富士通総研

インターネット広告


新たなネット広告の可能性

インターネット広告の今後は、メディアとしてのインターネットの姿がどうなるかということにも深く関わってくる。メディアとしてのインターネットの新たな発展の方向として見えてはじめているのが、モバイルとブロードバンド化である。ネットビジネスを代表する企業の一つであるAOLは既存メディアのタイムワーナーとの合併を、NTTドコモがAOLと提携したサービスを発表するなど、先進企業はモバイルとブロードバンドの時代を睨み既に動き出している。

モバイル

NTTドコモのiモードユーザー数は2001年5月に2400万人に達し、auブランドやJ−フォングループも加えたインターネットにアクセスできる携帯電話サービス契約者数は3800万人を越えている。

キャリア別インターネット・サービス契約



2001年4月に行われたニールセン・ネットレイティングスの調査結果によると、契約しているが利用していない人を除いた、実際の携帯電話によるWebアクセス者は1,150万人となった。この中には、パソコンと携帯電話の両方を使ってインターネットにアクセスしている人もおり、両者の重なりを除くと、携帯電話だけでインターネットにアクセスしている人は514万人となる。パソコンでアクセスしている2,829万人の約18%に相当するインターネットユーザーが、携帯電話によって誕生したわけだ。新たに生まれたユーザーは15-29歳が多いといった特徴を持ち、今までとは異なるターゲットにアプローチすることが可能になった。

この携帯電話のインターネットアクセスは広告メディアとしても注目されている。2000年6月にiモードの広告のメディアレップ、ディーツーコミュニケーションズ(D2C)が設立され、モバイルの広告ビジネスが本格的に始まった。同社の初年度売上目標は10億円である。

パソコンと異なり、携帯電話は常に持ち歩かれるので、個人に対する広告媒体としては効果的なメディアといえる。例えば、レストランやビデオショップの割引クーポンを画面に表示するプロモーション方法は、この特徴を活かしたものだろう。

さらに、画面に占める広告面積の割合が高く、カーソルが広告上を通過することから目立ちやすい。また、着信時に音や振動で気付くメールはさらに高い広告効果を上げることができる。D2Cの調査によると、2000年7月31日~9月4日の5週間に11種類のコンテンツと1つのメール媒体の計12媒体で広告を配信したところ、バナー広告のクリック率は平均3.6%、メール広告のクリック率は24.3%という結果になった。

現在の携帯電話は機能的に見劣りするが、2000年12月にはiモードにJAVAが搭載され、2001年5月からはIMT2000と呼ばれる次世代携帯電話が予定されている。単にデータ転送速度が早くなるだけではなく、GPSなどの位置情報機能も使えるようになり、広告メディアとしての可能性も大きくなる。今後、モバイルとインターネットの融合領域では色々な広告ビジネスが生まれてくるだろう。

ブロードバンド

インターネット広告の課題の一つに表現力の少なさがあげられる。広告効果を上げようとしてバナーのサイズを大きくしたり、色数を増やすと、家庭からダイヤルアップでアクセスしているユーザーはとってはファイルのダウンロードに時間がかかりすぎて不快感を持たれてしまう。

しかし、ブロードバンドと呼ばれる常時接続の高速データ通信サービスが普及すれば、インターネット広告も大きく変わるだろう。リッチメディアと呼ばれる表現力を豊かにしたバナーの利用や、音楽や映像のストリーミングも積極的に利用されようになる。また、放送のデジタル化に伴い、テレビのコンテンツとインターネットで生まれた技術やサービスが融合し、広告の可能性もさらに広がるだろう。

1994年10月27日、アメリカHot Wiredのサイトに掲載されたのが最初のバナー広告だ。ほんの短期間で、インターネット広告はマス媒体に迫るほどの急成長と大きな技術革新を遂げた。今後もインターネット技術の進歩に伴い、モバイルやブロードバンド以外の、新たなインターネット広告が生まれる可能性を秘めている。現時点でもマスメディアと違った特徴を持つインターネット広告は、さらに効果的な広告媒体となるだろう。


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