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外資系小売業向けコンサルティング事例の紹介

~本国の要請と日本法人の要望とのギャップ解消に向けて~

2008年9月2日(火曜日)

世界第2位の経済大国である日本には、様々なグローバル小売企業が進出しています。その際、例えばウォルマートのように本国での展開方式を直接日本に持ち込む企業が一般的ですが、日本進出にあたってブランド・ポジションやマーケティング・ターゲットをローカライズして展開する企業も少なくありません。加えて、日本独自の商習慣を考慮し、本国とは異なる商品マネジメント・スタイルを取るケースも出てきています。

商品補充を例にとれば、欧米では広大な国土や国境を越えて点在する店舗へ均等に商品を供給することを重視し、本部主導型の補充発注方式を多くの企業が採用しています。一方、日本では店舗特性を重視していることや、大都市近郊に集中出店していることから、店舗による取り組みが一般的であり、特に店舗間で商品調整を図り、“効率的"に在庫スペースを管理して、品切れも防止するといった施策を取る傾向にあります。

このようにビジネス環境に大きな差異があることから、日本法人では固有のマネジメント手法や日本固有のシステムを求める傾向にあります。しかしながら、外資系企業の多くが、グローバルなシステム標準化を要望するケースが多く、日本法人として、独自のシステムを導入したくとも本国の承認がおりないというジレンマを抱えた企業が多いのが現状となっています。

今回担当した、米国に拠点を置く高級チョコレートブランドA社も同様でした。本顧客は、本国では自家消費(購買者=消費者)をターゲットとした製造小売業としてのポジションを維持しておりますが、日本では高級ギフト用ブランドとして展開しています。出店コストが高い日本の環境下においては高価格帯商品を主軸とした品揃えにより、高い収益を確保することが求められているからです。また、賞味期限のある商品を扱っていることもあり、きめの細かい商品管理を行い、商品回転率を上げ、原価の高い商品のロスを極小化することがキーになっていました。こうしたことから、日本法人では、細かい粒度でのデータ管理に取り組む必要がある一方で、本国お仕着せの(管理粒度の粗い)ITシステムを使わないといけないという二律背反的な課題を抱えていました。

当然、何度も本国に対して要請を行っていたのですが、残念ながら承認されない状況が繰り返されていました。そこで我々はその理由を明らかにすることから始めました。その結果、これまでの日本法人と米国本社とのコミュニケーションは、単にお互いの要望と要請を突きつけあっているだけであり、双方の確固たるポリシーやその裏付けとなる主張が弱く、相互理解につながっていないと感じられました。特に欧米には見られない日本独特のビジネス環境である、

  • 日本特有の商慣習
    (主に百貨店消化仕入や、ディベロッパー側POS利用の必要性)
  • 生産地との物理的ギャップがもたらす調達リードタイム
    (発注~入荷まで3ヶ月)
  • 消費者行動
    (本国だと代替品は自社の他商品。日本だと隣接テナントの他ブランド)

などの観点を考慮した議論が不足しているということが分かりました。そこで、日本独自の環境下でビジネスを成功させる要因を共通認識としてもっていただくことからスタートし、その上で、日本法人のITシステムが必要とする機能要件をまとめて本国にレポートすることを提唱しました。

そこで実施したのが、日本法人全部門の現場スタッフへのインタビューやアンケートから業務内容と利用システムをサーベイすることによって現場の生の声を抽出し、反映することです。その内容からビジネスプロセスの問題点を明確化し、現状のシステム活用に起因する課題を明確にしていきました。その結果、本国と日本の経営層での会話・議論に厚みが加わり、本国が要請していたITインフラに関する要請を一部撤回させることができ、さらに日本法人の要望の多くを承認させることができました。

このように、富士通総研では、異文化の世界のお客様のニーズにも対応すべく、日本に進出している外資系企業をサポートしていきたいと考えております。同様の課題に直面しているお客様は多いと思われますので、ぜひ富士通総研までお声かけ下さい。

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