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インフォミディアリと外部情報駆動型経営

主任研究員 浜屋 敏

2009年2 月9日(月曜日)

経済研究所の研究テーマの1つに、「インフォミディアリ(Infomediary)」があります。これは「情報(information)」と「仲介(intermediary)」を組み合わせた用語で、1996年にアメリカのコンサルタントが使ってから普及してきました。当時はネットビジネス全盛期で様々な新しいサービスが生まれたものの、ネットバブルの崩壊とともに多くのサイトが閉鎖されてしまいました。しかし、私たちの研究では、現在こそインフォミディアリが重要だということを明らかにしています。

インフォデミディアリの意味が10年前よりも現在において大きくなっている理由の1つは、Web2.0のような新しい技術・サービスの普及でインターネット上の情報量が爆発的に増加しており、消費者が効率的かつ効果的に情報処理する必要性がかつてないほど高まっているからです。情報量の増加は便利なことではありますが、情報収集には時間がかかるため、必ずしも消費者にとって望ましいとは限りません。膨大な量の情報の中から、個々の消費者が自分に合った情報に簡単にアクセスできることが求められており、そのような問題の解決がインフォミディアリに期待されています。

インフォミディアリに注目すべきもう1つの理由は、それが「外部情報駆動型」と言えるような、新しいタイプの経営スタイルを提示しているからです。従来の多くの企業は、自社が内部に持つ資源と活動とを組み合わせて模倣しにくい差別化システムを作り上げ、競争優位を実現してきました。そのようなシステムを作り上げるには、多くのコストと時間がかかります。また、システムが出来上がった後には、外部環境の変化に応じた修正が必要になりますが、完成したシステムはそれ自体で自己完結的になってしまうために、修正は容易なことではありません。

一方、インフォミディアリの競争優位は、他者が生み出す情報をいかに効率的に収集し、別の他者に価値のある形で提供するかということで決まります。情報から価値を生むためのノウハウは自社の資源ですが、情報そのものは外部に依存しています。だからこそ、インフォミディアリは非常に速いスピードで成長することができ、外部と連携することで「生態系(エコシステム)」を拡大し、経営環境の変化にも俊敏に対応できるようになります。

もちろん、インフォミディアリに代表される外部情報駆動型の経営にはリスクもあります。しかし、その長所は伝統的な製造業のような企業にも応用可能なものだと私たちは考えています。インフォデミディアリ研究では、情報仲介というサービス自体の可能性や課題だけでなく、他者の活動から生まれる情報を社内に取り込んで競争優位を獲得する、という新しい経営スタイルのあり方についても提言していきます。

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