富士通総研

AOL(America Online, Inc.)

http://www.aol.com

略称AOL。世界最大のインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)。インターネット接続だけでなく、使いやすいインターフェースの接続ソフトとオリジナルなコンテンツ、コミュニティ、各種機能を売り物とした旗艦ブランドのサービス「アメリカ・オンライン」をはじめ、数々の消費者向けインターネット・ビジネスを展開する。計画中のタイム・ワーナーとの合併が実現すると、インターネット、CATV、放送、出版、映画、音楽など、コンテンツとその提供手段を合わせて掌握する世界最大規模のメディア企業となる。

1985年にスティーブ・ケース(現CEO)がパソコン通信会社として創業したAOLは、ProdigyやCompuServeといった当時の大手サービスの後発ながら、接続ソフトの入ったCD-ROMの大量配布と、パソコン初心者向けに親しみやすさを前面に押し出したマーケティング活動で、95年には米国のパソコン通信サービスのトップ企業となった。パソコン通信からインターネットへのプラットフォーム移行の際、一時的なメンバー数の減少に見舞われたものの、卓抜したブランド戦略や有名人が登場するチャットなどのコンテンツ充実化により、すぐに人気を復活。以来、ISP分野のリーダーとして不動の地位を保っている。海外進出にも積極的で95年にドイツ、96年にイギリス、カナダ、フランスに進出、97年には日本でもサービスを開始した。2000年6月現在のメンバー数は全世界で2300万人に達する。

同社は近年、パソコン通信時代のライバルであったCompuServeの買収(97年)をかわきりに、インスタントメッセージのICQ(98年)、ブラウザーのネットスケープ(98年)と大型買収を重ね、旗艦サービスだけでなくマルチブランドで幅広くインターネット・ビジネスを展開しはじめた。これにより、加入者からの接続料主体から、広告やEC(コミッション)などの高収益事業の収入比率を上げた構造に転換している。このマルチブランド展開と収入源複合化の取り組み成功が、消費者向けインターネット・ビジネス分野で同社が一人勝ちともいえる立場を得るにいたった所以である。

現在は、これまで主流だったパソコンと一般電話線を通じたアクセスから、ブロードバンド、モバイル環境、多様な端末への対応により、いつでもどこでも利用できるサービスを目指す「AOL Anywhere」戦略を推進中。最近、Sprint PCSのインターネット接続携帯電話を通じたサービスや、テレビで電子メールやインスタントメッセージを利用したり、番組ガイドや番組関連のコンテンツを楽しめる双方向TVサービス「AOLTV」をスタートさせた。タイム・ワーナーとの合併で巨大メディア企業となる同社の次世代戦略のゆくえは、注目の的である。

主な出来事
1985年 パソコン通信会社として創業
1995年 5月 WWW接続サービス開始
1996年12月 19.95ドルの定額制サービスに移行
1997年 1月 混雑でアクセスできない状況となり、利用料一部返金へ
1997年 4月 日本でのサービス開始
1997年 9月 パソコン通信会社CompuServeを買収
1997年11月 AOLの加入者数1000万人を超える
1998年 4月 AOLのサービス料金を21.95ドルに値上げ
1998年 6月 インスタントメッセージのICQを開発している会社Mirabilisを買収
1998年11月 ブラウザーのネットスケープを買収
1999年 6月 MP3再生ソフトWinampを開発するNullSoft社と、インターネットラジオ局Spinner.comを運営するSpinner Networks社を買収
1999年7月 マイクロソフトがAOLサービスと相互接続機能を持つインスタント・メッセージを投入し紛争となる
2000年 1月 タイム・ワーナーとの合併を発表
2000年 6月 AOL MOBILE、Sprint PCS携帯電話でサービス開始
2000年 7月 AOLTV開始
営業収入推移

ネットビジネスの最新動向やアンケート調査結果は、「サイバービジネスの法則集お知らせメール(登録無料)」でお届けしています。受託調査、コンサルティング、講演も行っていますのでお問い合わせください。