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中国電子商取引のオンライン支払の最新動向

― 現地訪問報告(2) ―

発行日 2005年12月16日

上席主任研究員 金 堅敏


中国電子商取引(EC)支払の現状

  • 現在、中国におけるEC関連の支払方法には、以下の2種類がある。
    1. オンライン支払:銀行カード(B to C)、クレジットカード(B to C、小額B to B)、携帯(B to C)
    2. オフライン支払:銀行/郵便による振込(B to C、大部分のB to B)、オン・デリバティブの現金/クレジットカード支払(B to C)、携帯/移動POSによる支払(B to C)
  • B to Bの支払については、大部分はオフラインだが、信頼関係ができた企業間の小額取引はオンラインで支払うケースが増えている。例えば、切符やホテル予約のオンライン業務を行っている大手の携程旅行網、e竜網の顧客は85%以上が企業であり、オンライン支払の割合は50%~60%に達している。
  • B to Cの支払を、2005年7月に公表された『第16回中国インターネット発展状況統計報告』で見ると、この半年間でオフライン銀行振込が16.6%、オフライン郵便振込が10.9%、オフライン現金支払が23.3%、オンライン支払(ネット決済)が約48.4%となっている。ただし、オンライン支払は、昨年以来急速に拡大している。
  • iRearchの『中国ネット支払研究報告書』によると、2004年のネット支払額は75億元と小さい。ただし、03年の37億元から04年の75億元、05年の181億元と急増している。
  • 中国におけるオンライン支払が急拡大しているのは、銀行カードやネット銀行の発展と、第三者オンライン支払サービス機構といったインフラが整いつつあるからである。
  • ただし、オンライン支払関連詐欺犯罪は多発していることで、05年10月に中国人民銀行は、銀行に対して、「セキュリティー措置を講じていない(電子認証のない)個人によるネット支払の一回当たりの支払額は1,000元を、一日の支払額が5,000元を超えてはならない」といった規制をかけた。

銀行カードとネット銀行の発展

  • 2005年3月末までに、中国における各種銀行カードの発行枚数は8.27億枚に達したが、そのうち、「信用カード」(デビットカードとクレジットカードを含む)は、3,308万枚しかない。ただし、2002年~05年中の銀行カード発行枚数の年平均伸び率が23%であるのに対して、クレジットカードの伸び率は127%と急速に拡大している。急増する銀行カードと対照的に、ATM/POS機械の伸び率(2005年)は、各々6.3%と12.8%に留まっている。
  • 銀行カードの急拡大に伴い、ネットバンキングユーザーも急増している。全国で実質的なネットバンキング取引を行った実績のあるユーザーは2,000万人を超えているが、年末には倍増すると一般的に見られている。因みに、2005年9月末現在、4年足らずの普及活動を通じて、中国工商銀行の個人ネットバンキングユーザー数は1,000万人を突破した。同期間、中国建設銀行は600万人のユーザーを抱えている。

第三者オンライン支払サービス業者の台頭

  • 中国におけるネット支払チャンネルには、(1)各銀行のネット銀行経由、(2)「銀聯」(銀行カード事業の連合体)のネットプラットフォーム経由、(3)第三者オンライン支払サービス業者経由がある。
  • 特に、取引関係者と銀行/クレジットカード会社との間で、業務代行や担保の機能を果たしている第三者オンライン支払サービス業者が急速に台頭してきている。2004年現在、第三者経由の支払額は2004年に23億元でまだ小さい。このような業者は約50社ある。
  • 第三者オンライン支払サービスのビジネスモデルとしては、(1)銀行のネットバンキング機能を代行するモデル(従来)と(2)独自支払機能(取引双方とも支払サービス業者のプラットフォームにバーチャル口座開設が必要)を有するモデル(米Paypalモデル)がある。過日訪問した westpay.com.cn は従来モデルで、 Alipay.com はPaypalモデルである。
  • 従来モデルは、取引ごとに銀行やクレジットカード会社と買い手との間でネット決済を行うが、売り手との間では決まった期間(例えば、一週間)で決済する。収入は売り手からの手数料である。
  • Paypalモデルは、バーチャル口座へのチャージによって行われ、取引ごとに銀行やクレジットカード会社とのやり取りを必要としない。現在、Paypalモデルを利用する業者は無料サービスを提供しており、将来どのような収益モデルを取るかが注目される。
  • 第三者オンライン支払サービス分野の課題としては、(1)ユーザーが、第三者支払代行業者と取引銀行双方に手数料を支払うことが必要であること、(2)銀行のネットバンキング業務と競合していること、(3)どちらのモデルとも取引双方に担保が必要であり、その信頼性へのチェック問題があること、(4)支払代行業者に決済資金が蓄積されるので、その資金運用に対する規制がかかっていないこと、などが上げられる。