富士通総研

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インターネット視聴率調査で激突。
新規参入ニールセン//ネットレイティングスvs.先発メディア・メトリクス

TVの視聴率調査で有名なニールセン・メディア・リサーチが、インターネットの視聴率調査に進出、このほど初の月間ランキングを公表した。これを期に、先行するメディア・メトリクスとの本格的な市場争奪戦が始まった。(富士通総研 倉持 真理)

二大対決の構図

ニールセンの進出はかなり以前から予想されていたが、具体的な計画が明らかになったのは昨年10月であった。同社は、オリジナル技術でこの分野に挑戦していたベンチャー企業のネットレイティングス(http://www.netratings.com)に出資し、99年3月までに両社共同ブランドによるサービス開始を表明した*1。一方、この分野のパイオニアであるメディア・メトリクス(http://www.mediametrix.com)は、その直前にニールセン進出に備えて、それまでの宿敵レリバント・ナレッジとの合併を発表*2。この時点ですでに、ニールセン対メディアメトリクスの二大対決の構図ができあがった。

ニールセンの新機軸

初公開となった「ニールセン//ネットレイティングス(http://www.nielsen-netratings.com) 」の調査は、当初9000人のパネルで構成される。ネットレイティングス開発のソフトにより、パネル参加メンバーのオンライン行動をインターネット経由でリアルタイムに収集、レポート化して、広告を掲載するWWWサイトや広告主、広告代理店などの契約クライアントに提供する。

ニールセンは、先発の利を持つメディア・メトリクスとの差別化を図るため、二つの新機軸を打ち出している。その一つは、レポートを週単位で提供することだ。メディア・メトリクスのレポートは、これまで月単位で提供されていた。

もう一つ、さらに重要な差別化ポイントとして、ニールセンはバナー広告を調査項目に加えた。メディア・メトリクスは、広告掲載サイトに関するユーザー人数と到達率、ユーザー・デモグラフィックなどの調査のみを対象とし、バナー広告には対応していない。これに対し、ニールセンは広告掲載サイトのほかに「バナートラック」と名付けた調査カテゴリーを設け、各広告主のバナー広告表示回数(インプレッション)や、視聴者数、到達率、クリックスルー率、ユーザー・デモグラフィックなどを提供し、広告主が競合分析に役立てられるようにした。

対抗するメディア・メトリクス

ニールセンの新機軸に、メディア・メトリクスも負けてはいない。すかさずリリース時期を合わせて、「ウィークリー・フラッシュ*3」と名付けた週単位のレポート提供を開始した。これが可能となったのは、それまでパネル・メンバーのオンライン行動データをフロッピーに記録し、郵送で回収していたのを、レリバント・ナレッジのソフトにより、ニールセンと同様、オンラインでリアルタイムに収集する方法に改めたためだ。

また、メディア・メトリクスが先発の強みを保っている部分も少なくない。たとえば、同社のパネルは、家庭からアクセスするユーザーと職場ユーザーを合わせて4万人の規模に達している。一方、ニールセンは当初の9000人から、今年6月に1万2000人に拡大する予定だが、職場ユーザーのパネルは保有していない。

このほか、WWWだけを対象とするニールセンに対し、メディア・メトリクスはAOLのプライベート・ネットワークや、ポイントキャスト、CD-ROMといった広告つきのデジタル・メディア全般に対応していることもある。ニールセンが導入したバナー広告調査についても、いずれ遠からず対応する方針と予想される。

今後は2社共存体制に

昨年までメディア・メトリクスとレリバント・ナレッジが競争し、ネットレイティングスが追う状況にあったインターネット視聴率調査市場は、ニールセンの進出を機に、4社から2社に淘汰される経緯をたどった。この市場に3社以上が立錐する余地はないが、2社の競合は、市場争奪戦とはいえ、互いに切磋琢磨しあっての共存が可能な範囲だ。クライアントにとっても、2つのレポートを比較できる状況のほうが1社独占より健全といえる。

今後しばらくの間は、このメディア・メトクリスとニールセンの2社共存体制が続き、次に新規参入や競争バランスの変化が生じるのは、インターネット接続のブロードバンド・シフトや双方向TVへの対応のタイミングとなるだろう。

*1 本紙98年11月18日号(Vol.4, No.90)12頁参照

*2 本紙98年11月5日号(Vol.4, No.89)14頁参照

*3 週単位のレポートに対するニーズは、各種イベントによるインターネットへの影響をきめ細かく見るために、最近高まってきた。たとえば、メディア・メトリクスの3月第3週のウィークリー・フラッシュでは、スポーツ情報のESPNとCBSスポーツラインへのアクセスが、大学対抗バスケットボールの全米優勝校決定トーナメント・シーズン(いわゆるマーチ・マッドネス)の影響で倍増し、トップ25位入りを果たしたことをレポートしている。

