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期待高まる日本の森林資源ビジネス

主任研究員 梶山 恵司

2008年12 月24日(水曜日)

日本では、林業は安い外材に対抗できず、補助金で辛うじて支えられる産業というイメージが強いですが、林業は高度なマネジメントや技術力が必要とされる先進国型ビジネスです。実際、世界の木材生産の3分の2は先進国ですし、日本の住宅の構造材に使われる外材のほとんどは、欧州、北米産です。

森林は他に産業が成立し得ないような条件不利地域に豊富に存在する資源である上に、裾野が広いことから、先進国においては地域経済を支える重要な産業となっています。例えば、日本の人工林と同じ森林面積を有するドイツの木材生産量は日本の約4倍に達するほどです。

そこから産出される木材を基点に、製材、合板などの木材産業や、そうした材を使う住宅、家具、建材などの2次加工産業に加え、林業機械や製材機械メーカーなどの関連産業も盛んで、一大産業群を形成しており、これがまた輸出産業にもなっています。最近では、バイオマス利用も急拡大しており、1次エネルギー消費の2.3%をカバーするまでになっています。

そして日本でも漸く、林業を産業として成立させ、ドイツのように森林資源をビジネスとするチャンスが生まれてきています。その理由は単純です。木材資源が本格的に利用できるのは植林後50年前後からであり、欧米では100年を超えて林齢構成は平準化されていますが、日本で林業が本格的に始まったのは戦後のことであるからです。

したがって日本の森林資源も、ようやく本格利用段階に入ります。日本の森林はその潜在資源量からして、ドイツ並みの木材生産が将来的には可能ですが、そのためには、林業の抜本改革が不可欠です。日本の林業は公共事業として支えられてきたため、「経営」が完全に欠如しています。林業の現場は「大正時代」ともいえるほどのものであり、林業機械の生産性は、欧州に比べ10分の1以下に過ぎません。木材は、重くてかさばる割に単価が安いことから、サプライチェーンマネジメントも不可欠ですが、経営の概念を取り入れていくのもこれからです。

このように、これからの林業はビジネスの宝庫です。欧州有数の林業国であるオーストリアも、90年代半ばに自動車産業のコンサルタントが参入したのを契機に林業の近代化が進みました。トヨタが三重の大規模山林を買収し、経営に乗り出すなど、日本でもようやく森林資源ビジネスが本格化しようとしています。

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