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データで見る99米ホリデイ・シーズンEC結果報告
予想どおりの好調。トラブルも前年より減少

前年の2~3倍、金額にして40億ドルから150億ドルにのぼると予想された米国のホリデイ・シーズンのECは、予想どおり、またはそれ以上の好調のうちに終了した。各種調査データや報道、企業の発表などから、状況をまとめてみる。(富士通総研 倉持真理 2000年1月19日)

測定調査:12月第二週がピークに

Webサイトのトラフィックやインターネット・ユーザーの購買行動をモニターする測定機関によると、クリスマスに向けてのオンラインショッピングは、11月初旬から徐々に盛り上がりを見せ、感謝祭の休日のある11月第四週に大きく跳ね上がった後、12月第二週でピークを迎えた。PCデータ(http://www.pcdata.com) は、この週(12月6日~12日)のEC支出が12.5億ドルにのぼったと推計している(グラフ1)。11月第一週から12月第四週までのEC支出のカテゴリー別内訳では、単価の高いコンピュータ・ハードや旅行、家電のほか、ギフト品目である玩具やアパレルへの支出も高かった(グラフ2)。

また、メディア・メトリクス(http://www.mediametrix.com)によると、11月第四週から12月第四週の5週間で最も多くのユーザーを集めたECサイトは、アマゾン・コム、eベイ、eトイズ、バーンズ&ノーブル、トイザらスなどの有名店であった(表1)。

ECサイトの手応え:予想どおりかそれ以上

業界団体のShop.org(http://www.shop.org) と調査会社のIDC(http://www.idc.com)は、シーズン直後にECサイトを対象に行った調査の結果を公表している。
アパレル、書籍、園芸、グルメ食品、家電などギフト品目を販売する30の主要ECサイトの11月20日~12月19日までの状況をまとめたShop.orgによると、注文件数は前年の270%増、売上げ金額は300%増、注文一件あたりの金額も8%増となった。これを受けてShop.orgでは、シーズン前に発表した期間中(11月1日~12月31日)の売上げを90億ドルとする予測を、110億ドルに上方修正している。

一方、IDCは50のECサイトの役員を対象に、11月第四週から12月第二週までの状況に関する回答を得た。これによると、ECサイトの83%が前年の収入を上回り、このうち26%が100%増以上、23%が61~100%増という好結果であった。各ECサイトのシーズン前の予想との対比では、55%が予想どおり、29%が予想以上の結果と回答している。

また、IDCによると、前年のホリデイ・シーズンに比べ、サイトのスローダウンや在庫切れ、配達遅延といったトラブルは大幅に減少したという。ただし、オペレータによるオンラインでのリアルタイム顧客サポートについては、25%のサイトが予想以上のニーズで対応キャパシティを超過したと回答した。

トラブルは前年より減少。一部で在庫切れ、配達遅延

シーズン中に報道されたECサイトのトラブルは、IDCの調査結果も示すとおり、前年に比べるとかなり少なかった。これは経験を積んだECサイトの増加によるものと推測される。しかし、改善すべき点はまだ残っている。

たとえば、大手ECサイトの人気商品の在庫切れは、早いうちにはじまっている。アマゾン、eトイズ、KBキッズを含む主要玩具サイトでは、12月第一週の時点ですでにポケモンやバービーなど人気キャラクター商品の一部が在庫切れとなった。各サイトとも事前の需要予測の精度をあげる必要がありそうだ。

在庫切れより深刻なのは、注文がクリスマスに間に合うように届くかどうかということだ。陸送でクリスマスまでに配達可能な注文受付け締め切り日は、12月第二週の週末あたりとするECサイトが多かったが、一部でそれより前に締め切るケースも見られた。

11月第一週からすでに、サイトのスローダウンを起こしていたトイザラスは、クリスマス配達の締め切りとした12月10日分の注文処理が間に合わず、そのうち一部をクリスマスまでに届けられない事態となった。このため同社は、この日に注文した人全員にeメールを送り、注文をキャンセルするか、そのままにして品物のほかに同社の店舗で使える100ドルのクーポン券を受け取るかのどちらかを選択できるようにした。

また、地上に店舗を構える大手ディスカウントストア・チェーンで、玩具や家電などのギフト品目を販売するウォルマートのサイトでも、12月9日の時点ですでに、これからの注文についてはクリスマス前の配達を保証しない旨のメッセージが掲載された。クリスマス配達の締め切り日が早いECサイトは、大きな売上げの機会をみすみす逃していることになる。

対照的に、12月20日過ぎの注文もクリスマスまでに配達できることをアピールし、ユーザーを引きつけようとするECサイトもあった。カタログ販売で鍛えた注文処理能力を持つランズ・エンドは、速達料金を払えば12月22日までの注文をクリスマスまでに届けることを新聞広告で約束。家電ECサイトのロキシー・コムも、12月21日夕方5時までの注文については、通常の配達料だけでクリスマスまでに配達し、間に合わなかった場合は100ドルまでの返金保証を打ち出した。

