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中国の電子商取引企業の実態

― 現地訪問報告(1) ―

発行日 2005年12月2日

上席主任研究員 金 堅敏


2005年10月27日(木)~11月5日(土)に上海、杭州、北京、成都にある電子商取引専門企業を訪問した。ここでは代表的なB to B企業4社の概要を纏める。

(1)上海万国商業網有限公司( www.BusyTrade.com )

  • 万国商業網有限公司は、1997年に香港で設立された電子商取引を専門とするEC企業である。04年6月に中国大陸に進出し、上海で万国商業網有限公司(上海)(万国商業網有限公司100%資本)を設立した。中国大陸の会員を開拓するとともに、開発業務などは香港から上海へ移転した。
  • 当社のCTO(元AT&Tのエンジニア)は米国におり、米国から技術サポートをしてもらっている。現在は、上海50名、香港10名のスタッフを抱えている。地方は代理制度を取っているので、スタッフ数は少ない。
  • 当社のビジネスモデルには、以下の特徴がある。
    1. B to Bオンライン情報交流とオフライン取引
    2. 点数システム。すなわち、会員が事前に払った会費は、点数(自社のバーチャル通貨)として換算され、必要なとき、必要な業務量に合わせ点数(情報効果に基づく支払)を使うシステムである。会員企業は自らコスト管理ができるメリットがある。
    3. 提供するサービスは、中国以外の企業間同士でも利用している。
    4. 製品分野は、機械、繊維、化学などが多い
  • 会費:前納する一般会員の会費は年2500元/年、VIP会員は1.2万元/年。一年間有効 追加支払の場合繰越可能。取引成功に比例したコミッションは取っていない。

(2)阿里巴巴(中国)網絡技術有限公司( www.alibaba.com )

  • 1998年に設立されたアリババは、
    (1)企業間ネット取引プラットフォームAlibaba.com(B2B)、
    (2)個人ネット取引プラットフォームTaobao.com(C2C)、
    (3)ネット支払プラットフォームAlipay.com、
    (4)インタネットポータルと捜索エンジンYahoo.com.cn の4つのビジネスを展開している。
  • 香港と杭州は、アリババのHQと中国地域HQとして機能する。従業員3,000人のうち、杭州本部は2,000名いる。外国籍のスタッフも20~30名いる。
  • アリババへの投資家には、米Goldman Sachs、日系ソフトバンク、日本アジア投資、Yahooなどがある。
  • B to Bのビジネスモデルについては、情報交換がサービスの主たる内容である。取引や支払はオフラインで行う。アリババはタッチしない。直接顧客誘致作成を行っている。代理販売は行っていない。
  • 現在、登録会員1,000万社、有料会員が15万社いる。基本的にサプライヤーが有料会員となっている。会費は、2,300元/年~数万ドル/年でまちまちである。サービスの対象は中小企業である。広告はあまりやらない。
  • 2002年から黒字、2004年には100万元/日の営業利益を達成。

(3)慧聡網( www.hc360.com )

  • 慧聡網は、1993年に国家計画委員会のエコノミストによって設立された。当初は、「商業情報」提供(ビジネス情報誌)を行ってきたが、97年にネット上の情報無料提供(B to B)を開始し、2004年にはネット情報有料化を実施した。スタッフは3,000人~4,000人。
  • 現在のビジネスは、(1)「商業情報」のリアル版、ネット版(03年12月17日に香港株式市場に上場)、(2)総合捜索エンジン、(3)SMS業務などからなる。
  • 慧聡網の専門分野は、IT、安全防犯、化学工業、製造業などである。現在のところ、国内バイヤーをサービス対象としている。ただし、慧聡網も国際webを開設する予定はある。
  • 他のB to Bサイトと同じように、ネット上のサービスは情報提供だけで、取引や支払にはタッチしていない。
  • 収益は、会員会費や広告料からなる。現在、登録会員200万社、有料登録会員3万社である。会費は基本的にサプライヤー(90%)から賄っているが、バイヤーも10%が有料会員となっている。日系企業の松下、日立、サムソン電子等も会員になっている。
  • ネット会員の会費は、一般会員で1980元/年、会費収入が全体の90%を占める。

(4)杭州創博網絡科技有限公司( www.zjuc.com )

  • 杭州創博網絡科技有限公司は、2000年6月に浙江大学工学部化学工程学科に所属する教師4名と外部者1名、合計5名の出資によって設立された。会社業務は化学工業設備に特化したB to Bビジネスである。現在社員23名。うち販売関連10名である。
  • サイトは、情報提供のプラットフォームを提供するだけで、取引や支払にはタッチせず、取引双方がオフラインで行っている。
  • 現在、登録会員2000社、有料会員200社である。会員企業は、中小企業が中心で、外資企業も1%前後を占めている。
  • 収入の70%は会費、30%は広告による。会費は、サプライヤーだけ徴収し、バイヤーは無料である。会費は、2,000元/年である。
  • 設立して3年後に黒字計上ができた。