ニールセン//ネットレイティングス
99年2月度調査ベース数値
インターネット・ユーザーの平均セッション数 月16回
訪問サイト数 月15サイト
1サイトの視聴時間 月あたり31分27秒
ページビュー 月313件
1セッションあたりのページビュー 19件
総接続時間 月あたり7時間28分16秒
1セッションあたりの接続時間 28分1秒
1ページの視聴時間 1分28秒
インターネット・ユーザー人口 9710万人
ニールセン//ネットレイティングス
99年2月度WWWサイト・ランキング トップ25
順位 WWWサイト/社名 ユーザー数
(重複除外)
到達率
(%)
1. AOL(展開全サイト合計) 26,347,355 44.66
2. ヤフー 24,465,932 41.47
3. MSN/ホットメール/MSNBC 20,857,824 35.36
4. ライコス/トライポッド/ワイアード 18,865,966 31.98
5. ゴー・ネットワーク 15,805,557 26.79
6. ジオシティーズ 13,231,956 22.43
7. エキサイト・ネットワーク 12,233,472 20.74
8. ネットスケープ 11,551,686 19.58
9. ブルーマウンテン・アーツ 9,695,993 16.44
10. タイム・ワーナー 9,267,941 15.71
11. マイクロソフト 8,328,247 14.12
12. アルタビスタ 7,182,278 12.17
13. アマゾン 6,707,777 11.37
14. ズーム 5,546,328 9.40
15. ブロードキャスト・コム 5,08 2,150 8.61
16. リアル・ネットワークス 4,676,768 7.93
17. eベイ 4,022,808 6.82
18. ZDネット 3,939,263 6.68
19. CNN 3,857,784 6.54
20. AT&T 3,765,988 6.38
21. インテュイット 3,672,124 6.22
22. インフォスペース 3,520,476 5.97
23. ウェザー・チャンネル 3,140,894 5.32
24. GTE 3,082,088 5.22
25. バイアコム 3,054,245 5.18

* 家庭からインターネットに接続する2歳以上の人口を対象とする。

ニールセン//ネットレイティングス
99年2月度バナー広告ランキング トップ25
順位 広告主名 表示回数
(回)
ユーザー数
(重複除外)
到達率
(%)
1. マイクロソフト 302,133,637 32,270,293 54.70
2. カタログリンク 190,604,789 6,425,120 10.89
3. アマゾン 182,802,739 23,960,481 40.62
4. ヤフー 143,183,939 13,393,926 22.70
5. ファーストUSA 122,265,045 11,778,665 19.97
6. ゴー・ネットワーク 105,691,656 10,068,438 17.07
7. リンクイクスチェンジ 100,402,474 12,366,592 20.96
8. ミュージック・ブルバード 97,618,677 14,607,867 24.76
9. E*トレード 96,696,289 2,765,502 4.69
10. ボンジ・ソフトウェア 89,686,901 15,107,148 24.76
11. クラシファイズ2000 84,536,427 1,805,028 3.06
12. ネクスト・カード 84,119,306 11,198,888 18.98
13. ディスカバー・ブローカレッジ 82,354,361 2,369,338 4.02
14. サンダーストーン 74,582,747 2,430,209 4.12
15. アド・カウンシル 66,211,564 7,740,347 13.12
16. 1−800−フラワーズ 59,299,305 8,295,177 14.06
17. CDナウ 56,928,969 6,995,584 11.86
18. AOL 52,925,743 11,012,115 18.67
19. ロウエストフェア 45,731,412 8,076,638 13.69
20. クールセイビングス 45,304,977 6,064,214 10.28
21. インフォシーク 44,682,124 7,750,658 13.14
22. エキサイト 43,096,467 5,560,775 9.43
23. アルタビスタ 39,494,894 2,410,584 4.09
24. ネットワークアプライアンス 36,487,901 3,880,485 6.58
25. トラストe 35,541,064 7,679,475 13.02
メディア・メトリクス99年2月度
デジタル・メディア・ランキング トップ50
家庭/職場ユーザー統合
順位 メディア/サイト名
(展開ブランド統合)
ユーザー数
(重複除外)
1. AOL 38,144,000
2. ヤフー 31,075,000
3. マイクロソフト/MSN 30,866,000
4. ライコス 29,187,000
5. ゴー・ネットワーク 21,897,000
6. ジオシティーズ 19,926,000
7. ネットスケープ 18,666,000
8. エキサイト/ウェブクローラー 18,081,000
9. タイム・ワーナー 12,715,000
10. ブルー・マウンテン・アーツ 12,632,000
11. アマゾン 10,516,000
12. ズーム 9,730,000
13. アルタビスタ 9,709,000
14. ブロードキャスト・コム 8,870,000
15. スナップ 8,551,000
16. リアル・ネットワークス 8,505,000
17. ZDネット 8,029,000
18. ジュノー 7,171,000
19. CNET 6,820,000
20. eベイ 6,547,000
21. インフォスペース 6,426,000
22. AT&T 5,798,000
23. ゴー2ネット 5,710,000
24. ルックスマート 5,260,000
25. ボンジ・コ ム5,169,000
26. 米財務省
(納税シーズンのためランク・イン)
5,103,000
27. ウェザー・チャンネル 5,011,000
28. バイアコム 4,814,000
29. マイニング 4,720,000
30. ニューズ・コープ 4,424,000
31. ザ・ウイメン・コム 4,189,000
32. フォーチュンシティ 4,176,000
33. アースリンク 4,105,000
34. ソニー 3,814,000
35. iビレッジ 3,608,000
36. プレビュー・トラベル 3,569,000
37. ゴートゥー・コム 3,553,000
38. バーンズ&ノーブル 3,425,000
39. アドビ 3,365,000
40. IDGネット 3,263,000
41. ナイトリッダー 3,211,000
42. フリーPC 3,175,000
43. マクロメディア 3,167,000
44. トラベロシティ 3,065,000
45. ポーンシティ 2,955,000
46. インテュイット 2,948,000
47. シティサーチ・チケットマスター 2,811,000
48. スポーツラインUSA 2,810,000
49. GTEスーパーページズ 2,785,000
50. FEDワールド 2,780,000

全インターネット・ユーザー数= 63,868,000人


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