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日本CTOフォーラム中国訪問の概要(3)

発行日 2006年11月17日

上席主任研究員 金 堅敏


米系の事例1:GE中国技術中心(上海)

  • 2003年に設立されたGE中国技術センター(上海)は、100%外資の独立法人である。業務内容は、基礎研究、製品開発・技術サービス、調達機能の三つである。基礎研究の重点は、材料分析、化学研究、電子工学研究である。
  • フェーズIの投資額は6,000万米ドルで、フェーズIIも1,000万米ドル前後が投資される。フェーズ2が終わると、上海にあるGEの組織はこの拠点に入居し、スタッフ総数は5,000名前後になる。
  • 各産業グループの製品開発・技術サービスは、1)自動車関連製品(プラスチック製品)、2)CT等の医療器材、3)交通関連設備、4)家電製品、5)エンジン、6)エネルギー/環境、7)プラスチック製品、8)セキュリティ製品等の分野に及ぶ。センターには46の実験室が設置されており、実験室を中心とする技術センターと言える。
  • 全スタッフ1,100名のうち、基礎研究が約200名で、各産業グループの開発研究・技術サービス関連が400~500名、残りが調達センターのスタッフである。スタッフの66%以上はマスター以上の学歴を有する。また、スタッフの1/3は、海外からの採用(中国留学生帰国組と外国出身者)である。スタッフの離職率は6%前後である。
  • 技術センターには、米国以外の海外最大の研修センターが設置されており、20室の研修教室がある。研修対象は、1)社内スタッフ・従業員、2)顧客、協力パートナーである。現在は中国国内向けである。
  • 技術センターの費用は、1)本部R&D部門、2)各業務グループ、3)GE中国、4)本社の日常経費から調達している。知財保護については、本部と同じ制度を導入されており、IP担当部署もある。これまでIP問題は確認されていない。
  • R&D研究成果とマーケティングの間には、研究事情や市場開拓の両方とも詳しい専門スタッフが橋渡し的な役割を果たしている。

米系(GM)の事例2:PATAC(Pan Asia Technical Automotive Center Co.,Ltd.)

  • 1997年6月に設立されたPATACは、GMと上海汽車の折半出資でできた独立法人である。活動内容は、1)新たな自動車及び自動車部品の設計、2)各種自動車に完全なエンジニアリング設計サービス、3)自動車の外観及び内部装飾の設計、4)自動車の部品、エンジン、底盤、トランスミッション及び排気システムに対する測定、調整と計測の四つである。GM本社への技術支援や上海汽車のための自主開発も行っている。
  • PATACには、排気、MBH、構造、底盤の四つの実験室が設置されており、モデル車の試作、車試験場、電気波試験室、完成車実験室なども整備されている。また、GM本社の自動車開発プラットフォームを共有化しており、グローバルな自動車開発データベースも利用可能である。
  • 現地化開発の分野では、エンジン以外のすべての内容が実行されており、小型車、省エネルギーの電機自動車、低コスト車、デジタル技術による開発などのコンセプト車も設計・開発されている。
  • 2006年7月現在、総人員は1,203名で年末に1,400名に達する。40数名はGMからの派遣である。スタッフの学歴割合は、博士4%、マスター31%、学卒50%、その他(技能工、車試験ドライバーなど)15%である。大部分の技術者は、オーストラリア、米国、ドイツ等にあるGMのグローバル設計センターで研修を受けた。
  • PATACは、2003年の300人から2006年の1,200人まで急速に増やしたので、人材確保が大きなチャレンジである。中国における自動車開発人材の欠如に加え、人材流出問題も生じている。ただし、現在のところ、離職率は4%に抑えている。
  • 知財についてGMとはIP利用契約に基づいている。知財の違法流出は確認されていないが、ノウハウの流出は微妙である。

台湾系の事例: Airmate(Shen Zhen)研究開発部

  • Airmate(ShenZhen)は、1991年に設立された台湾系企業(従業員7,800名)である。欧米や日韓市場への出荷は、ほとんどOEMとODM生産である。中国市場への販売は自社ブランド(OBM)である。5%の純利益率を達成している。
  • 日系の三洋電機、東芝、韓国のサムソン電子及び一部欧米企業へのOEM生産を行っており、生産技術指導や品質管理などのため日本人4名を迎え入れている。
  • 1996年に研究開発部を設置し、製品設計・開発に取り組んだ。R&D支出対売上高比は3.4%~4%前後に達している。研究開発部の業務内容は、1)製品のデザイン・設計、2)金型設計、3)材料測定、4)検査などである。
  • 現在、R&D部のスタッフは150名で、R&D部長は日本人である。スタッフの離職率は3%と低く抑えている。人材対策として、コア人材に持ち株制度を導入している。このコア人材持ち株制度は、人材の定着に大きく貢献しているという。
  • 過去に金型技術が他社に流出する事例があったので、1)IP担当要員の配置、2)積極的権利化、3)従業員と秘密保持契約の締結、4)ニセモノ取締の強化の知財対策を取っている。