富士通総研

インターネット広告


インターネット広告ビジネスの仕組み

インターネット広告ビジネスは広告主、広告代理店、メディアレップ、媒体で構成されるが、実際には広告代理店がメディアレップを兼業していたり、媒体が直接広告主に販売している場合もある。また、関連ビジネスとしてネット視聴率調査会社や広告出稿管理の会社などもある。

インターネット広告発注の流れ



広告代理店

インターネット広告がビジネスになり始めた段階から、電通、博報堂といった大手広告代理店と同様に、インターネット広告の可能性に注目したベンチャー企業を中心として、インターネット広告専門の広告代理店が登場した。2000年3月にマザーズで株式公開したサイバーエージェント、バナー広告自動見積もりシステムを持つ日広、メール広告を専門にしているメールニュースなどである。

もちろん、テレビCMや新聞広告をメインとしている広告代理店でもインターネット広告を扱っているが、これまでは広告主が希望する時だけ販売する、という片手間的なイメージが強かった。億単位のテレビCMのキャンペーンと、50万円のバナー広告のどちらを積極的に扱うかを考えれば、それも当然である。また、従来の広告代理店のセールス担当者にとってインターネットがなじみのないメディアであったため、積極的に扱われなかったという経緯もある。

しかし、クライアントニーズの高まりと、テレビCMとインターネット広告を組み合わせた成功事例の出現、そしてインターネット広告の単価アップで状況が変わり、既存広告代理店もインターネット広告を積極的に取り扱うようになってきた。

インターネット広告専業の代理店は、媒体の特性を良く理解していて成功事例や失敗事例にも詳しい。これに対し、既存の代理店はインターネット広告の経験は少ないものの、マス広告との組み合わせに力を発揮するといった特徴を持っている。

メディアレップ

テレビや新聞などのマス広告では、広告主と媒体(メディア)の間を広告代理店が仲介する形をとっている。広告代理店は、広告のプランニング、クリエイティブだけではなく、広告出稿管理も行う場合が多い。これはメディアの数や種類がそれほど多くないから可能な形態である。

これに対し、インターネットは媒体サイトの数が多いだけでなく、インターネットの新技術が開発されるたびに新たな広告手法が登場しており、マス媒体を主力とする広告代理店が各媒体サイトの特性を把握し、管理するのは割に合わない。一方、中小の媒体には、わずかな広告費を得るために広告代理店向けの営業活動を行う余力がない。このため、数多い媒体サイトを取りまとめて広告管理・販売業務を行うメディアレップと呼ばれる専門の仲介業者が生まれた。

メディアレップには、電通とソフトバンクが共同で設立したサイバー・コミュニケーションズ(CCI)、博報堂とアサツー・ディ・ケィ、デジタルガレージなどが設立したデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)、トランスコスモスやNTT、米ダブルクリックが中心となって設立されたダブルクリック(DCJ)などがある。

メディアレップが扱っているのは、一定規模以上のアクセスがある広告サイトやメール媒体に限られるが、この対象になりにくい中小のサイトやメールをネットワーク化して提供する「アド・ネットワーク」を運営する会社もある。

ネット視聴率調査

媒体のアクセス状況が分かるデータとして、サイト自身が発表するページビュー(PV)やアクセス者の属性情報があるが、フレームで分割されたページの扱いなどがサイトごとに異なる、自己申告の数値であるため根拠にとぼしいといった問題点が残る。

テレビには視聴率、新聞・雑誌にはABC部数があるように、インターネットにも一般に「ネット視聴率」と呼ばれるオーディエンス・メジャーメントの第三者機関サービスがある。

ネットレイティングスやビデオリサーチネットコムがその代表で、統計的に選んだ調査協力者のパソコン内に専用ソフトをインストールし、ネット経由で逐一利用状況を収集している。このデータを使うと、媒体サイト単独のアクセス状況だけではなく、複数サイトに重複してアクセスしているか否かの分析もでき、広告のプランニングがやりやすくなる。

ネット視聴率サービスには、テレビの視聴率とは異なり、バナー広告のクリック状況やショッピングサイトでの購入といった、アクション把握も対象としているものもある。これにより、どの媒体にどの広告主が広告を出稿したのか、ある広告主はどの媒体に出稿し、そのクリック率はどれくらいだったのか、といった他社の広告戦略まで分かるようになっている。

広告出稿管理と掲載監査

テレビCMが契約回数から間引き放映された事件があったが、ターゲティングやフリークエンシー(表示回数)が管理可能なインターネット広告では、テレビ以上に表示確認は困難だ。実際、クリック数に応じて広告料を支払うタイプのバナー広告で、クリック回数が実績と異なる請求があったケースもある。

このため、メディアレップのCCIとDACを中心として、契約通りに掲載されたかどうかを確認する掲載確認監査業務のアドソリューションXが2000年の5月に設立された。同社は、掲載確認業務の信頼性を高めるため、監査法人に監査を依頼する予定だという。

現在のところ、広告掲載結果の報告内容が媒体によって異なるため、複数のサイトにインターネット広告を出稿している広告主にとっては、広告効果の測定が難しい状況にある。この対策として、同社では広告主にとって必要な指標をそろえた統一フォーマットを開発し、広告の入稿からレポーティングまでをオンラインで統合管理・運営を可能にするサービスを提供する。


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