富士通総研

  1. ホーム >
  2. コラム >
  3. コンサルティングNEWS >
  4. 2008年7月 >
  5. 【連載】保険業界のCRM改革 第3回

【連載】保険業界のCRM改革 第3回
~保険営業現場を対象としたフィールド・イノベーションの取り組み~

第3回 プロセスを変える

マネジングコンサルタント 桑崎喜浩

2008年7月8日(火曜日)

生命保険会社A社では、新契約高が5年連続して落ち込み、また営業職員数も減少するという悪循環に陥っていました。それに対して、コールセンターなど複数のチャネルを整備して、契約者や新規顧客との接点の充実を図ってきましたが、なかなか成果が出ませんでした。そこで、お客様とともに現場プロセスを見える化し整理した結果、「それぞれのチャネルが縦割りに活動しており、顧客との接触機会や成約チャンスを逃している」という大きな課題が明らかになりました。

このような経緯から、保険の潜在的顧客に対し、最適なタイミング・チャネルでアクセスできる「プロセス革新」をテーマとしたプロジェクトに取り組みました。今回のようなプロセスを新たに設計する当社コンサルティングの特徴は、大きく2点挙げられます。1点目は、経営の視点と現場視点双方から最適化を図るアプローチであること、そして2点目はユーザー参加型のワークショップをファシリテートして進めることです。

1)トップダウンとボトムアップ双方からのアプローチ
販売チャネル毎の垂直統合的な組織体系を横串しにして新たなプロセスを設計するためには、経営目標に照らした目的意識の共有や利害調整が必要となるので、経営トップのプロジェクトへの関与が必須となります。主にインタビューと定例会を通じて、現場の抱える問題点をフィードバックしながら、経営としてのプロジェクト目標を明確化します。 また、現場サイドでは、現行業務分析から抽出した各チャネルの業務プロセスと問題点を明確にし、経営トップからのプロジェクト目標の実現を意識しながら新たな施策の設定を行います。 トップダウン・ボトムアップ双方からアプローチすることで、全体としてブレることのないプロジェクト運営が可能となります。

2)ユーザー参加型のワークショップの実施
課題やその対応策の抽出、そしてその優先順位付けといった工程においては、ユーザー部門横断的なワークショップをファシリテートすることで、相互理解や一体感の醸成を図ります。今回も、営業職員部門とコールセンター間で、お互いの限界を理解しながら、どういった顧客情報を共有できれば、組織横断的な顧客接点プロセスが構築できるかを徹底議論しました。その結果、データ分析結果を基に成約率の高いタイミングでチャネルを組み合わせたプロセスを設計することができました。

このプロセス設計コンサルティングを実施することにより、経営トップから企画部門、各チャネルそれぞれに納得感と期待感を持った改革案を固めることができ、次のフェーズでは「ITを駆使して」いかに実現していくかの検討を進めることになっています。本手法は、規制緩和を受けてチャネルが多様化する金融機関のお客様が次期営業支援システムを構築する上流工程として、非常に有効であると考えます。 是非、現場プロセスの改革を志向されている金融機関のお客様がいらっしゃいましたらご相談ください。

第1回 全体像

第2回 見える化

注釈

(*)CRM : Customer Relationship Management

関連サービス

【CRM】

顧客接点の現場に目を光らせ続けることは、フィールドイノベーションの源流であり、経営を担う全ての方々の責務です。その為の戦略策定、具体的な施策と実行、そのPDCA確立をご支援致します。

【金融】

ファイナンシャルサービスに関して、銀行・証券・保険といった金融機関を中心に一般企業までも対象に、ビジネスおよびITの両面から、戦略立案から組織・業務プロセス改革、システム導入支援など総合的なサービスを提供します。