富士通総研

  1. ホーム >
  2. コラム >
  3. コンサルティングNEWS >
  4. 2008年1月 >
  5. SE会社連携SIビジネスでの成功に向けて

SE会社連携SIビジネスでの成功に向けて

シニアコンサルタント 清水健介

2008年1月4日(金曜日)

最近のSIビジネスにおいては、お客様の経営戦略を実現するためのIT活用プロジェクトとして、システム構築だけではなく、稼動時の効果を最大化するために現場業務改革の確実な実行に向けた取組みも同時に進め、全社プロジェクトとしての推進が求められるようになってきています。

そのような中では、これまでのようなプレ段階・企画段階での商談の発掘、提案活動や、上流のシステム化企画やRFP(*1)作成の支援は「営業とコンサルタント」で、システム構築段階は「SE」といった工程分担型の対応では難しくなっていると考えています。

そこで、流通業A社では、商談段階からSE会社のSEと富士通総研のコンサルタントでチームを構成し、それぞれの強みを生かした商談連携を実現して対応することが功を奏し受注に成功しました。さらに受注後もコミュニケーションを密にし、SIビジネスにありがちな“富士通の社内チーム内での意思疎通の問題”を解決するため、富士通総研はお客様推進チーム(事務局)の相談役としても機能し、お客様の意向をSEと定期的に社内共有する推進方法を取りました。その結果、アフタ段階でも、お客様との信頼関係を築くことができています。

ここでは、そのA社での成功ポイントについてご紹介したいと思います。

1. 経営戦略を実現するプログラムマネジメント(PMO(*2))支援に向けた提案(商談段階)

以下に示すPMO支援に必要不可欠な3つのポイントを提案し、それが功を奏しました。

(1) システム構築段階での、お客様トップを巻き込んだ取組みを提案。

体制作りにあたり、システム作りは情報システム部門主体で、現場部門の参加が意識されていない状況でした。そのため、体制作りがプロジェクト成功の重要な要素と考え、情報システム部門が考えているシステム像と現場部門とのギャップを洗い出し、経営層も含めたお客様全社体制の必要性を経営トップへ訴求し、トップダウンでのプロジェクト実施を提案しました。

(2) 経営層(社長)を含めたプロジェクト進捗管理への対応を提案。

システム構築プロジェクトにおいて、経営戦略や業務改革の実現が可能かの検証実施等、経営レベルでのプログラム管理の観点からプロジェクトを管理する提案を行いました。(プロジェクト遂行におけるPMOの役割を富士通総研が対応)

(3) 現場部門の意識改革、運用変革への提案。

新システム活用度を最大化するため、トップに対し業務運用を現場部門で詳細に検討する価値を提言し、システム開発と平行して実施することを提案しました。

2. SEとコンサルタントの意思疎通(お互いに出来ないことをはっきりさせる)の確立(全工程)

(1) SEとコンサルタントで実施イメージ、役割分担を事前に共有。

今回体制を組んだ富士通チーム全体として提案可能な実施イメージを共有し、その中でSE側にて対応可能な範囲、富士通総研に期待される役割を明確にしました。当たり前のことですが見落としがちなことです。さらに、富士通総研では、PMOや業務改革への取組みだけでなく、業務知識を生かしたシステム要件の整合性の確認もSEと協力して実施しました。

(2) SEの得意分野を生かし、インフラ、既存システムとの繋ぎも含めた課題解決の仮説を持った対応。

SEとの一体活動により、富士通総研が主体となった業務改革と業務機能を中心とした新たなシステム像の仮説に対しても、SEも富士通が持っているソリューションの提案だけでなく、モノづくりの観点で、お客様が今後取り組むべき課題を明確に意識した提案をすることができました。これによりお客様の思い、期待の実現に貢献できました。その逆に、コンサルタント・サイドも、SEとしてどうしたいかを共有することができ、意思疎通の面で大きな成果を得ました。

これまでのSIへの連携プロジェクトでは、SP(*3)フェーズはコンサルタントが実施し、そのアウトプットをベースとしてSEが提案し、要件検討から開発フェーズを実施するような活動が多かったように思います。成果物だけでは、お客様の思いの背景を伝えるということは大変難しいと考えています。よって、これからのSI商談のあり方としては、初めからSEとコンサルタントでイメージを共有し、お客様経営戦略実行の視点でSI提案を作り上げることが重要と考えます。この方法は、お客様にとっても富士通にとっても質の高い提案や、システム企画の実現につなげることが出来る最適のものと考えます。

経営者の思いを実現するためには、単に要件にあったシステム構築だけではなく、業務改革や、意識変革による気づきを与え、新システム活用による現場改革への取組みといったような、お客様全社取組みやIT定着化に対する活動がますます必要とされるようになります。

お客様にとっても、SEにとっても、富士通総研にとってもWin-Winの関係構築のために、今後のSIビジネスにおいては、コンサルタントとSEが共同で動くことが不可欠です。この活動スタイルが富士通の強みを生かした、良質なSIビジネスにつなげるための大きなポイントになると考えています。

また、良質なSIビジネスに向けた共同活動では、お客様の投資を最適化するために、本当に必要なIT化の判断も求められます。そのために富士通総研としてもSIの中身を知ることは不可欠であり、SEとしてもお客様の経営戦略から業務を理解することも必要です。今後はこういったノウハウを持った人材を増やしていく課題に取り組むことも重要と考えます。

注釈

(*1) RFP :  Request For Proposal

(*2) PMO : Program Management Office

(*3) SP : System Planning

関連サービス

【情報戦略】

【業務プロセス】