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中国電子情報産業の最近の状況

発行日 2006年3月31日

上席主任研究員 金 堅敏


2005年の概況

  • 中国情報産業省によると、2005年の電子情報産業の総売上高は、38,411億元(約55兆円)となり、04年より24.8%増となった。近年、中国の電子情報産業はGDP成長率の3倍の高成長率を維持している。売上げベースで、電子情報製品製造業は引き続き機械製造業と冶金業を抑えて、中国鉱工業におけるトップとして位置付けられている。
  • ただし、付加価値ベースで見ると、2005年同産業の規模は、9,004億元しかなく付加価値率は23.4%しかない。急拡大する産業規模と低付加価値構造は、部品・中間財・資本財を海外に依存している組み立て拠点としての中国の姿を物語っている。
  • 中国のGDPに占める電子情報産業の割合(付加価値ベース)は4.94%となり、04年の4.39%より0.55%高まった。この結果、GDPへの貢献率は8.8%となった。
  • 中国の電子情報産業の企業数は6.7万社にも達しており、うち5.6万社は製造企業である。従業員総数は761万人(内、製造業551万人)に達した。

産業構成、生産・輸出の状況

  • 中国の電子情報産業は主にコンピューター関連、通信設備、電子部品、家庭視聴設備からなっている。2005年は、コンピューター関連産業と電子部品産業が全産業を牽引する力となった。この二業種の成長率(売上げ高ベース)は29%に達しており、全業種の24.8%より4.2%高かった。
  • コンピューター関連産業では、ソフト産業の成長が著しかった。ソフト産業の売上げ高は3,900億元(約5.5兆円)に達し、成長率は40.3%となった。
  • また、2005年の電子情報関連投資を見ても、電子部品関連が55%を占めており、投資の伸び率も48.4%に達している。
  • 2005年の主要電子情報関連製品の生産量は図表1のとおりである。内外市場の拡大に牽引され、販売対生産比(販売率)は98%以上を維持している。
  • 2005年、中国の電子情報関連製品の輸出入額は、各々2,682億ドル(輸出)、2,206億ドル(輸入)に、また伸び率は、各々29.2%(輸出)、21.9%(輸入)に達した。中国の輸出/輸入総額に占める割合は、各々35.2%(輸出)、33.4(輸入)となっている。また、貿易黒字は476億ドルを計上し、中国の貿易黒字総額1,000億ドルの約半分を稼いでいた。

中国の電子情報関連製品の生産・輸出状況

製品 単位 生産量
(05年実績)
伸び率% 輸出量 伸び率% 生産量
(06年目標)
携帯端末 万台 30,354 30 22,800 56 34,000
デジタル交換機 万回線 7,721 1.3
移動通信基地局設備 万信道 725 65
カラーテレビ 万台 8,283 11.5 3,975 43.4 9,100
PC
内ノートブックPC
万台 8,084
    4,565
35.3
    66
4,759
    4,131
57.7
    63.3
9,800
サーバー 万台 318 88.9
カラーディスプレー 万台 16,058 58.2 19.800
IC 億枚 266 12.9 216 33.2 340
  • 2006年の電子情報産業の目標は、売上高、付加価値が各々それぞれ46,600億元(約68兆円、伸び率21%)、11,000億元(約16兆円、伸び率22%)となっている。輸出・輸入の伸び率は15%前後と低目に設定されている。主要製品生産量も図表1に示すとおり、2桁成長を見込んでいる。

さらに高まった外資企業の役割

  • 2005年、外資企業(100%外資、合弁企業、合作企業を含む)の売上高、付加価値、利益額、輸出額は各々、24,021億元、5,026億元、822億元、2,341億ドルに達した。中国の電子情報産業に占める割合は、各々77%、77%、77%、87%となり、いずれも2004年よりさらに高まった。
  • 外資企業全体の付加価値率は20.9%であり、地場企業の27.6%と大きな格差がある。2000年以降、地場企業の付加価値率は高まっているが、外資企業は低下した。中国を組み立て拠点として利用する外資企業の戦略に大きな変化はないと見られる。ただし、近年、中国を地域運営センターやR&Dの拠点とする外資企業の動きも活発になっており、今後外資企業が中国ビジネスの付加価値を高められるかどうかが注目される。