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中国ソフト産業の最新動向

発行日 2006年3月31日

上席主任研究員 金 堅敏


ソフト産業発展の全体像

  • 2005年、中国のソフト産業規模(売上高)は3,900億元(約5.5兆円)となり、前年比40.3%増の成長を遂げた。第10次5ヵ年計画の最終年である2005年の売上目標2,500億元を遥かに超えた。2006年にも28.2%の成長が見込まれ、ソフト産業規模は5,000億元(約7兆円)となる見通しである。
  • ソフト産業は、電子情報産業の中でもっとも成長の速い分野となっている。ちなみに、2001年~05年の5年間に中国のソフト産業は年平均成長率40%となり、電子情報産業におけるウェイト(売上げベース)は、01年の6.3%から05年の11.2%にまで高まった。因みに、2005年財政年度(04.4~05.3)のインドのソフト産業規模は220億ドル(約2.5兆円)であった。
  • 認定を受けたソフト企業は11,660社となり、2004年末の10,607社より1,000社以上増えた。また、ソフト産業の就業者数は90万人に達した。これは、2004年末の72万人より18万人増えた。ちなみに、2005年3月末のインドのソフト産業就業者数は70万人(その他に35人のBPO従事者いる)であった。
  • 中国のソフト企業は主に、北京、広東、上海、江蘇、浙江等に集中しており、うち北京のソフト産業規模が一番大きく906億元(成長率42%)となっており、全国の約23%を占めている。一方、江蘇のソフト産業規模は384億元(全国の9.8%相当)で、伸び率では98.9%にも達した。また、2005年に中国政府に設置した11ヵ所の「国家ソフト産業基地」と6ヵ所の「国家ソフト輸出基地」に入居しているソフト企業の収入額は、中国のソフト産業収入の3/4を占めている。
  • 経営の国際化を図る企業や自主開発を行うソフト企業を支援する情報産業部の「大企業戦略」、及び国家重点ソフト企業の税制優遇適用ラインの引上げなどに見られるように、2006年に入り、中国政府はソフト企業の小規模性や開発能力の脆弱性に鑑み、税制面や研究開発支援等の大企業育成政策を打ち出している。

ソフト産業の構造

  • 2005年、ソフト製品、システム・インティグレーション(SI)、ソフトサービスは、各々2,067億元(伸び率35.2%)、1,329億元(同40.1%)、505億元(同66.5%)に達した。ソフト産業総収入に占める割合は、各々53%(04年より-2%)、34.1%(横ばい)、12.9%(04年より+2%)となった。ソフト製品のウェイトが減る一方、ソフトサービスのウェイトは増加した。
  • ソフトサービスの成長が突出しているのは、(1)大規模なソフト製品調達、ソフトプラットフォーム構築の時代が終わったこと、(2)ソフトのカスタライズ開発やバージョンアップ開発、ソフトシステムの維持管理とソフト応用のコンサルティングに対するニーズが増加したこと、(3)海外向けのソフトアウトソーシングの拡大、(4)インタネットサービス産業の急速な拡大、などの要因が考えられる。特に、インタネットサービス分野では、ポータルサービス、有料メールポスト、無線SM、バーチャルISP、捜索エンジン、コンテンツサービス、オンラインゲーム、電子商取引、ネット教育サービス、ASP等のネットサービス分野が急成長している。

ソフト輸出

  • 2005年の中国のソフト輸出額は35.9億ドルに達したが、第10次5ヵ年計画の最終年である2005年の輸出目標額50億ドルを達成できなかった。伸び率は28.2%で04年の40%より11.8%下回り、電子情報産業全体の伸び率29.2%にも及ばなかった。因みに、2005財政年度のインドのソフト輸出額は172億ドルであった。
  • 輸出伸び率がスローダウンしたのは、中国のソフト輸出が組み込みソフトの輸出に偏っており、中国製のソフトパーケージの輸出やソフトアウトソーシングの輸出が少なかったからである。この結果、2005年の中国の電子情報製品輸出の伸び率は04年より17%も減速し、ソフトの輸出もスローダウンした。
  • ただし、中国のソフト輸出については、(1)ソフト開発成熟度レベルCMM5(CMMI5を含む)を取得した企業(外資企業を含む)が17社に達したことからも見られるように、中国ソフト企業の開発レベルや品質管理能力は高まっており輸出の経験も蓄積しつつあること、(2)「広州中望」のCADパーケージ、「方正」の印刷レイアウトシステム、「用友」の企業管理ソフトパーケージの輸出から見られるように、自主開発ソフト製品がソフト輸出に加わっていること、(3)グローバルのソフト・アウトソーシング市場が拡大していること、などから今後も拡大していくと予想される。