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インドにおけるIBM/GEのR&D活動

発行日 2008年2月1日

上席主任研究員 金 堅敏


本文は、日本能率協会主催の『「日本CTOフォーラム」訪印ミッション』メモ等に基づき、まとめたものであり、IBM(インド)とJFWTCの発表者には未確認のものである。

インドにおける多国籍企業のR&D活動

  • 現在、インドにはフォーチュン500により125のR&D拠点が設立されている。その大部分は、IT関連である。例えば、SAPはインドにドイツ以外の最大R&D拠点を活動させている。シスコは、2010年までに20%のシニアマネジャーをバンガロールに移転させることにしている。ただし、NEXTWAVEはIT分野から生産技術開発研究に移ると見られている。実際、製造業分野では、今回訪問したGEのほかにフィリップス、シーメンス、TI、ボッシュ、GM、現代などもインドでR&Dセンターを設立している。
  • 日系企業では、ホンダ、スズキ、日産(予定)、河西工業(自動車部品)、横河電機、IT関連では、東芝/FTD、日立製作所、エルピーダメモリ/FTD、医薬品関連:エーザイ(予定)があげられる。ただし、いずれ小規模に止まっている。

インドにおけるIBMのR&D活動

  • インドにおけるIBMのビジネス活動は、1991年にタタとJVで設立された販売会社を1999年にIBMの100%資本にしたIBM(India)を統括会社に、Global Business Solutions(GBS);Global Service Delivery Centre(GSDC);Strategic Outsourcing(SO);Business transformation Outsourcing(BTO)などの内部組織によって行われている。2007年末にIBM(India)の従業員は73,000人に達した(95%はIBM社員)。
  • インドにおけるIBMのR&D活動は、1998年に設立されたIndia Research Lab-IRLと2001年に設立されたIndia Software Lab-ISLによって行われている。また、ISLの中にはLinux Technology Centre-LTCが置かれている。インドにおけるIBMのR&D要員数は非公表であるが、IBM(India)の約20%を占める。
  • IRLは、サービス、ソフト、システムとストレージ関連の分野でR&D活動を行っているが、50%以上はサービス関連となっている。テーマは、Service Scienceの研究もあれば、ソリューションツールの研究もあり、Global Service Deliveryへのサポート業務もある。ISLは、基本的にIBMの5つの製品ベースのソリューション開発を行っている。
  • IBMのR&D活動の考え方:(1)独立した研究開発からビジネスに役立つような或いは顧客のニーズに答えるようなR&Dへのチェンジ、(2)Cost Savingである。したがって、IRLとISLの活動拠点もIBMのGlobal Service Delivery活動の集中地であるバンガロールが中心となっている。
  • インドでのR&D活動の予算についてIBM研究開発本部の予算(Researchの部分)とIBMの各ビジネスラインからの委託研究費(Dの部分)からなる。各ビジネスラインからの研究委託はR&D本部とは直接関係なく予算が組み立てられている。
  • 現在、インドでのR&D拠点はIBMにとってもっとも重要な拠点になっている。例えば、2004にIBMで開発された「Blue Gene スーパーコンピューター」のアルゴリズムはインドで開発した。ただし、IBMのインドラボ開発の特許登録数は開示されていない。
  • インドでは、若い人材が多く、しかもデリバリを中心としたビジネスを行ってきたので、R&D要員の熟練者が少ない。したがって、IBMは、本部から上級研究者をインド拠点に派遣してR&D能力の向上を進めている。

インドにおけるGEのR&D活動

  • 過日訪問したJohn F Welch Technology Center-JFWTC(2000年設立、Bangalore、India)は、米国のGlobal Research Center Headquarters、中国(上海)技術センター、ドイツ(Munich)技術センターとともに、GEの4大R&D拠点の一つである。
  • JFWTCは、GEのグローバルビジネスにつながるような短期・中期・長期的な技術課題について研究、開発、エンジニアリング活動を総合的に展開している。研究分野は、ジェットエンジン、プラスチック、CTスキャナー、ガスタービンなど多岐にわたっている。2007年末現在のR&Dスタッフは3,600人で、うちResearch関係は400名である。2009年末にはスタッフ5,000人、Research要員500人になる。
  • 研究予算の20%は米国のR&D本部から委託されて、5年から10年先の技術研究を行っている。残りの80%は各ビジネスグループから委託された開発・エンジニアリング活動である。そのうち、70%は2年先の技術開発・エンジニアリング、10%は6ヵ月前後の開発・エンジニアリング活動である。
  • GEは、2006年に「8×8×10計画」(2010年までに80億ドルの資産(特に金融資産)、80億ドルの売上高を実現する目標)を立てているので、インド市場関連のR&D活動、例えば、クリーンコール技術、バイオマスエンジン技術などが数多く行われている。実際、インド政府からの委託研究も行っている。
  • 現在、当該センターは毎年約1,000人ほど新規採用(入れ替え+拡大採用)をしている。50%は新卒で、50%は経験者である。インド名門大学のIITから200名前後、IISから100名、その他のNIT(各種の工科大学)から200名を採用している。