インターネット広告
ECとインターネット広告の相互関係
ビジネスとしてのインターネット広告の今後を考えるうえで認識しておく必要があるのが、ネットビジネス全体のなかでのインターネット広告の位置付けである。
インターネットマーケティングの重要性
消費者を対象としたネットビジネスは、回線業者やプロバイダーなどインターネットの接続サービスと、電子商取引(EC)、コンテンツの3種類に大きく分けられる。このうち消費者に無料で提供されるコンテンツを支えるのがインターネット広告だ。インターネット広告は、ほかの二つと密接な関係を持っている。とりわけ、ECがインターネット広告に与える影響は大きい。
現実世界で店を開くのとインターネット上で店を開くことの最大の違いは、インターネットでは、単に店を開いただけでは客は来ないということだ。現実世界の店舗は人通りの多いところに出店すれば、それだけで店に客を呼ぶことができるが、インターネットではサーチエンジンの検索結果から消費者が見つけてくれるのを待っているだけでは、まったく商売にならない。このため、ECのサイトはインターネット上で人が集まっている場所から客を誘導する必要がある。ECサイトは多くの人が集まるポータルやコンテンツ・サイトに広告を掲載し、客を呼び込もうとする。
インターネットでは、クリック一つで、すぐにリンク先のサイトにジャンプできるので、ECにおけるインターネット広告の効果は、オフラインの広告よりも売上にダイレクトに反映する。ECに取り組む企業にとっては、いかに広告を含むインターネット・マーケティングを行うかが、売上を大きく左右する問題である。
ECとインターネット広告のシナジー
一方、広告を掲載するWebサイトは、広告収入を元手にコンテンツを更新し、ユーザーにとって便利な機能を追加する。広告掲載サイトは無料の魅力的なコンテンツや機能で多くのユーザーを集め、それらのユーザーをECサイトに誘導する。これにより、ECサイトと広告掲載サイトの間には人と金の循環ができあがり、相互に影響し合って成長を遂げる関係が成り立つ。無論、インターネット広告はECの企業ばかりではなく、インターネット・ユーザーを対象としたブランド構築や、オフラインのメディアでは不可能な詳しい情報提供を目的とする一般企業にも利用される。ECと企業のインターネット利用が進めば、並行してインターネット広告も拡大する。
アメリカのインターネット広告市場が日本の約20倍の規模となっている背景には、このECとインターネット広告のシナジーがある。eクリスマスと呼ばれた1998年のクリスマス商戦以降、アメリカではインターネット通販が本格的に利用されるようになっている。Amazon.comに代表されるEC企業は、さらに売上を伸ばすために巨額の広告費を投じ、インターネット広告市場もその恩恵を受けて急成長を遂げることができた。しかし、ネットバブル崩壊が崩壊すると、資金調達が困難になったEC企業はインターネット広告予算を削減し、この影響を受けた広告サイトの売上が低迷する、といった短期的な逆スパイラル状態に陥っている。

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