銀行業界における営業店改革モデルの生保業界への適用
シニアコンサルタント 小澤 宏文
2009年2月20日(金曜日)
1.生命保険業界の現状
現在、日本の生保業界は営業職員チャネルの崩壊、生存保障シフトなど転換期を迎えています。チャネルや商品の多様化に伴い、誰がどこで事務処理を行うか、保険会社において「本社」「現地」「事務センター」における機能と役割分担の明確化は、成長戦略を描く上で重要なポイントとなっています。全国に営業店を持つ大手生保は、事務処理を主にセンター集中で行っていますが、本社・営業店・センターにおいて重複した業務や事務処理があり、効率化に向けた取り組みが必要であると考えます。そこで、同じように全国に営業店を持ち、事務センターを持つ銀行の営業店改革事例から、保険業界への適用案をご紹介いたします。
2.銀行における営業店改革モデルの概要と成果
富士通総研では、従来より銀行の営業店改革を推進するコンサルティングを実施して参りました。営業店における大量定型事務は、業務センターに集中化を図ってきましたが、未だに営業店には多くの事務が残っております。
「営業店改革モデル」とは、営業店を真の営業の場にするために、残存している少量多品種の事務を更に集中化し、改革を行うものです。
プロジェクトの進め方は、まず調査の対象店舗を抽出し、営業店やセンターの事務分担や機能など現状を把握します。次に営業店改革にかかる関係部署へインタビューを行い、現状と課題認識をお客さまと共有します。続いて、対象店舗の現場調査を実施し、定量面・定性面から現状把握を行います。そして、調査結果をメンバーで共有後、課題の抽出を行い、解決の方向性を導きます。
昨年、某銀行様より「内務業務量3割削減」の要望がありました。現場調査の結果、事務量に対して後方事務要員が多いことが判明しました。また、銀行内の係間における重複業務(印鑑喪失など諸届チェック等)も明らかになりました。かつて某都市銀行において、同様の調査を実施した際、重複業務等を明らかにし、支店の後方事務を「集中センター」へシフトしました。
その結果、後方事務のミス率が数%台であったものを1桁下げることに成功、事務精度の向上により、顧客満足度の向上に寄与いたしました。
このような営業店改革モデルを生保業界へ適用することで、同様の期待効果が望めると考えております。
3.富士通総研の強み
私たちは、上記の営業店改革モデルに基づくコンサルティング・調査を生保業界で行い、営業店、本社、センターの事務実態を明らかにし、定性・定量情報に基づいた改善案、解決策を提言することができます。
他社にはない富士通総研の強みとして、以下の3点が挙げられます。
(1)地銀、信金、生保、損保の営業店改革コンサルティング実績が過去5年で約20件あり、定量的・定性的データからベンチマークすることが可能です。平均約30%の事務量削減効果をあげており、お客さまからも高い評価をいただいております。
(2)観測者が調査結果をその場で入力できるよう「ツール化」されているため、お客さまが継続的に調査することが可能です。ツール使用によるお客さま満足度は、ほぼ100%となっております。
(3)多数の保険事務プロセス改革コンサルティングを経験し、生保事務を熟知しているため、定量的な分析結果を基に、的確に課題を捉え、人員体制など優先順位の高い「改革の方向性」を導き出すことが可能です。また、ファイナンシャル・プランナー等の資格取得を若手に推奨するなど、人材育成にも力を入れております。
4.今後の取り組み
今後も保険業界では現場を見える化し、ムリ・ムラ・ムダを明らかにし、課題を抽出した上で、継続的な現場改革とリスクコントロールを行う必要があると、私たちは考えています。「現場の見える化」やBPR(*)にご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
注釈
* BPR : Business Process Reengineering
企業活動に関するある目標(売上高、収益率など)を設定し、それを達成するために業務内容や業務の流れ、組織構造を分析、最適化すること。
関連サービス
ファイナンシャルサービスに関して、銀行・証券・保険といった金融機関を中心に一般企業までも対象に、ビジネスおよびITの両面から、戦略立案から組織・業務プロセス改革、システム導入支援など総合的なサービスを提供します。
店頭業務を中心とした業務改革を実現するため、渉外業務改善、システム導入、効果分析、臨店調査を主軸においた業務実態調査、および業務効率化策やCS向上策の提案・導入支援などのサービスをご提供いたします。
