富士通総研

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 中国通 >
  4. トピックス >
  5. 2008年 >
  6. 中国におけるWeb2.0の発展とビジネスへのインパクト

中国におけるWeb2.0の発展とビジネスへのインパクト

発行日 2008年2月1日

上席主任研究員 金 堅敏


Web2.0の発展

  • 2007年12月末現在、中国のインターネットユーザー数は2.10億人に達し、米国の2.11億人に次ぐ世界第2位の規模となっている。年間新規加入者は7,300万人で、伸び率は53.3%に達したが、普及率は16.0%で世界平均普及率の19.1%より低い。ただし、現在の増加ペースで行けば、2008年前半には米国を抜いて世界一の加入者規模になることは間違いない。また、インターネットユーザーにおけるブロードバンドの普及が急速に進み、2007年12月末現在、ブロードバンドのユーザー数は1.63億人に達した。さらに、携帯端末でのインターネット利用者数は5,040万人に達している。
  • 他方、都市部のネット普及率25%前後に対して農村部の普及率は5%前後しかないが、2007年の増加率は127.7%にも達しており、全体の増加率の倍以上になっており、インターネット市場の急速な拡大を物語っている。
  • インターネット市場の急拡大やブロードバンドの普及により、個人或いはユーザーを主体とするWeb2.0の応用も急速に拡大している。2008年のWeb2.0の典型応用例であるBBS、Blog、SNS、Vid-Sharingのユーザー数はいずれも世界最大規模になると見込まれる。IDCの調査によると、SNSを除いて中国で設立されているWeb2.0関連サービスサイトはすでに2,000以上を越えている。
  • BBSでは、2006年末のユーザー数は5,060万人で2004年末より3,070万人も増えた。オープンで専門性の比較的高いトピックスフォーラムは、企業にとって利用価値のもっとも高いCGM(消費者生成メディア)であると評価されている。
  • 最新の調査によると、2007年11月末現在、中国のBlog登録数は7,282万人で、Blogerは4,700万人に達した。2007年の一年足らずに3,000万人のBlogerが増えた。全国民の30人に1人、或いはネットユーザーの25%がBlogerに登録されている。また、アクティブBlogerはBlogユーザーの36%で約1,700万人である。2006年末より約800万人増えた。BBSと比べ、Blogユーザーは若くて専門性も低い。内容も個人の日常な気持ち・感情の記録、レジャー・娯楽などが多い。企業にとっての利用価値が一段落下がるとアナリストは見ている。
  • 2006年末現在中国のSNSユーザーの登録数は米国の5,900万人を越えて、6,100万人となった。2010年は1億人を越えると推定されている。SNSはグループ内にクローズする性格を有するので、自社以外のSNSからの情報収集が行いにくいので、企業にとってCGMとしての情報量は限られてしまう。
  • 中国最大のネット調査会社であるiResearchの調査 によると、中国におけるWeb2.0の応用分野では、Vid-Sharingが、Blogに次ぐ第2位である。2007年8月の利用者規模は8,000万人に達している。ただし、動画コンテンツ製作者の規模は不明である。

企業へのインパクト

  • BBS、Blog、SNS、Video-Sharingなどのオンラインコミュニティープラットフォームを通じて生まれたCGM(活字メディアと映像などを含めたミックスメディアを含む) は、その口コミ機能(Internet Word of Mouth、IWOM)によって企業のブランド、製品、サービスにかかわるあらゆる経営側面に大きな影響を与えている。
  • 例えば、2007年初、CCTVの某キャスターが自分のBlogで故宮境内のSTARBUCKSの出店に「中国文化への侵害」と不満表明、閲覧50万回以上に達し全国的な議論になり、閉鎖に追い込まれた。2006年にBlogerがKFCのある広告が「学生侮辱」であると指摘、議論が急上昇し、結局KFCが広告を撤回せざるを得なくなった。2006年6月にBlogerがデルによる「ノートPCのCPU交換に不誠実がある」と不満表明、論議拡大、訴訟事件にまで発展(「換芯門」事件(Processor Gate))した。他方、モトローラやペプシ、エリクソンは、Backdorm BoysなどのBlogやVideo-Sharing分野のネットスターを自社イメージ代理人に起用するなどしてWeb2.0ベースのe-Marketingを実践しはじめた。
  • 中国では、「話題営銷」(IWON-Marketing或いはbuzzmarketing)はホットなキーワードになっている。オフラインにおけるMarketing、Branding、Research活動はすべてオンラインにおいて展開されはじめている。Web2.0広告(活字広告、映像広告を含む)を中心に、オンラインモニタリングによるリスク管理や、BBS・Blogなどのテキスト分析によるMarketing戦略の制定や新たな商品・サービスの開発に活かされようとしている。
  • 最近、在来の広告・PR・調査会社よりも、Web2.0ベースのVCが「話題営銷」サービスに相次いで参入しはじめている。例えば、Sina.comなどのポータルサイト、Baidu.comなどのネット検索エンジン、Bokee.com(Blogサービスベンダー)やblogool.com、feedsky.com(Blog-Marketing専門サイト)、Tudou.com(Vid-Sharingサービスベンダー)及びCICdeta(Web2.0評価分析コンサル専門ベンダー)などの新興VCが中国のWeb2.0の「話題営銷」を主導している。