富士通総研

ネットマーケティング実践講座
第3回:インターネット広告で顧客を集めるポイントとは!


富士通総研 田中秀樹

実際の店舗は人通りの多いところに出店すれば、それだけで店に客を呼ぶことができる。しかし、インターネットでは、単に製品紹介や販売用のWebサイトを立ち上げただけでは客は来ない。サーチエンジンの検索結果からユーザーが見つけてくれる、と思う人もいるかもしれないが、多くの場合は大した効果が期待できないので、自らユーザーの認知を高める努力が重要になってくる。
そこで今回は、ユーザーへの認知手段としてのインターネット広告の動向と活用のポイントを紹介していく。

インターネット広告の種類

ターゲティングと効果測定がネット広告の特徴

広告市場全体に占める比率は2001年で1.2%とまだ低いものの、ネット広告は、テレビ、新聞、雑誌、ラジオに次ぐ「第5の広告媒体」として無視できない存在になってきた。キリンビールは、今年2月に新発売した発泡酒「極生」のプロモーションに、テレビCMを使わず、新聞、交通広告、Webサイトを中心に展開した。また、ナイキジャパンもヤフーやインフォシークといったポータルサイトでのバナー広告を今年から本格化させている。

このようにネット広告が積極的に活用される反面、「ネット広告を実施したが、ほとんど売上が増えなかった」など、効果を疑問視する声も耳にする。これは、ネット広告の特性を理解しないまま、ネット広告を実施したケースが多い。いままでのマス媒体と異なり、ネット広告には、ターゲティング(対象者の絞込み)や、広告の効果測定が容易という特徴がある。ネット広告を成功させるためには、これらの特徴を生かす必要がある。

注目されるインプレッション効果とアクション効果

ここで、ネット広告の効果を説明しておく。ネット広告の効果は大きく三つに分けられる。広告を表示することでブランドの認知などを高める「インプレッション」、広告をクリックさせユーザーをサイトに誘導する「レスポンス」、そして商品購入などの具体的な行動を起こさせる「アクション」だ。これらの効果のうち、最近は「インプレッション」と「アクション」が注目されている。

ネット広告の効果

ブロードバンドの普及に伴い、今までより大きなファイルサイズが扱えるようになった。このため、「スカイスクレイパー」など画像サイズが大きいバナー広告、表現力の豊かな画像を使う「リッチメディア広告」、さらに、テレビCMと同じような「動画広告」も登場している。当然、画像をクリックすれば対象の商品やサービスの紹介ページにジャンプするようになっているが、テレビCMなどのマス広告と同様に、広告を見せることにより商品やサービスを印象付けることを目的としたキャンペーンで主に活用される。

「インプレッション」は、大規模な調査を行わないと広告効果が分からないが、「アクション」は、Webサイトで瞬時に結果が分かる。商品販売や資料請求など、具体的な成果を目的としたキャンペーンでは、「アクション」効果が高いオプトインメールが人気を集めている。「アクション」があった時だけ費用を払う「アフィリエイト」と呼ばれる成果報酬型の広告も普及し始めた。次に、ネット広告の特徴を生かしたオプトインメールの活用例を紹介しよう。

ターゲティングでアクション効果が2倍に

ユーザーが、関心のある情報を得るために自発的に登録したり、企業が消費者の同意を得たうえで送る電子メールのことをオプトインメールと呼ぶ。携帯電話でとくに問題となっている、勝手に送りつけられるメール(スパム)とは異なり、ユーザーは、そのメールが届く理由と送り手である企業との関係を認識しているので、ユーザーの反応は高い。

オプトインメールは、企業が自社で保有する顧客リストを使って直接配信するケースと、受信に同意したユーザーをメンバーとして抱えるオプトインメールの仲介サービスを利用して配信するケースがある。仲介サービスのオプトインメールの多くは、登録時に属性や興味項目を選択してもらうので、正確なターゲティングが可能だ。

オプトインメール仲介サービスの「iMiネット(http://www.imi.ne.jp/)」で、性・職業別に発信した英語教育ソフトの体験版プレゼントキャンペーンを分析したところ、レスポンス効果を示すクリック率は「男性・学生」の3.6%から「男性・会社員」の7.0%まで、約2倍の開きがあった。ただし、いくらクリック率が高くユーザーをWebサイトに誘導しても、プレゼントキャンペーンなので、登録の「アクション」が行われなければ意味がない。実際、登録数が一番多かったのはクリック率が一番高い「男性・会社員」ではなく、クリック率は2番目の「女性・会社員」で、登録数は一番低い「男性・学生」の2.3倍だった。まず、広告が最も適するターゲットを探し、そのターゲット層に本格的なプロモーションを行って全体の効率を上げる、2段階のプロモーションもインターネットなら簡単に出来る。

英語教育ソフトプレゼントキャンペーンの効果



特性を生かせば効果の高いネット広告だが、インターネットならではのトラブルもある。あるプレゼントキャンペーンの告知で、10数万通のオプトインメールを送ったら、アクセスが集中してサーバーがダウンしてしまった。興味を持ってアクセスしてくれたユーザーを失望させてしまい、これではマイナス効果だ。ネット広告のレスポンスは瞬時に現れるので、トラフィック対策にも注意が必要だ。

この文章は、雑誌「PC-Webzine」2002年7月掲載記事に、一部加筆したものです。



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