富士通総研

第3回インターネットユーザ調査


第3回富士通総研インターネットユーザー調査


結果要旨と総括

2.結果要旨と総括

劇的な変化はないが、女性・専業主婦が継続的に成長
インターネット・ユーザーの属性は、過去1年でさほど劇的な変化は見られず、全般的には男性(68.4%)、会社員(59.2%)、30歳代(45.4%)、関東居住者(55.9%)が主流という状況に変わりはない。しかし、過去3回の調査を通じ、女性(22.4%→31.6%)と専業主婦(5.9%→8.9%)の増加だけは、目立った継続的傾向として指摘できる。

家庭でのアクセスが9割超える。アクセス頻度も上がる傾向
インターネットの基本的な利用目的は、趣味・娯楽が7割、仕事・勉強が3割で定着している。利用目的にかかわらず、家庭や職場、学校など、複数の場所からアクセスするユーザーが増えており、家庭からのアクセスは複数回答で90.3%に達した。また、WWWへのアクセス頻度が「週5日以上」と答えた人は、1年前の69.8%から87.6%に増えた。

インターネットの情報収集機能を最も重視。次いでコミュニケーション
ユーザーが最も重視するインターネットの機能は情報収集で、「ニュース、自分の趣味・仕事など決まった分野の情報を見る」ことを1番あるいは2番目に重視する人は合わせて81.0%にのぼった。次いで、「友人・知人と連絡を取り合う」コミュニケーション機能重視が59.1%、「特定分野に限らず、さまざまな情報を見る」42.6%、「同じ関心を持つ人々と知り合ったり、情報を交換する」コミュニティ機能重視が16.6%であった。

アクセス時間の平均内訳は「WWW5:メール4:その他1」
ユーザーの総アクセス時間を100とした場合のWWW(情報収集)、電子メール(コミュニケーション)、掲示板/チャット等(コミュニティ)の平均内訳は、WWW52.7%、電子メール34.7%、掲示板/チャット等12.6%で、おおまかに言って5:4:1の割合となった。WWWにかける時間は、さらに「自分の定番WWWを見る(33.1%)」と「新しいWWWを見る(19.6%)」に分かれる。

意外と少ない定番WWW。10カ所以下が7割
気に入って何度も繰り返しアクセスする定番WWWの数は、「6-10カ所」が40.5%、「1-5カ所」が30.1%となり、回答者の7割が10カ所以下という意外に少ない結果となった。定番WWWの内容は、複数回答で「検索サービス関連(77.6%)」、「自分の趣味関連(65.0%)」、「パソコン/ソフト/WWW関連(56.7%)」、「ニュース関連(52.6%)」など。

活用される電子メール。アクセス頻度はWWWより高い
電子メールのアクセス頻度は、「1日数回」と「1日1回」の回答を合わせ83.0%となり、77.4%のWWWより高くなった。また、ニュースや情報を送ってくる無料の電子メールサービスは92.8%、メーリングリストは52.0%が利用している。

スタートページや集客の仕掛けのビジネス効果はまだ現れず
アクセス時に必ずユーザーの目にふれるため、ビジネス上有利なポジションになると見られるブラウザーの初期画面(スタートページ)の設定は、「プロバイダーのホームページ(21.0%)」、「検索サービスのWWW(15.9%)」、「その他(15.9%)」と細かく分散し、ポータル効果を生かせる状況にはなっていない。また、集客の仕掛けとして大手検索サービスが備えはじめたフリーメール、インスタント・メッセージ、パーソナライズ・サービスも、まだ利用者はさほど多くない。

オンラインショッピング経験者は5割超える
オンラインショッピングの経験者は過去3回の調査を通じて増加し、今回は51.4%となった。過去半年の利用回数は1回(26.4%)と2回(23.3%)が主流。

「WWWは必要」な反面、「量が多すぎ」「無駄なもの多い」
WWWに対する意識では、「WWWは必要」と思う回答者が半年前の64.7%から72.1%に増加する一方、「WWWの量が多すぎる」、「無駄なWWWが多すぎる」と思う回答者も増えている。

総 括

過去1年のインターネット普及率の伸びが期待ほど大幅なものではなかったため、急成長を想定して立ち上がったビジネスが肩透かしに合って失速したり、サイバーショップの新規開店数が鈍化するといった状況が見られる。インターネット・ビジネスは市場規模がクリティカル・マス(ある状況の発生に必要な最低ライン)に到達していないことで、シナジーが発揮されない悪循環に陥っているようだ。ポータル・サイトを頂点にいただく米国型ビジネスモデルを目指す動きは見られるものの、効果をあげる段階にはいたっていない。

普及の鈍化を反映し、ユーザー属性にもドラスティックな変化は見られないかわり、既存ユーザーの生活へのインターネットの浸透度は確実に増した。このことはアクセス時間や頻度の増加、ホームページ所有率やオンラインショッピング経験者の増加、「WWWは必要」と思うユーザーの増加などに表れている。また、既存ユーザーのインターネット利用スタイルは、自分の趣味や関心事など特定テーマの情報収集が中心だが、気に入って繰り返し訪れる定番WWWの数はさほど多くなく、無料の電子メールニュースやメールマガジンをよく利用するなど、今ある環境での活用方法を見いだそうとしている様子もうかがえる。

利用拡大のためには、何より不況からの脱出と通信にかかる費用の低下といった根本的な変化が待たれるが、インターネットに取り組む企業側には、次の普及の波を待つ間にも、既存ユーザーの行動に学び、好まれる情報形態やコンテンツの開発、使いやすさの追求といった努力が必要と思われる。