富士通総研

インターネット広告


インターネット広告の誤解と真相

インターネット広告はまだ登場から間もなく、確立した手法は存在していない。基本知識さえ正確に伝わっているとはいいがたい状況にあり、それが短絡的な判断や誤解につながっている面が多々見られる。インターネット広告に関する、よくありがちな誤解には次のようなものがある。

誤解1.インターネット広告はブランド構築に向かない

誤解2.アクセス数が重要だ

誤解3.クリック率が低ければ効果はない

こうした誤解は主に、広告の対象となる製品やサービスと、広告の目的、媒体の特徴、手法の効果を状況に応じて組み合わせることをせず、インターネット広告の表面的な現象だけをとらえていることから生じている。

インターネット広告でもブランド構築は可能

確かに、現在のインターネットではビジュアルに限界があり、従来の意味でのブランド構築には向いていないようにとらえられがちだ。

しかし、インターネットでブランド構築ができるかできないかはやりかた次第である。ただし、最初に対象となる製品、サービスとインターネット・ユーザーの相性を考える必要はある。それさえクリアしておけば、小さなマイクロボタンであっても、ブランドにふさわしい媒体サイトに数多く出してイメージを浸透させ、ブランドをアピールすることは可能だ。編集タイアップのスポンサーシップ広告で、画面全体を使ってブランドを訴求することもできる。媒体と広告の種類を選び、ブランディングを意識したクリエイティブを行えば、インターネットでもブランド構築は十分に可能である。マス媒体と適切に組み合わせれば、さらに高い効果も期待できる。

アクセスだけでは意味がない

豪華賞品のプレゼントを派手な露出で告知すればアクセス(サイト訪問者数)は増える。しかし、賞品目的でサイトを訪れた人は、そのサイトの名前すら忘れてしまうことが多く、商品を購入してくれることはまれである。さらに、リピートもしてくれないので、キャンペーンが終わればアクセスは元に戻ってしまう。

広告収入で成り立つコンテンツサイトならともかく、インターネットショップでは、最終的に商品を買ってもらえないと広告の意味がない。マスメディアと同じ発想を引きずってアクセス数を気にするのではなく、最終的な目的は何かをよく考える必要がある。

クリック率ではなくROIの分析を

ランダムで出すローテーションのバナーは、たまたま見にきた人を訴求するために使われる。これに対し、いつも同じ場所に同じバナーが掲載してあることもある。一見無駄なように見えるが、これはリーチよりフリークエンシーを重視し、何かをしたい時に思い出してもらえる固定的な入り口としてのバナーである。

例えば、ポータルサイトの株価情報をよくチェックしている人が、そろそろオンライントレードを始めようと思い、株価情報ページにあるオンライン証券会社のバナーをクリックする、といった使い方が想定されている。いつも同じバナーが掲載されていることに意味があり、表示回数が多いのでクリック率は低いが、着実に新規顧客を獲得している。証券や就職・転職ページのバナーはリピートオーダーが多く、満稿が続いているポータルサイトもある。

そもそも、クリック率を気にしすぎることが問題だ。たしかに、クリック率は分かりやすい効果測定指標だが、数ある指標のなかの一つでしかない。販売や登録といったアクションを目的として広告を出稿する場合は、クリック率は途中の指標でしかなく、最終的には顧客獲得単価が低ければよい。広告の目的にあわせたROI分析が重要になる。

また、クリック率が低下したことだけを取り上げて、「バナー広告は効果がない」という声を耳にするが、ヤフーの月間広告主数は、新規顧客が増えているだけでなく、リピート利用の既存顧客も増えている。これは広告主がインターネット広告の効果を認めている証左だろう。

ヤフージャパンの月間広告主数推移

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