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イントラネットSNSのサイクルをマネジメントする

上級研究員 吉田 倫子

2009年3月2日(月曜日)

イントラネットSNS(*1)は、早い企業では2004~05年から導入が始まっていましたが、これまで大抵の企業は、mixiをモデルにしたような、企業間で大差のないサービス(デザイン、構成、機能など)を利用してきました。しかし、年月の経過や導入企業の増加により、日本全体として、活用方法が変化し、多様化してきています。

富士通総研が実施しているアンケート調査から、1年前と比較し(2007年8月実施調査と2008年8月実施調査の比較)、SNSを企業内に導入したことでマスコミに取り上げられる広報効果や、顧客とともに利用するという「顧客接点としてのSNS」、また、「事務的な連絡手段としての利用方法」、「顧客に関する気づき情報の共有」という利用方法については一段落し、現在では、仕事上の経験や考え方、専門知識や、自分自身のストーリーなどを他の従業員と共有し、企業内での人脈形成を行う方向にシフトしたことがわかりました。「同じ部署/異なる部署で新製品・新サービス開発」という項目も伸びてきていることから、今後は、形成した人脈、交換したアイデアなどを用いて、企業全体としての付加価値創出に結び付けて行くことが課題になると考えられます。

このように、イントラネットSNSの利用方法は変化してきており、ある程度のライフサイクルを持って進化してきているという仮説の下に、イントラネットSNSの進化のプロセスを、以下の5つのフェーズに区分し、「それぞれのフェーズでキーとなる事」ならびに「それぞれのフェーズに要する期間」について分析を行いました。

  • フェーズ1.検討
    イントラネットでSNSを導入するための準備段階
  • フェーズ2.導入期
    企業のイントラネットの中にSNSを導入した直後は認知度が高くない。新しいものに飛びつく従業員が利用
  • フェーズ3.成長期
    ひとたび企業内で認知され成長期に入ると、雪だるま式に登録ユーザーが増加するため、SNS内のリソース(人・コンテンツ)が増加
  • フェーズ4.成熟期
    需要量は頭打ちとなり、新規登録ユーザー数が横ばい。炎上(*2)への懸念。
    遊び系コンテンツ>仕事系コンテンツ
  • フェーズ5.衰退期
    技術革新などのために衰退期に入ると需要量は減少し、SNS利用を中止、もしくは更新へのデマンドが増加

分析の結果、フェーズ1~フェーズ2では、「社内への周知・徹底」、「上司(トップ)の理解」、フェーズ3~4では、「グループ形成」、「知識」、「ファシリテーション」、「継続性」、フェーズ5では、「機能拡大」、「改善・改良」、「仕事としての位置づけ」というキーワードが浮かび上がってきました。

また、各フェーズは約3ヶ月のスパンで推移し、フェーズ1から5までにかかるトータルの期間は平均約16.6ヶ月(1年4.6ヶ月)と、イントラネットSNSの1サイクルは、非常に短命であることがわかりました。フェーズ5を経験した後は、利用者から挙げられた要望を反映させ、リニューアルしたり、再スタートして行くことが考えられます。

企業のイントラネットであっても、炎上やマンネリ化の懸念があります。組織的な観点から、それぞれの企業に合ったイントラネットSNSのサイクルを適切にマネジメントして行くことが求められます。

【各フェーズのキーワード】

注釈

*1 SNS : Social Network Service
ネット上で人脈を構築し可視化するサービス。プロフィールや日記に加え、様々な情報を参加者同士で共有することができる。

*2 炎上 : ブログやSNS上の記事に対して、膨大な数の批判的コメントや誹謗中傷が書き込まれること。

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