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意識改革が改革の鍵となる

現場・情報システム部門の意識改革による業務改革の推進

シニアコンサルタント 齋藤和生

2008年7月11日(金曜日)

私は、ここ数年準大手企業向けの業務改革・情報化企画コンサルティングに従事しています。今までのプロジェクトを振り返ると、人の意識改革が非常に重要であると考えます。なぜなら、お客様のメンバーの改革意識が高まらないことや改革意識が持続されないことが原因となり、設計途中において頓挫したり、手戻りが発生したり、現状の仕組みに戻ってしまったりすることがあったからです。それらを踏まえ、いかにしてお客様の意識を高めるか、持続させるかを念頭に置き、コンサルティングを実践しております。

本稿では、上記を踏まえ、建材メーカーA社の情報化企画コンサルティングにおける2つのポイントをご紹介します。

1.検討メンバーの意識改革

準大手の建材メーカーはニッチ商品群ではトップを走っている企業が多いですが、国内市場が鈍化している中、限られた市場でシェアの奪い合いを続けており、現場に疲労感があります。また、建材メーカーの宿命として、商品開発を絞り込むことで現状の売上が一次的に落ちることを懸念し、体力に合わない数の商品開発を実施していることも現場の活力を阻害しています。更に、現場では、コスト削減と在庫問題を抱えており、縮小均衡の中で成長路線が見えないと感じている反面、経営は海外事業拡大を標榜しています。そして、現場ではまだ従来の商慣習や業務の仕組みでの運用に苦労しています。

そのような状況下、業務改革を実現するためには、メンバーが主体となり、改革内容を自責として捉えるように意識を変革することが重要になると考えており、コンサルタントとして、以下の3点に注力しています。

・日々のコミュニケーションによる信頼関係の構築
「お客様を知りたい」ということを行動で示しています。具体的には、お客様の言葉を学び、その言葉で会話し、傾聴します。

・メンバーへの危機意識の醸成
他社や市場等の取り巻く環境分析や内部の問題点から、放置した場合の影響を可視化させ、改革意識を掻き立てます。

・当事者意識の醸成
他責の発言ではなく、自責の発言を促します。その中で全社視点や顧客起点等、様々な視点を提供し、議論を活性化させます。また、経営者同席の報告会においてメンバー自身が説明する機会を設け、自身の思いを伝えてもらうようにしています。

2.情報システム部門の意識改革

建材メーカーの特長として、お客様の多岐に渡る要望に対応するため、多品種少量かつ流行性のある商品ラインナップを抱えている上、その枠を超えた特別注文が日常茶飯事に発生するという事が挙げられます。その要求を拒むことは失注に繋がるため、半ば強制的に対応せざるを得ない状況にあります。それ故に情報システム部門では、運用におけるシステム変更対応や業務サポートに日々追われています。しかしながら、システムの変更や運用サポートはベンダーに依存していることが多く、自社の業務・システムに関するノウハウも乏しいのが実態です。

そのような状況下、全社を巻き込む情報化企画を立案するプロジェクトの推進役に任命されても、現場統制力やノウハウが少ない情報システム部門ではプロジェクト推進が難しく、次第にモチベーションが下がってしまいます。そのような事態を回避し、情報システム部門の意識を高めるため、そして高まった意識が継続されているかを見極めるために、以下の3点に注力しています。

・プロジェクト推進に対する責任感の醸成
プロジェクトへの責任感を醸成するために、定例会の進行役や報告会での 司会及び報告など、前面に出てもらうようにしています。それにより、現場への統制力も高まります。

・プロジェクト推進ノウハウの伝播
「もし、失敗したら…」という考え方を「失敗しないためには…」というように発想転換するために、情報化企画として何が重要なのか、何をしな ければいけないのか、ということを互いに納得できるまで徹底的に議論し、気付きを与えるようにしています。

・改革推進部門としての意識の醸成
外部ベンダーに依存する体質から脱却し、将来的に自らがシステム改善やシステム観点での業務改革を提案できるよう、自社の業務・システムを理解してもらうようにしています。そのために、業務領域ごとに担当を設定し、現場における検討への参画及びそのまとめをミッションとしています。

最後に、最近のお客様は、業務改革に意欲的であります。しかしながら、社内で推進する場合、なかなか進まないという声もよく耳にします。そこで、我々コンサルタントは、お客様の中に入り込んで、意識を高めることを念頭に置きながらコンサルティングを実践しています。意識が高まると、業務改革の推進がスムーズになります。また、そこでの成功体験は、更なる改革意識を醸成し、改革のスパイラルが構築されます。つまり、継続的な活動へと発展するのです。

本稿では、準大手の建材メーカーにおけるコンサルティング事例をご紹介いたしましたが、これは準大手企業に限ったものではありません。業務改革・情報化企画を検討されている方は、お気軽にご相談下さい。お待ちしております。

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