インターネット広告
ユーザーや媒体情報の把握のしかた
広告主が媒体を選択するときの資料としては、媒体では、その媒体の特徴、アクセス状況、アクセスしてくるユーザーの属性等を掲載した媒体ガイドを作成している。当然、媒体選択の時にはこの資料を参考することになるが、自己申請の数値であるため根拠にとぼしかったり、各媒体で項目が異なるので比較できなかったりする。そこで、第三者機関が調査したデータを活用し、どの媒体を選ぶべきかを分析する必要がある。
ネット視聴率
「インターネット広告ビジネスの仕組み」でも紹介したように、Webのアクセス状況を表しているのが「ネット視聴率」だ。ネット視聴率会社では、インターネット人口と呼ばれる日本全体のインターネット利用状況と、個人のアクセス状況の二つを調査している。
調査は方法は次のとおりだ。まず日本全体を地域別に区分けし、地域別にランダムに発生させた電話番号を対象にインターネット利用率を調べる。利用している人の中から「調査パネル」と呼ばれるアクセス状況調査対象者を選び、専用ソフトをインストールしてもらうことで利用者属性のついたアクセスデータを集める。ネット視聴率会社と契約すると、これらのデータをオンラインで分析することができる。
話を分かりやすくするために、ビデオリサーチネットコムのサービスを使えば、どのような分析ができるのか、主婦をターゲットとしたWebサイトのプロモーションを想定して説明していこう。
ドメイン別にアクセス人数ランキングを出すと、ヤフーなどのポータル・サイトが上位を占める。当然、ここには主婦以外の人も多くアクセスしているので、広告掲載サイトとしては効率が悪い。そこで、主婦が多くアクセスしているサイトを探すために、アクセスが多いサイトを主婦比率が高い順に表示してみる。すると、ランキングの上位をNHKやTBSといったテレビ局のサイトやコンテンツとサイト、コミュニティサイトが占めるようになった。
| 順位 | ドメイン名 | 主婦 | 給料事務 | 給料労務 | 自由・管理 | 中学生 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ynot.co.jp | 18.2 | 38.5 | 11.3 | 12.0 | 1.8 |
| 2 | nhk.or.jp | 16.7 | 36.1 | 9.0 | 13.2 | 1.9 |
| 3 | jp-bbs.com | 15.1 | 26.8 | 10.2 | 6.0 | 6.8 |
| 4 | rakuten.co.jp | 13.9 | 36.7 | 11.9 | 14.6 | 2.5 |
| 5 | tbs.co.jp | 13.9 | 35.3 | 10.3 | 14.9 | 3.6 |
| 6 | ntv.co.jp | 13.8 | 37.3 | 13.8 | 10.2 | 2.4 |
| 7 | jtb.co.jp | 13.6 | 38.7 | 9.4 | 16.2 | 0.0 |
| 8 | mag2.com | 13.5 | 38.1 | 10.2 | 11.4 | 2.1 |
| 9 | mpt.go.jp | 13.4 | 42.0 | 10.1 | 10.9 | 1.3 |
| 10 | room.ne.jp | 13.4 | 33.6 | 10.9 | 9.7 | 5.9 |
1位になったのは、「ワイノット」というグリーティングカードのサイトだ。このサイトを詳しく調べるために時間帯のアクセス状況をチェックしてみた。一般的にアクセスの多い時間帯は「テレホーダイ」が始まる23時以降であるが、このサイトでは、10-13時もアクセスが多いのが目に付く。昼の空き時間に、友人にグリーティングカードを送っているのだろうか。バナーの掲載時間指定や、直前のテレビやラジオに広告を出稿してメディアミックスを行うならば、このような時間分析も役立つだろう。
ビデオリサーチネットコムでは、ビデオリサーチ社のACR的なデータの使い方ができる、WebPACというサービスもある。これは、ネット視聴率と、商品の所有状況やライフスタイルを組み合わせて分析できるもので、これを使うとターゲットのより詳しい分析ができるようになる。
ネット視聴率では、複数サイトの重複視聴率も調べることができる。リーチを広げるために、二つのサイトに広告を出稿する場合、両方のアクセス者の重なりを確認しておく必要がある。例えば、サイトAとサイトBのアクセスユーザーがほとんど重なっていなければ問題ないが、サイトAユーザーの大半がサイトBにもアクセスしていることが分かった時には、この両方に広告を出稿するのは無駄である。
バナー掲載状況
これまで、バナー広告の掲載状況やクリック率といった情報は媒体でしか把握できなかった。しかし、ネットレイティングスのネット視聴率調査「オーディエンス・メジャーメント・サービス」の「バナートラックレポート」を使うと、各媒体に掲載されていたバナーの企業名、インプレッション数、ユニークユーザー数、リーチ、クリック率、そして実際の画像までがわかるようになる。
このレポートにより、サイトに掲載されているバナーの量や、広告を出稿している企業名から媒体の実力を知ることができるだけでなく、ライバル会社のキャンペーン内容を分析することも可能になった。たとえば、どの媒体でどんな広告の効果があるのか、どんなクリエイティブがいいのか、といったことも知っておく必要があるだろう。
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