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中国対外貿易の最新動向

発行日 2008年7月18日

主席研究員 金 堅敏


縮小する貿易黒字

  • 中国税関統計によると、08年6月の貿易黒字は213.5億ドルで前年同期比20.7%も急減少した。08年上期の累積貿易黒字も990.3億ドルで同期比11.8%減となった。
  • ただし、資本別の貿易収支状況では、赤字が常態化している国有企業の赤字額は588.4億ドルで前年同期より394.2億ドルも増え202%増となった。黒字を稼いでいる外資系企業や民営企業の黒字額は1578.7億ドルで昨年より20%の伸びたものの、伸び率は07年の58.9%から大きく低下した。
  • 貿易黒字が縮小したのは、スローダウンする輸出と急増する輸入の両方が作用している。08年上期の輸出伸び率は21.9%で07年上期の27.6%より低下した。他方、08年の輸入の伸び率は30.6%で07年上期の18.2%より大きくアップされた。
  • 輸出鈍化と輸入増加の要因として中国国内の要素と国際的な要素が考えられる。国内要因としては、
    (1)「減順差政策」(黒字削減政策)、つまり輸出還付税の引下げ、加工貿易品目の削減、輸出自主規制、輸入奨励政策などによる輸出抑制と輸入拡大効果
    (2)人民元高容認の為替政策は輸出抑制と輸入拡大の効果
    (3)中国の国内政策により労働、土地、環境、資金等の経営資源コスト急上昇に伴う労働集約製品の輸出競争力の低下
    (4)輸出取引に紛れ込んだ投機資金の規制強化による水増し輸出の排除

    国際要因としては、
    (5)米国サブプライムローン危機等で国際的需要の低迷
    (6)中国製品の品質や安全性問題の輸出抑制効果
    (7)原油、原材料、農産物など資源類製品の価格高騰によりもたらされる輸入増

    などが挙げられる。

貿易地域の多様化

  • 08年上期に対米国、カナダの輸出は8.9%、8.0%と一桁台にスローダウンしたが、新興国・資源国向けの輸出は急増している。例えばブラジル、ベトナム、インド、タイ、インドネシア、韓国、オーストラリアはそれぞれ、86.3%、63.5%、52.9%、40.0%、38.7%、36.0%、35.2%と高く伸びている。中国の輸出先市場は伝統的な先進国市場から新興国市場へシフトしつつある。
  • 中国の06年の輸出先トップ10(米国、EU、香港、日本、アセアン、韓国、台湾、ロシア、カナダ)のうち、中国の総輸出に占めるシュアでは、米国、香港、日本、台湾、カナダはそれぞれ-3.5%、-2.4%、-1.2%、-0.2%、-0.2%と減らし、米国、日本、台湾とカナダは順位も下がった。それに対して、EU、アセアン、韓国、インド、ロシア、ベトナム、ブラジル、オーストラリアはそれぞれ、1.8%、0.9%、0.8%、0.8%、0.5%、0.5%、0.5%、0.1%とシェアを伸ばし、EU、東南アジア、インド、オーストラリアは順位が上がった。因みに、08年上期のトップ10は、EU、米国、香港、アセアン、日本、韓国、インド、ロシア、台湾、オーストリアとなった。中国とインド、アセアン、ロシア、オーストラリアなどとの関係は一層緊密の度を増している。

中国の輸出総額における輸出先のシェア

08上 07年 06年 05年
EU 20.6 20.1 18.8 18.9
米国 17.5 19.1 21.0 21.4
アセアン 8.3 7.7 7.4 7.3
日本 8.3 8.4 9.5 11.0
インド 2.3 2.0 1.5 1.2
ロシア 2.1 2.3 1.6 1.7
ベトナム 1.3 1.0 0.8 0.7
ブラジル 1.3 0.9 0.8 0.6

出所:中国海関web

輸出製品の高度化

  • 08年上期の輸出全体の伸びは低下しているが、機械電機製品の輸出伸び率は25.4%と高く維持されている。逆に、労働集約的な製品であるアパレル・繊維製品、玩具、靴類の伸び率はそれぞれ3.4%、1.7%、12.5%と大きく鈍化した。輸出製品構造は高度化の方向にあった。因みに、中国の総輸出における機械電機製品のシェアは、58.3%に達し07年上期より1.6%高まった。
  • 輸入全体では大きく伸びているが、機械電機製品の輸入伸び率は18.9%で07年上期の14.3%より若干の拡大に止まった。因みに、輸入総額に占める機械電機製品のシェアは46.8%で前年同期の51.4%から大きく低下した。