百貨店ビジネスにおけるMD改革の最新動向
コンサルタント 山田顕諭
2008年12月18日(木曜日)
現在、百貨店ビジネス上におけるMD(*1)変革として、SCM(*2)推進協議会にて日本の主要な百貨店、アパレル企業の双方からそれぞれ10社が参画して委員会を構成し、業界統一の商品分類コードの見直しを行っています。富士通総研は本委員会の委員として検討に参画しています。
本件に関わる事は、これまでにも百貨店業界における既存の標準商品分類コードとして、繊維産業EDI(*3)標準メッセージにおいて定義されている共通商品分類コードがありました。
しかし、分析利用項目として属性項目を増やしたいという百貨店側の思いと、情報登録付加作業の手間および対応システム構築コスト負担を減らすため属性項目を減らしたいというアパレル企業側の思いとがぶつかり、結果として全体的に整合性のある体系となりませんでした。そのため、個別のコード対応が主流となり、顧客・商品分析の高度化に向けた取り組みが一部のブランドに止まっているのが実態でした。
そこで、本委員会では、標準商品分類コードの見直しにあたり、上記のような百貨店-アパレル企業間の利害関係からくる課題を調整すべく、以下のような体系を提言し、検討を進めています。
(1)取引先との取り組みレベルに応じて属性項目の使い分けを可能に
新標準商品分類コードの体系では、「業界で標準として利用する属性項目」と、「相対企業間で利用する属性項目」の2種類を用意し、取引先との取り組みのレベルに応じて使い分けられるようにしています。
(2)相対企業間で利用する項目にも枠を設定
また、個別の運用を排除するため、「相対企業間で利用する属性項目」についても新標準商品分類コードの枠の中の項目として定義しています。
このような体系の下に検討することで、百貨店、アパレル企業各々の利用目的/効果を踏まえながら、「使える」共通言語の策定に向けて建設的な議論が進められており、新標準商品分類コードの最終形イメージが見えつつあります。
新標準商品分類コードの導入は、顧客・商品分析の高度化に課題を抱える企業にとって以下のようなインパクトをもたらすと考えています。
(1)百貨店側
コード付与可能企業の増加によるブランド横断分析の実現
(2)アパレル企業側
各社各様のコード体系への対応から1つの標準への対応へ(N対Nから1対N対応へ)
今後、本コードの普及に伴い、新標準商品分類コードをベースとした業務支援サービス(商品分析アプリ、店頭管理アプリのASP(*4)サービス提供等)への展開が求められ、いち早くその提供を考えていくことが重要と考えており、その具体化に向けた取り組みを推進していきたいと考えています。
本取り組み内容にご興味のある方は、是非富士通総研までお声掛け下さい。
注釈
*1 MD : merchandising
消費者の欲求に適合するような商品を、適正な数量・価格で、適切な時期・場所に供給する企業活動。
*2 SCM : Supply Chain Management
供給連鎖管理。物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメントのこと。
*3 EDI : Electronic Data Interchange
商取引に関する情報を標準的な書式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組み。
*4 ASP : Application Service Provider
ビジネス用のアプリケーションソフトをインターネットを通じて顧客にレンタルする事業者のこと。
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