ポスト・クリスマス:返品対策に改善の余地

米国のECサイトにとってのホリデイ・シーズンは、クリスマスを境にきれいに終わるわけではない。クリスマスの後には、返品対応という仕事が待っている。この返品対応が、顧客満足やロイヤルティ構築の重要なポイントになると指摘する向きもある。

ユーザーのECサイトに対する評価情報を提供するビズレイト・コム(http://www.bizrate.com)は、シーズン中にインターネット上で発生した注文3600万件のうち、少なくとも5%は返品されると見ている。また、オンライン・バイヤーの89%が、ECサイトの選択に際し、返品ポリシーを考慮しているという。

オンライン専業と店舗を持つオフライン兼業をとりまぜた50の有名ECサイトの返品ポリシーを調査したエクストラプライズ・アドバイザー社(http://www.extraprise.com) によると、全体的にECサイトの返品ポリシーは、優れているとはいいがたい。

まず、ユーザーは返品方法を知るため、ECサイト中を見て、目立たないところに小さく記載された項目をさがしあてなければならない。また、返送料や返品手数料までユーザーが負担しなければならないこともある。

同社の調査では、返送料はほとんどのサイトでユーザー負担としていることが判明。オンライン専業の3分の2、オフライン兼業の4分の1は、どんなケースで誰が返送料を負担するかを明確に規定しておらず、オンライン専業の3分の1は、破損や間違って届いた商品の返送料もユーザー負担としていた。また、オンライン専業では、返送料のほかに返品手数料を徴収するサイトがオフライン専業の3倍もあった。

返品方法に関しても、オンライン専業よりもオフライン兼業のECサイトのほうが選択肢が広い。オフライン兼業の4分の3は、最寄り店舗への持ち込みでも返品を受け付けている。残り4分の1は、ECが別事業として運営されているため、店舗での返品には対応していない。

エクストラプライズ社は、ECの成功の秘訣は配達までの段階のテクノロジーと利便性にあるというのは単なる神話に過ぎず、実際には、配達後の対応を含め、消費者が利用できる接触ポイントをできるだけ多く提供し、通常のビジネスと同様に顧客優先のモデルを構築することが重要だとまとめている。

サイバービジネスの法則集


サイバービジネスの法則集

[別枠]主要ポータル、ECサイトの状況

アマゾン・コム
    99年10~12月の売上は前年比2.5倍の6.5億ドル。
    ホリデイ・シーズン中の注文2000万件のうち、99%がクリスマスまでの配達を完了。
eトイズ
    99年10~12月の注文件数は100万件を越える。
    12月中の注文のうち、90%をクリスマスまでに配達。
AOL
    11月第四週からクリスマスの間のAOL加入者によるEC利用額は
    前年(12億ドル)の倍以上の25億ドル。
ヤフー・ショッピング
    11月25日~12月25日までの注文件数が、前年比385%増。
ライコスショップ
    ホリデイ・シーズン中のユニーク・ショッパー数が前年比450%増。
MSNeショップ
    12月第一週のページビューが前年比474%増。

表1. メディア・メトリクス調査
ECサイトのユニーク・ユーザー数 トップ10
(11月第四週~12月第四週の週あたり平均)
順位 サイト名(品目) ユニーク・ユーザー数
1. Amazon.com(総合) 5,693,000
2. eBay.com(オークション) 4,073,000
3. eToys.com (玩具) 1,662,000
4. Barnesandnoble.com(書籍、音楽他) 1,522,000
5. Toysrus.com (玩具) 1,486,000
6. Buy.com (総合) 1,427,000
7. CDNow.com (音楽) 1,416,000
8. Egreetings.com(カード) 1,116,000
9. Expedia (旅行) 1,019,000
10. Travelocity.com (旅行) 934,000
11. Egghead.com (コンピュータ) 900,000
12. Kbkids.com(玩具) 799,000
13. Bmgmusicservice.com (音楽) 782,000
14. Bonzi.com (コンピュータ・ソフト) 674,000
15. Americangreetings.com (カード) 638,000
16. Beyond.com(コンピュータ・ソフト) 623,000
17. ShopNow.com sites (モール) 619,000
18. Ticketmaster(興行チケット) 597,000
19. Jcpenny.com (総合) 594,000
20. Dell.com(コンピュータ) 582,000
21. Overstock.com (総合) 549,000
22. Compaq.com(コンピュータ) 522,000
23. Shopping.com(総合) 515,000
24. Columbiahouse.com (音楽) 513,000
25. Priceline.com (旅行、食品他) 500,000
表2. IDC調査 ECサイトの主なトラブル
(主要ECサイト50社の役員回答)
新規ユーザーのサイト操作に関する問題が発生 39%
新しい双方向機能が期待どおり機能しなかった 6%
サーバーの一部スローダウン 31%
注文の集中で配達が遅延 11%
見るだけで買わないユーザーが通常より多かった 6%
注文受付けに関する問題が発生(受信ミスなど) 25%
オペレータによるオンライン・リアルタイム顧客サポートが対応キャパシティを超過 25%

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