日用品・毎日の食品ではいかに安価に便利に提供できるかが鍵

日用品・毎日の食品では、安い商品を買うことができる機能が圧倒的に他の機能を上回っている。2番目は24時間どこでも注文ができるという便利さである。実際にはオンライン・ショッピングは送料もかかるために必ずしも安くつくわけではないが、ネットワークの便利さを活かしたオンラインでのグローサリー販売はアメリカでは本格化しつつある(たとえば、ピーポッド(http://www.peapod.com)やネットグローサー(http://www.netgrocer.com)など)ため、わが国でも可能性はあるだろう。

自動車では購買前と購買後のサービスがネットワークに求められる

自動車については、安く買えるということの他に、正確な商品情報が手に入る機能、商品を比較する機能、客観的な評価情報を入手する機能、アフターサービスの機能がネットワークに求められている。先にも指摘したとおり、わが国においてネットワークを使って自動車を注文するという消費者が今後すぐに増加するとは考えられないが、購買前にネットワークで商品を選択するための情報を集めたり、購買後にネットワークを使ってアフターサービスを受けたりするような機能は、今すぐにでも消費者に求められていると言えるだろう。

図4-3.商品別のネットワークへの期待

図11