2007年参議院選挙の意味
2007年7月18日(水曜日)
今年の7月29日に参議院選挙が行われる。参議院議員の任期は6年であり、3年に1度その半数が改選されることになっている。今年はその3年振りの選挙に当たる。参議院の議席は242議席で、その半数の121人が改選される。
今年の参議院選挙で改選される121人の内訳は自民党64人、公明党12人、合わせて与党76人。他方、民主党32人、その他野党11人、合わせて43人が野党側である。今回の非改選121議席の内訳は、与党側、自民党46、公明党11の合わせて57議席。対する野党は、民主党49、その他15で合わせて64議席である。
野党は、今回の選挙で参議院の過半数を占めることを目標に、懸命に選挙戦を戦っている。民主党の小沢代表は、過半数を取れなければ政治家を引退するとまで明言し、退路を絶った戦いに挑んでいる。野党が参議院で過半数を占めることができれば、衆議院で圧倒的多数を占める与党連合が提出した法案を修正する権利を手にできるからである。
一方自民党は、6年前の2001年の参議院選挙では、小泉旋風のおかげで大幅に議席を伸ばしたため、今回の選挙ではその小泉効果が剥れる可能性があり、今回の選挙では参議院全体で過半数を確保することは容易でないと見られている。安倍総理にとって今回の参議院選挙は、その意味で苦しい戦いになることは当初から予想されていた。
安倍政権は、発足した時から戦後生まれの総理が主導する政権として、外交でも内政でも大きな戦略を掲げてスタートした。外交面では、小泉政権時代に冷却した中国や韓国との関係を改善し、アメリカとの同盟関係を基軸にしながらも、防衛力を強化し主体的な外交戦略を進める基本的な立場を強調してきた。中国や韓国との関係改善、防衛庁の省への昇格、憲法の見直し、などで安倍総理はその企図を着々と実行してきたし、またしつつある。一方、内政面では、景気回復の追い風を受けて財政再建に注力し、プライマリーバランスの黒字化達成の目処を前倒しする展望が見えてきた。教育についても教育基本法の改正や教育再生会議による改革など着実に公約を実行してきている。
ところが、そうした正面からの取り組みの一方で、国民の関心を惹くさまざまな事件が持ち上がり、安倍政権の支持率は急速に低下することになった。ひとつは、松岡農相の自殺に象徴される政治と金の関わりの問題、また、5千万人の年金記録が宙に浮いているという深刻な問題などが続き、安倍政権の人気は急速に低下したのである。野党にとっては格好の攻撃材料が浮上した形で、民主党をはじめ野党はこれらの問題を捉えて攻勢を強めてきた。
野党が批判を強めているもうひとつの問題は、格差問題である。小泉政権が強力に改革を進めた結果、社会的な格差が広がったという批判である。本欄でも既に述べたように、格差は景気変動とともに変化をするもので、経済成長が進めば格差は縮小する性質があり、野党の批判は実は的を射ていないが、民主党の小沢代表は、かつての持論とはほぼ正反対の主張をして自民党政権を批判している。
選挙民が安倍政権が行ってきた政策の効果をどのように評価し、また野党の主張や論点をどのように受け止めるか、その結果は7月29日の選挙で示されることになる。
