再び注目を集める「グローバルSCM」
シニアコンサルタント 亀岡 朋徳
2009年2月18日(水曜日)
SCM(*1)とは、原材料・部品の調達から最終的なお客様への商品供給に至る活動(サプライチェーン)を対象に、企業内・企業間のプロセスの最適化によりお客様の満足度を高めつつコストを最小化する考え方です。簡単に言えば、納期短縮や欠品防止によってお客様の満足度を向上させると同時に、在庫の削減(最適化)によってキャッシュフローを最大化することが目的であるということになります。
企業での導入は90年代半ば頃からですが、最近の景気後退により国内外の在庫が急増したことで、現在の急激な市場変化に対応できるようSCMを強化、あるいは見直す企業が増加しています。
前述したように、SCMは考え方であり、企業での取り組みは調達・生産・物流のリードタイム短縮や取引先との受発注のEDI(*2)化、調達改革等、多岐に亘ります。
その中でも重要と言えるのが、生販在を統合的に管理するPSI(*3)と呼ばれる考え方で、生販在の計画機能を担うSCP(*4)はソリューションプロバイダーが提供するSCMの中核となっています。
PSIでは、生販在の計画立案の短サイクル化、調整業務の効率化、リアルタイムでの情報共有(見える化)等が課題となり、その実現に向けたポイントとして以下を挙げることができます。
- 計画立案、調整業務のルール・プロセスの標準化
- 製品コード等、グローバルでの標準コードの確立
- コントロール体制の確立
短サイクルでの計画立案を実現するには、全社・ローカルで対応すべき領域を明確化した上でルール・プロセスの標準化が不可欠です。また、SCMの基盤として見える化を実現するために標準コードの確立が鍵となりますが、グローバルでは特に苦労するところで、トップダウンでの強力な推進、段階的な展開、ITを使ったコード変換等による推進が必要です。
また、重要だと認識されているにも関わらず徹底した改革の対象になりにくい領域として、コントロール体制の確立があります。新しいルール・プロセスの海外適用の際に、日本企業のコンセンサス型のマネジメントで展開しようとしても、海外ローカルから必要な需要予測が出てこなかったり、全社計画を見直しても工場のスケジューリングには反映されないなど、現状の体制の延長では効果が出ないということになりかねません。また、部門利益を追求し、社内で頻繁に利益の付け替えを行い全社最適ができないという話もよく耳にします。新しいルール・プロセスを運用していく上で、責任・権限を含め、体制のあり方を見直す必要があります。
富士通総研では、SCM視点でこれらの課題を明らかにし、新ビジネスプロセスから経営的な効果の明確化、実行計画の策定までを一貫して支援するメニューを揃えておりますので、お気軽に声をかけていただければ幸いです。
また、SCMに関連するテーマとして、2008年12月にコンサルティングNEWSで「販売計画起点のSCMモデル構築コンサルティング」が紹介されておりますので、そちらもご参照ください。
注釈
*1 SCM : Supply Chain Management
供給連鎖管理。物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメントのこと。
*2 EDI : Electronic Data Interchange
電子データ交換。商取引に関する情報を標準的な書式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組み。
*3 PSI : P : Production/Purchase、S : Sales、I : Inventory
生産・販売・在庫の調整を行うこと。
*4 SCP : Supply Chain Planning
SCMの計画系システム。過去のデータから需要を予測して、外注・下請け業者から自社、顧客を結ぶサプライチェーン全体の生産・流通・在庫管理方針を決定するシステムのこと。
参考情報
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